★Love Storys★


★おりこうさん★

久しぶりの遊園地。。。

今日一日タカシは私のモノ。

朝イチから夕方まで思いきり楽しんだ。

辺りはすっかり暗くなりイルミネーションが輝きはじめた頃
タカシは不意にうつむきながら切り出した。

「実はさぁ・・・」

「ん?なぁに?」

「えっとぉ・・・」

「うん?なになに?」

なんだか重い空気

「こないださぁ。彼女にメール見られちゃって
彼女がお前の事疑ってんだよ。」

「・・・そう・なん・だぁ・・・」

「・・・うん・・・」

「・・・アタシどうしたらいい?」

タカシはうつむいて黙り込んだ。

いつかこんな日が来る事は分かっていたはず・・・

同じバイト先のアタシとタカシ。
そしてタカシの彼女はアタシの親友。

親友のメグミの方が先にタカシに告白して付き合っていたのに
アタシはそれを分かっていながらもタカシに惹かれた。

このままじゃ最悪の事態になるのは目に見えてる。

やっぱり別れなくちゃ・・・

タカシの事はホントにホントに大好きだけど
親友を傷つけてまで幸せになるなんて出来ない。

アタシが身を引きさえすればタカシもメグミと何事もなく元に戻れる。

別れを決意して静かに切り出した。

「アタシ達さぁ・・・」

タカシがアタシをみつめてる。

胸が苦しい・・・

ふとどこからか怒鳴り声が聞こえてきた。

「どうしておりこうにしてられないの!?
まったくアンタって子は物分かりが悪い子ねぇ!!」

びっくりして声のする方を見る。

小さい女の子がママに叱られてた。

周りの人から注目を浴びた女の子は黙って下を向いたまま。

一瞬幼い頃の自分が重なった。

いつもビクビクしながらママの顔色をうかがって我慢して
おりこうさんを演じるのに必死だった。

ホントは、あぁしたいのに。。。こうしたいのに。。。

そんな自分が嫌で嫌でたまらなかった。

「で・・どした?」

タカシがアタシの言葉を待っている。

アタシは今まさにおりこうさんを演じようとしている。

ホントはタカシを奪っちゃいたいのに。

友情が壊れるのを恐れ、周りから非難されるのを恐れて
ホントの気持ちが言えない。。。

「・・・」

涙が溢れてきた。

「なになに?ど〜したの?」

「アタシ・・・」

このままじゃずっとホントの気持ち言えないまま。

ホントの自分を解ってもらえないままだ。

これでいいの??

「・・・アタシ・・・」

もうおりこうさんを演じたくない。
おりこうさんじゃなくていい!
誰になんて言われてもかまわない!

アタシのホントの気持ちタカシに解ってほしい。

「メグミは親友だけどアタシはタカシの事が大好き。別れるなんて嫌。
ずっとタカシと一緒に居たい。ずっとずっと・・・」

涙でタカシがにじんでいる。

「みんなにいろいろ言われるぞ・・・」

「・・・うん」

「お前もいっぱい傷つくかもよ?」

「いいの。それでもアタシはタカシが好きだから。」

しばらく遠くをみつめていたタカシは不意に優しい笑顔になって

「じゃぁ俺と一緒に傷つくか」

「えっ?・・・」

「お前と一緒にいられれば俺傷ついても平気だよ。」

タカシがアタシの髪を優しく撫でた。

アタシはタカシのあったかい胸に顔をうずめてしばらく泣いた。

タカシのこの手をずっと握っていよう。

誰になんて言われてもいい。

いけない恋でもアタシにとっては本当の恋なのだから。




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