★出産〜2004年7月2日(金)晴れ★
 前夜はほとんど眠れず...。明るくなってからお散歩に出かける。朝の心地よい空気を吸って気持をすっきりさせてから帰宅。
 6時40分、タクシーにて病院へ向かう。

 7時、病院に到着して促進剤を飲む。それから病室で着替え、浣腸。少し前にもやったばかりだったので今回は思った程不快ではなかった。
 陣痛室に入ると、すでにおひとり横になっていた。彼女もここ2週間入退院を繰り返しているらしい。ときどき「いたたた...」という声が聞こえてきたが、張りと張りの間隔がまだ長いらしい。私の方は、張りにこれまでにない痛みも伴ってきた。今度こそいけそうな気がした。
 8時、2錠目の促進剤を飲む。まだまだ余裕があったので食堂にて朝食を食べる。26日に出産した友達と一緒になったので食事中はいろいろお話が出来て楽しかった。でも、彼女は今日退院なのだ。今回はすれ違いになっちゃった。
 食後、外来にて内診。子宮口はまだ固いとのことで膣錠を入れられる。その後は病室に戻り、3錠目の促進剤を飲んでからその時が来るのを待つ。ベッドに横たわっていると青い空が見えた。
あー、なんだか南の島でバカンスしているみたい!
ちょうど持ってきた雑誌の中にハワイ特集をやっているものがあったので、それを読みながら気分だけは常夏の島。
 9時50分くらいから3分間隔の張りと軽い痛みが続く。張っている時は辛いけど、それがひいていった時の気持良い事。脳内麻薬でも出ているのか、こんな快感味わった事ない!
分娩台よりもこの青い空をみながらここで産めたら幸せだろうなー。
 10時に4錠目を飲む。張りが一層強くなってきた。11時の5錠目を飲む前から張りの間隔は1分に縮まり痛みも強くなってきた。看護士さんにそれを伝えると陣痛室への移動の指事が出る。張りの山と山の間をぬって陣痛室へ移動。隣のベッドの方は痛みが強くなってきたようで分娩室へ移動していいった。今朝は余裕でおしゃべりできた同士なのに、二人いっぺんに産気ついたようだ。先生がやってきて「痛くなってきたか?」と聞きながら内診。子宮口も準備体勢に入ったらしい。(といってもこの段階でまだ3指)
 11時半、張りも強くなってきたし私の大事をとって分娩台に移動する事になった。同時出産の可能性が出てきた為、急きょ美容院に行っていた婦長が呼び出され駆け付けてくださる。私も分娩体勢に入ったが、隣の彼女のほうが苦しそうな声をあげているので、「私はここにいてもいいんだろうか...」と思えてきた。苦しそうにしながらも「先生!お腹が空いた!」といっている彼女。12時の6錠目の促進剤を飲みつつ吹き出してしまいそうになった。それから血管確保の為の点滴の針が入り、子宮口をやわらかくする注射も打たれた。陣痛よりそちらのほうが痛かったし、呼吸法もマニュアル通りにできる余裕があった。
 12時19分、強い張りとともに自然破水。この段階でもそのことを自己申告できるくらい余裕があった。お隣の方も少し前に人工破水したようで、一気に分娩室内に緊張感が走る。
 12時30分、お隣が最終的な分娩体勢に入っていく。「はい、いきんで!」などという声が聞こえてくる。私のほうも痛みが強くなってきたが足の指に力をいれて耐える。12時45分、「はい、出るよ!」という声と供にカーテン越しに産声が聞こえてきた。それを聞いた途端、まるで自分が産み終わったかのようにほっとしてしまった私。気のせいか痛みも弱くなった。しかし、
「はい、次はららさんの番よ!」
と看護士さん達がこちらの分娩台に駆け寄ってきてくれた瞬間「あっ、そうじゃん。まだ、産んでなかったよー!!」痛みが蘇った。子宮口は充分開いていないようだし、先生は隣で処置しているし、まだいきんじゃいけないときだとわかっているものの、赤ちゃんが産道を下がってくると自然と下腹部に力が入ってしまう。その度に
「でちゃだめー!」
と叫んでいきむのをこらえた。「『早く産まれてきてね。』とか言っていたのに、このごに及んで『出てくるな』とは...なんて身勝手な母だ」と赤ちゃんに思われたかもしれない(笑)
 直前に隣の方の出産の模様を聞いていたおかげで産む時のイメージがつかめた。切開し、やっといきみの許可が出る。お尻の辺りに力を入れているような感じだった。1度目のいきみ...しかし「ひっかかってます。」という会話が聞こえてきた。それならばと次は「あ"っー!!」と大声を出しながらいきんだ。しかし「声を出すと力が分散してしまう」と先生からダメだしされ、3回目は声を出さずに頑張った。12時59分、「どばっ!」という音と主に赤ちゃんが飛び出していった。それから「ほぎゃ〜!」さっき聞いたのより低い声の産声が響く。(先に産まれたのは女の子だった)「男の子ですよ」と婦長さんが顔を見せてくれた。
「わ〜!ぶさく。でもかわいいー!」
体重は3,500グラム、3,000グラム以上は産む自信がない...って思っていたけど意外楽だった。(今だから言えるけど...)今回は胎盤も見せてもらえた。自分のものでもグロテスクなのでこっちには愛着はわかない...。へその緒が長かったらしい。でもどこにも巻き付いていなかったんだって、よかった。7月からクーラーが入った院内だったが、私はものすごく顔に汗をかいていたようで、婦長さんがタオルでふきとってくださった。
 後産と縫合痛みはわが子の姿をみながら耐えた。いきむときに大声を出したせいで咽も痛かった。縫合の痛みに耐える為に呼吸法を用いたら先生から「そんなの息を荒くしなくてもいい!」とクレームがついてしまった。(随分長い事縫われていた気がするが、後で聞いたところ4針だった。)縫合の後、
「先生!本当に入っていたんですね!」
と言うと、先生はニヤリと笑っていた。
 全ての処置が終わった後、身内に電話をかけさせてもらった。最初にパパの携帯に電話した。男の人が出たが...声が違う...
危うく赤の他人に最初の出産報告をしてしまうところだった。
母子手帳に書いてある電話番号を教えてもらいながら再度ダイアル、次はパパがでた。ほっ!職場の皆が近くにいたようで歓声が聞こえてきた。続いて実家の母に連絡する。母からあれこれ質問攻めにあうが、大仕事を終えた後で頭がぼーっとしていたので必要最低限の事だけ伝えて電話を切った。
 その後分娩台の上で生まれてたの赤ちゃんとラブラブタイム!お尻の辺りをとんとんたたいたり妊娠中お腹に向かってサリーが歌っていた「きらきら星」を歌うと泣き止む。
「おおー!さっきまでお腹にいたのは間違えなく君なのね!」
久々の赤ちゃん!夢見心地の中、赤い顔や羊水でふやけた白い手を触りまくって感触を楽しんだ。産まれたばかりの我が子の顔、誰に似てるか一目瞭然!それは...
ガッツ石松。
 14時頃、赤ちゃんを看護士さんに委ね、私は遅めのランチタイム。冷めていたけどやっぱり美味しい御飯。分娩台の上に横たわっていたのでちょっと食べにくかったけど、牛乳以外は全て頂いた。15時頃になるとお隣のベッドの方が病室に戻っていった。私もすぐに帰れるかなーって待っていたけど看護士さんが忙しかったらしくなかなかお呼びがかからない。縫合の後が痛くなってきて辛かった。ベッドの上だったらナースコールっていうてもあるけど、分娩台付近にはそういうのが見当たらなかったし...。(涙)

 15時半、導尿&キズ口の消毒の後、ようやく病室へ移動させてもらえた。私の病室の前は新生児室、ちらっと保育器の中の我が子顔を見る。ここでじーっと見守っていたいけど今夜21時までは歩き回れない。キズは痛むけど、久々の出産に感動した私は...、
「3人目も産んでみたい!」
と舞い上がってしまっていた。
 そういえば、15時以降に来てくれてーって母に伝えたあったのに、誰も来ない...。実家&松本のアパートに電話してみるが何故かお話中...。方々に出産のお知らせをしているのか?!それより誰か来てくれー!先に産まれた方の所には続々と人が来ているようなのに...。お尻が痛くて横になっているのも辛いし、一人じゃ寂しいよー!時々看護士さんに「お腹は痛くない?」と聞かれるが子宮収縮の痛みも感じないくらいお尻が痛い...。しばらくするとお義母さんから電話が来た。《園のママ友達に産まれたことを連絡→友達が担任の先生に報告→先生がお迎えにいったお義母さんにお話》というふうにお義母さんのところに情報が届いたようだ。パパがアパートに何度か電話したが気がつかなかったんだって。(電話の着信音が鳥の声だった為、義母が電話だと思わなかった)
 17時30分、実家の母と親戚のおばさまがお見舞いに来て下さった。
 夕食前、初めてトイレに行く。看護婦さんに付き添われ点滴スタンドにつかまりながらよろよろ廊下を歩く。新生児室のガラスにへばりつくように、母とおばが赤ちゃんを見ていた。私もその中に加わわる。赤ちゃんは保育器の中で泣いていた。
 18時病室に夕食が運ばれてくる。二人に見守られながら立ったまま食べた。ドーナツ型座ぶとんにも座れない...。
 19時頃、先程の二人と入れ違いになるかのようにパパとサリー、それにお義母さんがやってきた。サリーはここに来る途中、ぐらついていた乳歯が抜けたみたい。大事そうに紙に包んだ歯を見せてくれた。「大人の歯も生えてきたし、本当にお姉ちゃんになれたね!」というとにっこり笑っていた。もしかしたら、赤ちゃんが狙っていたタイミングは「このこと」だったのかしら。だとすると、彼はすでにお姉ちゃん子か?!ガラス越しに弟と初対面したサリーの感想は...「男前ジャン!」らしい。(義母談)授乳中に髪型をガレッジセールの”ゴリ風”にしておいたのがうけたようだ。
 パパが新生児室に入って赤ちゃんをだっこした。出産当日はパパだけだっこすることが可能なのだ。白衣を着たパパにだっこされる赤ちゃんの姿を見てサリーはちょっとジェラシー感じたみたい。「私も触りたいー!」って騒いでいた。ガラス越しにしか見れないのが嫌みたい。サリーの産まれた時はだっこするのを怖がっていたのに、今回は結構長く赤ちゃんをあやしていた。さっきのラブラブタイムよりも長く抱いていた。「苦労して産んだ私よりも長く抱くなんて!!」私も悔しくなってきた。パパの感想...「軽い。(抱いている時)くしゃみした」
 ほんの数日の間なのに、サリーは私に対して少し遠慮している感じ。私の方からいろいろとアプローチしてみる。するとちょっとづつ緊張がほぐれたみたい。帰る時今日のおやつのクッキーを持たせてあげた。

 人がいる間は気がまぎれていたけど、キズの痛みに耐えられず鎮痛剤を出してもらった。授乳も可能という比較的弱い薬ではまったく効果がない。安定剤を飲んでも眠れず...。22時頃、さらに強いのを頂くがこれも効かず、翌2時頃、翌日の授乳はなしという条件付きでさらにさらに強いのを頂く。気休めかもしれないが、その間何度もトイレに行ってはビデで洗浄し、パットを交換してみた。陣痛の痛みは短かったのに、産後のキズの痛みは長々味わう事になってしまった。

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