学校U ’96日本
監督 山田洋次  出演 西田敏行 / 吉岡秀隆 / 永瀬正敏


 
『学校』シリーズ第二弾。

北海道の高等養護学校を舞台に、社会になじめな
い少年ふたりの成長を見守る新任教師らの姿を描
いた作品。吉岡秀隆は96年度毎日映画コンクー
ル助演男優賞を得た。

よくできた映画だと思う。何度も胸が締め付けられ、瞼が熱くなった。
高等養護学校での授業風景や寮での生活、障害を持つ生徒の進路、携わる
先生たちの苦悩、たったの2時間にぎっしりと詰まっている。

自閉傾向があるタカシ(吉岡秀隆)は、入学時からまったく口を聞かないでい
る。そのタカシが、重度の知的障害を持つユウヤと関わっていくことで閉ざして
いた心が徐々に開かれ、見違えるように変わっていくのだ。
周囲はその変化に驚き喜ぶが、社会では冷たい現実が待ち受けていた。
3年の2学期、Yシャツ工場での現場実習でタカシは壁にぶち当たる。
教えられた作業が覚えられず、何度も先輩に注意を受ける。
タカシの心は悲鳴をあげ、パニックという形でついには爆発する。

「ユウヤは自分がバカだって知らないんだろ?僕ももっとバカだったらよかっ
た。みんなが自分のことをバカにしているのが分かるんだよ!」

西田敏行演じるリュウ先生の家庭も、実は壊れている。
母方に育てられている一人娘は、進学をせずミュージシャンになると言い張
る。思うように育てられず、娘の身を案じるリュウ先生。
そのリュウ先生が別れた妻に宛てた手紙。

  僕たちは、由香に多くのことを期待してはいけないと思う。
  本人にとってどんなに負担になるのかを考えるべきだ。
  僕たちにできることは、あの子に寄り添ってあげること。
  そして、健康と自分を愛する心を与えてやることだと思う。
  あの子にどんな花が咲き、どんな実がつくのかを知っているのは
  僕ら親ではなく自分自身なのだから。
  離れて暮らす父親からのお願いです。

リュウ先生の娘の育て方と、生徒への接し方は似ている。
迷っているのだ。ベテランの風格を漂わせていたリュウ先生も、
迷いながら手探りで教育をしていることが分かる。
生徒を・・子供を育てる公式など、世界中どこ探してもそんなものはないのだ。

自閉傾向があるタカシ(吉岡秀隆)、重度の知的障害を持つユウヤ、
何もかもが初めて体験に努力の向かう先が正しいのかどうかを惑う
新米先生コバちゃん(永瀬正敏)、ベテランのリュウ先生とレイコ先生
(西田敏行&いしだあゆみ)、彼らに出会ってほしい。何事も一生懸命に頑張
っている先生生徒たちを、たくさんの人が目にすることを願っています。


   「何故なんだ!あの子たちを、普通の子供たちから切り離して
    特別扱いすることに問題があるんだよ!あんな天使みたいな
    子供たちから教えられることがたくさんあるんだよ!」

                         ( リュウ先生の言葉から) 


■2003/02/12 




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