最終更新日:02.10.07 |
| 第一話 |
○月×日、良く晴れた昼下がりのとある住宅地。 ゆうゆうと歩道を歩く一人の男、くわえ煙草に黒いスーツで、サングラス姿、短い足に大きな頭。 この男こそが、チマタで知る人ぞ知る、さすらいのボディーガード『ジャイブル・ロック』である。 そしてもう一人、そんなさすらいのボディーガードに憧れを抱き、追っかける様に彼について歩いている一人のヤサ男、僕である。 ジャイブル・ロックに憧れ、追いかけ始めて半年、彼の行くところには、不思議なことに、当たり前のように必ず犯罪が起こる。彼はその鋭い嗅覚を使って犯罪の臭いを嗅ぎつけ、罪なき人を救い、何も言わず何事もなかったかのように静かに立ち去るのだ。 今日も何か起こるんだろうなぁと半分心に覚悟を持ち合わせつつも、まさかこんな穏やかな場所にと疑う心で彼の丸い背中を見つめながら歩いていた。と、その時だった。突然彼は立ち止まり、とある一軒家の方を見つめだした。彼は犯罪の臭いを嗅ぎつけたに違いない。僕の全身に緊張が走った。 この家は、ごくごく一般的な二階建て住宅。壁はシックに灰色で塗られており、庭にはきれいな花が穏やかな昼下がり気分に誘われるように咲いている。家の周りには綺麗にせん定された生垣が植えてあり、この家の住人の几帳面さをうかがわせた。こんな幸せそうな家に犯罪が起こるだなんて・・・。僕は犯罪者への怒りを抑えきれなくなっていた。 そんな僕にジャイブル・ロックは耳元で低い声で静かにささやいた。 「どこにいるかわかるかい?」 僕は家の周りに目をやった。しかし、どこにも犯罪者の姿を見つけることは出来なかった。そんな僕をみかねてか、ジャイブル・ロックは僕の背中をゆっくりと押した。そのとたんゆるしがたい光景が僕の目に飛び込んできた。 勝手口のカギをピッキングによって開けようとしている犯罪者がそこにいた。歩道に立っていた僕にはこの立派な生垣が死角をつくり犯罪者の姿が見えなかったのだ! 次の瞬間、ジャイブル・ロックは犯罪者の腕をひねり上げ、押さえつけた。そして、事前に連絡しておいたのだろう、駆けつけた警官によってあえなく御用となった。 その後、彼はいつもの通り、何もなかったかのように穏やかな昼下がりの町並みの中にゆうゆうと歩き去ったのであった。 つづく・・・ ★今回の僕の手記 ![]() |