行って来ました。東京地裁!
東京地裁へいったけど、
被告として呼び出されたわけではない。
れっきとした原告。
そう私が訴訟を起こしたのです。
ある会社時代の未払い給料の損害賠償請求です。
裁判所ってテレビでは見たことあるけど、実際はどうなんだろう?
ドキドキしながら入り口の金属探知機をくぐった。
取締役なんてなるもんじゃねー!
本文は私の小説でありフィクションであることを始めに断っておきます。
ことの発端は、私が某ベンチャー企業の取締役になったことだった。
赤字決算で月々のやりくりもままならない状態に陥り、社長がとった行動は増資だった。
ある商品のメリットを強調して素人同然の投資家に説明する。投資家が割と簡単に資金を出す。
一見、サギまがいと私も思った。だが、あくまで投資、リスクは伴うのは当たり前。
あれよあれよと、2億の資金が集まった。
しかし、その資金も新入居ビルの権利金や家賃、人件費などに消え、
半年の延命が精一杯。
当時の役員はまともな人間は少なかった。
私は唯一まともだったと今でも思っている。
その他の役員は皆、私より20才位年上のヤマ士で
全員会社を倒産させた経験者。
よくまあ集まったものと関心するでしょ!
赤坂界隈はそんな連中がうようよいるよ。
そんなある日、ある人に怒鳴られた。
「そんな経営やってたら、お前も捕まるぞ!府中刑務だなぁ。初犯だから執行猶予はつくだろう。」
そんな???俺が何を悪い事した???
粉飾決算を黙って見ているのは同罪になってしまうらしい。日本は、はんこ社会だから役員会議事録だって
三文判を買えば簡単に全員の捺印ができる。
アメリカだったら、陪審員制度と言うものがあり、一般人の陪審員が判決を左右する。
この人は加害者じゃない。逆に被害者であると陪審員が認めると逆転判決さえあり得る。
お国の司法にこんな差があって良いものだろうか?でも、私は日本人。
日本の法律によって裁かれる。
こんな会社に長くいたら人間が腐ってしまう。俺もヤマ士になってしまう。
結局辞める決意をした。
しかし、辞めれば役員の責任から逃れられるかと言うと、半年さかのぼるらしい。
株主代表訴訟を起こされでもしたら、全員の連帯責任となる。正しいことをしていれば会社更生法を適用され
賠償責任があったとしても個人の財産までは及ばない。いい加減なことをしているから会社更生法など適用されない。
責任は個人の財産まで及ぶ。はらはらドキドキの半年だった。
知り合いの弁護士に相談したこともあり、無事辞任退社できた。
しかし、2ヶ月分の給与が未払いのまま。
悔しいから、弁護士に相談し未払い給料の賠償請求を起こそうと言うことになった。
役員なのに???と思うでしょう。
取締役○○部長と言う肩書きは取締役としては使用者の性質、
○○部長は雇用される立場の性質を持つ、両面を兼ね備えているわけです。(商法上)
代表取締役、専務取締役、常務取締役、これらと、取締役○○部長とでは立場が異なるのです。
まずは、労働基準局へ相談した。
会社の経理担当が労働基準局へ呼び出されたらしい。そこで担当は残金130万を支払う意志があると言った。
しかし、依然として支払われない。
労働基準局へ問い合わせると、
「裁判を起こしたほうがいいですよ、基準局は指導はできるが、差し押さえ等の権限はない。」とのこと。
弁護士の報告した。
「癪に触るから、労働基準局に刑事告訴してもらえ!」
おやおや話はでかくなってきたぞ!
労働基準局に刑事告訴してくれるか問い合わせた。
「半年以上かかりますよ。裁判所の呼び出しに確実にお付き合い頂けることと、判決がでてもせいぜい罰金刑ですよ。
それでもよろしければ、告訴しますが?」
そんなの馬鹿らしいよね。
結局、残金130万の損害賠償請求のみとした。
今、50万以下?の小額訴訟は簡易裁判所で受け付けてくれる。判決までに時間も短縮されたらしい。
訴状を自分で書いて、弁護士に見せたら、こんなのダメって破かれた。
「自分の商売だからって、苦労して書いたものを破くなよ、このくたばりそこないが!」
訴状は書いてもらって、手続きも全部してもらった。
しばらくして、裁判所から呼び出しがきた。送達証明郵便と言うやつでくるんだ。
配達員が受け取りのはんこをもらって、確かに渡しましたよ。と照明する。
○月○日、東京地方裁判所、第○号法廷にきてください。と言う内容。
そして、当日。
ドキドキしながら入り口の金属探知器をくぐった。よかったならなくて。
法廷につくと、5〜6人いる。
俺の相手はどいつだ?
ちきしょう相手は弁護士か??
時間になると、裁判官と書記、もう一人助手みたいな人が出てきた。
「起立、一同礼、着席。」
名前が呼ばれた人が原告席と被告席に別れて座る。
ここでやっと理解できた。民事訴訟は一回の法廷で何件かの裁判を順番にやるんだ。
弁護士同士が、お互い立ったり座ったり、発言する時は立つきまりらしい。
口頭弁論は5分位、後は次回の日程調整。
裁判官「○月○日はどうですか?」
弁護士1「その日は水戸地裁に行っております。」
裁判官「では○月○日はどうですか?」
弁護士1「結構です。」
弁護士2「その日は高松に行っております。」
こんなんだから、裁判は長引くんだよ!
そして自分の番がきた。
あれーっ、相手がいない。これって欠席裁判ってやつかな?
ちょっとホッとした。
当時テレビでタブロイドって番組やってて、真田広之と常盤貴子がでていた。裁判のシーンがよくあって
それが印象に残ってて、自分ものんな感じかなぁって思っていた。
けど、テレビのは殺人容疑の刑事裁判だし
自分の場合は民事訴訟だから、全く違った。
裁判官も私を見るなり、素人と悟ったのだろう。
「○○さん、事情を説明してください。」
いきなりアットホーム。
金額の裏付けにかんする質問が一通り終わると、
「はい、解りました。次回はいつが都合が宜しいですか?早いほうが良いでしょう。」
法廷は毎週木曜日に開廷する、次週の木曜日を希望した。
「はい、次回は次週木曜日にします。判決を言い渡します。」
「有り難うございます。」
わずか10分程度で終わった。やれやれ。
弁護士に報告して結審して、次回は判決なので木曜日に法廷へ行くと言うと、
「判決なんか聞きにいってもしょうがないよ。行かなくていい。」とのこと。
判決文が郵送で送られてきて、それを元に差し押さえするそうだ。
しかし、法廷に原告も被告もいなくていいの?本当に!
しばらくして、判決文が届いた。
前面勝訴、当たり前。
「被告は出廷の要請にも応じないから、自白したものとみなす。」と言う内容。
さて、ここからが勝負。
差し押さえってどうやるの?
差し押さえってどうやるんだろう。自分で乗り込んで例の紙はるの???
弁護士に聞いた。
裁判所の執行官の日当にあたる手数料を払うと執行官が差し押さえに行くらしい。
当人は付いていっても、行かなくても良い。
「いやみの一つも言いたければ、行けや!」と、弁護士。
ではどうやって、差し押さえた物がお金になるんだろう?
裁判所に値踏み屋さんがうようよいるらしい。執行官がイクゾ!と言うと付いてきて
差し押さえの現場で即、値付けするんだって。
副社長のシーマが狙い目と思っていたが、車は陸運局に問い合わせして所有者を確認しないと
差し押さえできないので、車は差し押さえの対象にしないのが普通らしい。
そうこうしているうちに、弁護士からの連絡、
「連中、社名変更したらしいぞ。」
うっそー!!!
社名変更し、前者は倒産。現在の財産は前社から買い取ったものと言う書類を偽造するくらい簡単なこと。
しかし、役員が全て同じだったりすれば、すぐ見破られる。
弁護士は差し押さえの手数料約3万が無駄になることを私に対し心配している。
なんてったって、弁護士顧問料もタダたし、私にお金を遣わせまいと配慮してくれている。
そんなこんなしているうちに別の事件発生。
被告の会社社長がある会社の手形をパクって(-_-メ)やとって逃げ回っているとのこと。
パクられた会社の社長はとりあえず会社事務所家賃の保証金を差し押さえたらしい。
それでも、2千万のうちの5百万。
弁護士は
「お前はあきらめろ。差し押さえてもなにも出てこないぞ。」
約半年間の苦労が一瞬で消えました。
私が費やした費用は5万円位なもんでしょう。めったにできない勉強代としては安い。
これが、一般人が普通に訴訟を起こしたら、一体どれだけの費用がかかるのでしょう。
訴状すら一般人には難しい。
頻繁に訴訟が起きては困るけど、
裁判がもっと身近になればいいのに!