
ハウスメーカーとは
ハウスメーカー、まあ、定義は難しいけど、ここでは、年間着工件数の上位30番手くらいまでのメーカーさんとしましょう。
ハウスメーカーというより、工業化住宅といったほうがしっくりくるでしょうか。
家を、商品として捉え、独自で一定の規格をつくり、極力熟練の必要な作業を廃し、工期の短縮、人件費の削減、また部材を大量発注することでスケールメリットによるコストダウンをはかります。現在の日本の家を語るのに、抜きにしては語れない大きな存在だとおもいます。
ハウスメーカーは、まさに時代の要請とともに生まれ、時代の要請に応じて大きくなってきました。また時代の要請とともに変化してきています。“時代の要請”これが曲者です。
例えば、これだけ一般的に誰でも家を持つことが可能な世の中になると、当然、安ければ安いほど、受け入れられます。“少しでも安く”は、明らかに時代の要請となります。それに応えていくには、これまでの家をつくる工程で大幅な技術革新が望めないこの業界で、“本物”ではなく、大量生産可能な“代替品”を開発することがもっとも近道です。さらに代替品を熟練なしで取り付け可能なマニュアルづくりも人件費削減に有効です。また、あってはいけないことですが、安くすることにより耐久性が、軽視されたりします。
この“代替品”をあげだしたら、きりがありません。大工が墨付、刻みをしなくなり、左官は、もっぱらセメント専門だったりします。しかし、誰もそれらの状況を苦々しくおもっている人はいても、否定はできなかったのです。それが“時代の要請”ですから。
しかし、時代はかわり、依然として“少しでも安く”というのは、大きな時代の要請であることにかわりはないのですが、家は消費財ではなく、資産としての耐久性を求める声や、シックハウスの社会問題化、欠陥住宅の社会問題化、さらに環境問題という、今もっとも熱い時代の要請に、その他施主一人一人の個性的なニーズに、ハウスメーカーは対処しなければならないという、難しい時代になりました。しかも注文住宅の着工件数(年間)は、不況の影響で減少の一途です。
こういう、時代の流れを受け、代替品ではなく、本物(あえて本物とします)が、見直されるようになってきました。ハウスメーカーも、例えば、無垢の床材や、内装の壁材を土系の材料を使用するようになりました。しかしそうなると、前述のハウスメーカーのコストダウン戦術に矛盾が生まれます。これをどう克服していくのか、楽しみなところではあります。もう、代替品戦術は限界のような気がします。