
職人とは
職人の本を読んで、どんどん傾倒していった僕が、これは面白いと思った本を一冊だけあげるとすると、西岡棟梁の弟子の小川三夫氏の、「不揃いの木を組む」という本です。
何が面白かったかというと、職人というより、日本人の仕事に対する考え方とか、生き様とか、勉強になること、感心することがたくさん詰まっていたからです。
たとえば、昔、広島東洋カープにホプキンスという外国人選手がいましたが、山本浩二、衣笠、とともに広島の優勝に大きく貢献した選手です。彼は、野球をやりながら医学の勉強も続け、野球引退後、医師として地域医療に従事しているそうです。
また、メジャーリーグの監督には、弁護士の資格を持つ人がいたりします。あるいは、いろいろなプロスポーツをかけもちで、こなす選手もいたりします。
日本では、野球選手が、医師や、弁護士の資格をとるなんて考えられません。でも、だからといって、日本が遅れているとか、だから見聞が広がらないんだとかいう批判をする方がおりますが、この本を読めば、それは誤りだと気がつきます。
ひとつのことに対して、没頭し、やり続けることは、日本人の伝統といっても良いのかもしれません。ひとつのことを、やり続け、大成していく人物は、人としても優れた人が多いものです。決して、いろいろな学問や、分野に精通していなくても、人として、何が一番大事なのか、人の心とは、どういうものなのか、その仕事をやり続けることで、その仕事の中から、不偏の真理を見出していくものだということが、この本からわかります。