
職人の本
僕が家を考えるにあたって、もっともよりどころとし、もっとも多く読んだ本が建築の職人に関する本だ。読んだ本については、勉強の日々を参照していただきたいが、あらゆる面で、一流の職人が言うことが何より信頼できるのではないかと考えるようになった。
先人の知恵は偉大であり、世界に誇れる日本の木造建築の構造、技術、建築素材については、職人にしか、継承されておらず、学問として体系だてて、研究する学者が非常に少ないことがわかった。
そうなると、地震を予知できない地震学者のようなもので、この業界の学者は、極めて頼りない存在だ。でも、大学教授というのは影響力が非常に大きく、一旦権威ある学者が提唱したことは、現場レベルで間違いであっても推奨されてしまう、それぞれの時代背景とともに。
現在の工業化住宅が、日本の伝統、風土、知恵を無視してきたのではないかという疑問が、強くうまれ、コンクリート基礎、筋交いの多用。金具、ボルトの多用。新建材、接着剤の多用、外国産材の多用。に疑問が生まれた。
そうなってくると、高気密高断熱という、省エネルギーを優先課題としたお題についても、疑問が生まれ、優先すべきは、現代の家に、いかにして日本建築の伝統的な知恵、工夫をとりいれることができるか、という方向に考え方が変わっていった。