おまけ・パート2

前回のあらすじ
平和なはずのぺーぱー王国に突然襲った、事件。
それは、レアラ姫が重い病気になってしまった。なかなか治らず、
困ってしまった王女様が、「魔女でも構わないから、早く治してほしい」
などと、願ってしまう。それを聞いた、悪い魔女”ジル”によって姫の病気は
治ったものの、今度は王女がジルに連れ去られてしまう事になる。
王様は、ジルに足を石に変えさせられ、姫のレアラは、悲しんで部屋から
出てこなくなってしまった。王様の説得でやっと部屋から出てきたが、次の朝
王様が目にしたのは、自慢の髪をナイフで短く切ってしまったレアラの姿だった。

髪を短く切ってしまったレアラを見た王様は、また悪い魔女”ジル”の仕業
ではないかと辺りを見渡したが、ジルの姿はなかった。そして王様はレアラに
持っていたナイフを、渡すように言い聞かせてから、何故そのような事をしたのか
レアラに訳を話すように言った。レアラが落ち着いた口調で、王様に向かってこう
言ったのである。「お父様、私は今日から”男”になります!」驚いた王様は、
「いったい、どういうつもりなのだ!」とレアラのとった行動と発言に動揺を隠せない
様子でした。が、レアラは澄んだ瞳を王様に向けて「私、お父様のような強い武道家
になりたいのです。ですから私を今日から男だと思って、鍛えてください。」王様は
もう言葉さえ忘れるほどでした、あの優しい姫からそんな言葉が出てくるとは、夢にも
思わなかったのです、ましてやお姫様育ちのひ弱なレアラに、武道などとても無理に
決まっている。ですが一度決めたらその意思をなかなか曲げない強情さもある事を知っていた
王様は困ってしまいました。レアラの顔は、昨日までの悲しみは消え、新たな決意を
秘めた様子です。そんなレアラに王様は、今のレアラに何を言っても無駄だと悟りました、
武道をするのは危険で心配ですが、武道をすることで少しでも気がまぎれ、生きる望みを
持てるのであればそれも良い事だと考え、レアラに「わかった、お前の好きなようにするがいい。」
と言って姫の気持ちを受け入れてあげたのです。
さっそく、朝食を終えた二人は、城の中にある武道場に向かいました。そこでは何人もの
兵士たちが修行をしていて、一番大きな声を出して兵士たちに気合を入れているのは
兵士の中では凄腕で隊長でもある”バズ”でした。そのバズが武道場に入ってきた二人に
気づき「全員、練習をやめーっ!」と声を掛け、兵士たちを整列させて王様とレアラを迎えました。
「これは国王陛下、お久しぶりで御座います。」そう言って顔を上げると、バズは髪をばっさりと
切ってしまったレアラに驚き「どうなさいました、レアラ姫!」と王様と姫の顔を交互に見ています。
他の兵士たちも驚いて、武道場中がざわめきました。何も言わない王様の代わりに、レアラが
バズに向かってこう言ったのです。「バズ、私も今日から皆さんと一緒に、修行をさせて
頂きたいのですが、よろしいですか?」髪を切った姫に驚いていたバズは、レアラの突然の
発言に、言葉を失いかけましたが、慌てて「何を、ご冗談をレアラ様!姫には、とても無理で御座います」
とレアラに言ったのですが、「冗談ではありません。私は真面目に言っているのです、私を
今日から男だと思って、皆さんと一緒に鍛えて頂きたいのです。」姫にそう言われて困って
しまったバズは王様の顔を見ています。ようやく王様が、口を開いてこう言いました。
「バズよ!迷惑かもしれないが、暫くレアラの我がままに、付き合ってやってくれ!」バズは
王様にそう言われてしまっては、断ることも出来ずレアラの望みを聞いて上げる事にしました。

さっそくレアラは、その日から他の兵士たちに混じり、武道の修行に励みました。
悪い魔女ジルに、足を石に変えさせられて動けない王様は、毎日ように家来に自分を
武道場に運ばせて、レアラの様子を見ていました。バズの厳しい修行にも挫けないで
レアラは頑張っていました。最初こそ、慣れない武道に戸惑っていたレアラでしたが、さすがに
”ぺーぱー王国”一番の武道家の娘のことだけあって、見る見るうちに上達して他の兵士たちに
着いていけるほどになりました。王様はレアラの上達振りに大変満足していて、今では自分自身が
レアラの修行の相手をして上げたくて、仕方がありません。が、「この足では・・・。」と、とても
残念そうでした。それから幾つもの季節が流れていきました。そんなある日、王様がいつもの
ように、レアラの修行ぶりを見ていたのですが、レアラの様子がいつもと違って見えたのです。
他の兵士たちには、気づくものはありませんでしたが、王様には、気になって仕方がありません。
それは、武道の達人としてだけでなく、父親としても感じるものなのです。「レアラは、一体
何を悩んでいるのだ。全然修行に身が入っていないではないか!」王様は独り言のように、呟きました。
その事に気づいていた、もう一人の男バズが、王様に「この頃のレアラ様は、時折このように
身の入った修行をしなくなっていますが陛下、何かご存知ですか?」と問い掛けますが王様にも
分りませんでした。その夜レアラは、自分の部屋のベットに身を投げ出して、何かを呟いて
いました。「・・・どうして、私は・・・何を一体しているのだろう。・・・」レアラの瞳からは、ひとすじの
涙が流れていました。レアラは悩んでいるのです、「このままでいいのだろうか?こんな事で
あの悪い魔女”ジル”からお母様を、助けられるのだろうか?いっそ私が本当に男だったら
いいのに!」と悩み始めていました。レアラ自身が武道家として、一人の人間として、大きな壁に
ぶつかっていたのです。誰にも言えず一人悩むレアラは「いっそ、お母様の様に魔女にでも
頼みたいくらいだわ!この私を男に変えて欲しい!」と叫びました。自分が男になれば父親の
ように強くなり、あのジルから母を助けられそうな気がする、と考えているのです。今のレアラは
武道家としての壁と、母を早く助け出したい焦りとで心が押し潰されそうになっていたのでした。
すると、何処からか、声が聞こえてきました。「レアラ様、そのような事を言ってはいけません!」
レアラが辺りを見渡すと、窓辺に誰かが立っていました。「あなたは誰?魔女なの?」レアラは
ジルではないかと身構えていると、「そんなに身構えなくても、大丈夫です。私は決して怪しい
ものではありません。」そう答えると、レアラの前にその姿を現しました。

「私の名は”ブレス”、レアラ様の声を聞いて魔女界からやって来ました。私の事を信用して、
暫く話を聞いてくださいませんか?」突然現れた魔女に、そう言われてレアラは、戸惑いました。
でも、その魔女からジルの様な悪意が、なさそうな気がして話ぐらいなら、と思いレアラ
は「分りました。悪意はなさそうなので、お話を聞きましょう。」とブレスに言いました。
すると、ブレスはゆっくりと話し始めました。「いいですかレアラ様、もうこれ以上自分の
心を痛めてはなりません。あんまり自分を追い詰めて、あのような事を言うと何処でジルに
聞かれているか分りませんよ。またジルに悪い取引をされるとも限りません。」ブレスが
まだ話を終えないうちに、レアラは「ジルの事を知っているのですか?ジルは何処にいるのですか?
お母様はご無事なのですか?」とブレスにまくし立てました。そんなレアラの慌てぶりにブレスは
「まあ、そんなに焦らないで、これでも飲んで、気持ちを落ち着かせてください。」と言いながら
レアラの前に魔法で出した、紅茶を差し出しました。その紅茶を一口飲むとレアラは不思議と気持ちが
落ち着いて来ました。そしてまたブレスは話を続けます。「ぺーぱー王国で起きた、あの事件は
我々の魔女界でも、知られています。ジルの事で大変ご迷惑を掛けてしまって、魔女界の
女王様も心を痛めております。私は、その女王様の命を受けてレアラ様の所へやって来たのです。」
レアラの様子を伺いながらブレスは女王様の伝言を伝えます「レアラ様、もうこれ以上、男に混じって
武道の修行をしなくても、いいのです。これからあなたが、しなくてはならない事はもう少し
心を強くしなくてはいけません。あなたはまだ若い、それゆえに弱い心のままではジルに
また悪用されます。本当にジルと対決してお母様を、助けたいと思うのなら魔女界に来て
心の修行をしなさい。」レアラはブレスの言った事を信用していいのか迷いました。このまま
ブレスの事を信用して魔女界に行っていいものか、魔女界が本当に存在するのか、色々と
頭の中を思い巡らせていると、「レアラ様、突然現れてこのような話を聞かされ、信用しろ
と言われても戸惑うでしょうから、一晩待ちます。よく考えて決断してください。決心が
着きましたら、私の名を呼んでください。私の名はブレスです、どうか私を信用してくださる
ようお願い致します。」そう言うとブレスは、すうーっと消えてしまいました。
ブレスが消えた後、レアラは残った紅茶をいっきに飲み干して、窓の外に目をやり
母の顔を思い浮かべました。「お母様、私はどうすればいいのですか?あのブレスの事を
信用していいのでしょうか?」レアラの心の迷いは何かを見つけようと必死でした。
しかし、武道家として、一人の人間として揺れ動いていたレアラの心に、少しづつ迷いが
消えてきました。何か吹っ切れそうな気がしているのです、このままここで修行を続ける
事に限界を感じていたレアラは、ブレスを信じ魔女界に行ってみたくなりました。そこに
行けば、自分自身が変われそうな気がして、魔女界に興味が湧いてきたのです。
翌日、夕べの寝不足もなく、すっきりした気分のレアラはその日の朝食後、王様である
父に、夕べの事、そして自分自身の決意を話し始めたのです。「お父様、私を魔女界に
行かせて下さいませんか?」それを聞いた王様は、驚く様子もなくゆっくりと娘のレアラを
見据えて「この頃のお前は、何か悩んでいたようだが、それがその答えなのか?」その言葉には
もう、王様の立場ではなく、父としての言葉に代わっていました。そして王様は、話を続けます。
「お前がそう決めたのなら、それも良かろう。実は魔女界の事は、この私も知っておったんだ、
だからこそ、あの日ジルが現れても、最初はジルを信じていたのだが、まさかあんな事に
なるなんて思いもよらなかったのだ。本来ならお前が十歳の誕生日を迎えた後、母と一緒に
魔女界へ行くはずだったんだが、今となってはどうにもならん。」レアラは父の話を聞いて
驚きました。何故知っていたのか、お母様と一緒に行くはずだったとは、どう言う事なのか、
知りたくて仕方がありません。が、王様は「今は何も聞かずに、そのブレスの事を信じて
魔女界へ行って見るがよい。」とレアラに言いました。そして、レアラは不思議に思い
ながらも、父の言葉を確かめるためにも魔女界へ行く決心をし、ブレスの名を呼びました。
二人の前にブレスは現れ、王様に深々とお辞儀をすると「”シン”国王陛下、お初にお目に
かかります、私はブレスと申します。魔女界の女王様から命を受け、参りました。」と
挨拶をし「この度は、ジルのために大変なご迷惑を掛けた事を、女王様に代わってお詫び
申し上げます。」と王様に告げました。そして、王様はブレスの言葉に応えるようにこう言いました。
「我が国へ、ようこそ。女王様のお言葉、確かに承りました。」互いに挨拶を交わす二人を見て
レアラは待ちきれずに「ジルは、魔女界にいるのですか?」とブレスに尋ねます。「いいえ、ジルは
魔女界にはいません。」ブレスはそう言いながらレアラが、魔女界に対して期待や不安で、心が
乱れていると悟り、彼女を見据えて「いいですかレアラ様、魔女界に行く決心が着いたのなら、
そんなに焦ってはいけません。そんなに心が乱れていたら、とても魔女界へは行けませんよ。」
と言いました。それを見ていた王様が、「レアラ、心を乱してはいけない、それは武道と一緒だ。
最近のお前は、平常心が失われて心が弱くなってしまったようだ。母の事やジルの事より自分
自身に負けない心を持ちなさい。」レアラは、父の言葉でやっと我に返りました。そして顔を
上げて、きりっとした態度で二人に向けて、「お父様、ブレスさん、ごめんなさい。ジルにお母様を
連れ去られた事が自分のせいだと気にし過ぎていました。その事が頭にいつまでも残っていて
焦っていたのです。ですが、お二人のお陰で少し気が楽になったようです。もう私は迷いません
これから魔女界へ行って、この弱い心を磨いてきます。」と言いました。
ブレスは、王様の足を見て「その足では何かと不便でしょう、元に戻す事はジルにしか出来ませんが
せめて痛みを消して見せましょう。そうすれば少しは動かす事も武道家の陛下なら出来るかも知れません」
ブレスはそう言うと、王様の足に魔法を掛けました。すると王様は「おや、何だか足の痛みが
消えたようだ。これなら楽だ、動かす事も出来そうだ。」とたいそう喜び、ブレスにとても感謝して
いました。そして、いよいよ魔女界へ出発です。



レアラが、「決心が鈍らぬうちに、さっそく魔女界へ行きましょう。」と言うと王様が慌てて
「もう行ってしまうのか?皆の者にしっかりと別れをしなくてもよいのか?」と寂しそうにレアラを
見つめます。「お父様、そんな顔をなさらないで下さい。もう会えない訳ではありません、私は
この国が好きです、だから必ず戻って参ります。」いつの間にか成長していたレアラの姿に、王様は
嬉しさと寂しさを感じました。そんな二人を見つめていたブレスが「王様、大丈夫です。レアラ様は
この私がしっかりと見守っております。」と言いながら二人を城の外へ、促します。三人は、お城の中庭に
出て来ました。ブレスが空を仰いで、指をパッチンと鳴らすと雲の隙間から、なにやら降りてきました。
それは、頭に角が生えていて、両肩から羽の生えている馬のようです。「この子の名は”ムーン”
私の、可愛い友達です。」と二人に紹介しました。レアラも王様も初めて見る、その馬に大変驚きました。

レアラは父に別れを告げると、父は「決して無理などするな、自分自身を信じて、心を成長させてきなさい。」
と言ってレアラを強く抱きしめ、しばしの別れを惜しみました。レアラとブレスを乗せたムーンは、
王様の目の前で羽を羽ばたかせ宙に舞い上がります。そして、お城の周りをぐるっと一周すると、
「では、参りましょうか!」とブレスは、いつまでもお城を眺めているレアラに言いました。
そして、二人を乗せたムーンは一気に雲の上まで、舞い上がります。雲の上に出たレアラは、
生まれて始めて見る、空の景色にしばらく声も出ないほど感動していました。
雲海の上をしばらく飛んでいくと、すっかりと日が暮れておりレアラの目の前には無数の星が
夜空に輝いていました。そしてムーンはゆっくりと雲の下に降りて行くと高い崖の上に停まります。
「さぁ、着きました。ここが魔女界への入り口です。」ブレスにそう言われたレアラは驚きました。
崖の上から見る景色は、月夜に照らされキラキラと光る崖下の川と、遠くのほうにうっすらと見える
山々だけでした。「ここの何処に魔女界への入り口があるのですか?」レアラにそう聞かれた
ブレスは「目の前にあります。いいですかレアラ様、魔女界へ行くために一番大切な事は
信じる心です。あなたの目の前に魔女界への入り口があると、強く信じてここから飛ぶのです。」
レアラは迷いました、飛べと言われてもここから先は断崖絶壁です。大人の男の人でも
怖くなるはずなのに、少女のレアラにはとても足がすくんで飛べません。でも飛ばなければ
何も始まらないと悟ると、レアラはブレスの言葉を信じ飛ぶ決心をしました。「ここから
先が私を招いてくれるのなら、そして自分自身を強くするためにも行こう!」心の中でそう呟いて
崖っぷちに立ち、一気に飛んだのです。するとレアラの体は、宙に浮きました、そこで
見なくてもいい崖下を覗いたレアラは、あまりの高さに心が乱れてしまったのです。そして次の瞬間
レアラは、すごい勢いで下の川のほうへ落ちていくではないですか、「私はこのまま魔女界へ
行かずに死んでしまうの、何のために今まで頑張ってきたの、私はブレスに騙されたの・・・。」
レアラは、いろいろな思いが頭の中で駆け巡りました。川まであと少しの所でブレスの言葉が
聞こえてきました。「レアラ様、何を迷っているのです。このままでは死んでしまいます、早く自分自身を
信じて、魔女界へ行く事を心に念じてください。」ブレスにそう言われた、レアラは、はっと我に返り
必死で念じました。するとレアラの体は、すぅーっと宙に止まると、ゴローンと地上に転がりました。
「レアラ様、もう大丈夫です。無事に魔女界へ着きました。もう目を開けてもいいですよ。」
その言葉にレアラはゆっくりと目を開けて、辺りの景色に目をやりました。目の前には草原が
広がっていて、遠くのほうに小高い丘が見えるだけでした。「ここが、本当に魔女界
なのですか?」レアラには想像していた所とは全く違っていて、拍子抜けしてしまいました。
「魔女界は、もっと恐ろしい所だと思っていたのに何もないところなんですね。」ブレスはニッコリ
と笑うと「さっき入り口といい、この景色といい、レアラ様には驚く事ばかりでしょうね。でもこんな
仕掛けをしているのは、人間が間違って魔女界へ入ってこないようにするためです。だから
あんな高い崖の所に入り口を作ったのです。さっきは怖かったでしょうね、あの時レアラ様の
心が乱れたせいで、魔女界の入り口が消えてしまったのです。」レアラは思い出しても身震いが
出て来てしまいそうでした。「ブレスさん、ごめんなさい。一瞬でも私はあなたを疑ってしまいました。」
「もういいんですよ、まだ若いあなたにあの入り口は、酷だったかもしれませんね。他にも魔女界への
入り口はあったのですが、レアラ様の決心を確かめたかったのです。ごめんなさいね。」
二人は、そんな会話しながら、小高い丘の方へ向かって歩いていきました。「だけど、本当に
この魔女界には何もないですね。」レアラの言葉にブレスはまた、ニッコリと笑いながら「ありますよ
これでも、もう街の中を歩いているのですよ。レアラ様には見えないだけです。」レアラはそう言われても
相変わらず、草原が広がっているようにしか見えません。「レアラ様、私が魔女界へ来る前に
言った言葉を思い出してください。魔女界で大切な事は信じる心です、その気持ちでもう一度
周りの景色を見て御覧なさい。」レアラは今度こそと必死で念じてみたのですが、まだ何も見えて
来ませんでした。そんなレアラの様子にブレスは「レアラ様、お腹が減っていませんか?」と言いました。
そう言えば、朝食を済ませてから色々とあって、何も食べていない事に気が付いたレアラは急に
お腹が減ってきてしまって、ギュルルとお腹がなってしまい、レアラは顔が真っ赤になって
恥ずかしがりました。「では、ここで食事でもして行きましょう。」突然にブレスが立ち止まります。
そして、レアラに「この場所に、食堂があると心に念じてください。」と言いました。レアラは心の中で
美味しい食事を思い浮かべはじめます。するとレアラの鼻にプーンと美味しい匂いがしてきました、
レアラはそっーと目を開けてみるとそこには、可愛らしいレストランが見えてきました。

素材「牛飼いとアイコンの部屋」より
ブレスはレアラが、レストランが見えていることに気付き「では、入ってみましょう。」と中に招きます。
中に入ってきた二人を、一人のかっぷくのいいオカミサンが迎えてくれました。「いらっしゃい、
ブレスさん、久しぶりですね。お連れの方は?」オカミサンに聞かれてブレスは、「こちらは、
ぺーぱー王国からやって来ました、レアラ姫です。女王様に会う前にここで食事でもと思い
やって来たのです。何か美味しいものでもご馳走してください。」オカミサンは慌てて「これは
レアラ姫、ようこそいらっしゃいました。よくこの店が見えましたね、私が腕によりをかけて美味しい
物をご馳走しますよ。私の名は”カンナ”よろしくね。」カンナはそう言うと奥に入っていきました。

「さすがレアラ様、やっとこの世界の物が見えるようになりましたね。」ブレスにそう言われて
レアラは照れくさそうに「お腹がすいていて、夢中で念じてみました。」すると、ブレスは大笑いをして
います。レアラは、恥ずかしくて顔が真っ赤になってきました。そんな会話の中をカンナが戻って
来て「ワァハハ、これは愉快。この料理を食べてこの魔女界がもっとよく見えるようになってください。」
そう言って二人の前に、美味しい料理を運んできました。その料理を一口食べるとレアラは
「美味しい、私こんな美味しいもの初めて食べます。」そう言われてカンナは「お姫様にほめられて
光栄です。どうぞごゆっくり。」と言いました。食事を済ませた二人は、カンナにお礼を言って
女王様の待つお城へと向かいました。魔女界へ来た時から見えていた、あの小高い丘の前
までやって来ました。するとブレスが「さぁ、着きました。ここが我が国のお城です。先ほどの
ように、ここにお城があると心に念じてみてください。」とレアラに言うつもりでレアラを見てみると
もうレアラは、目をつぶり心の中で念じていました。ブレスはニッコリとしながら、その様子を
しばらく見ていると、レアラが゛「わぁー、素敵。私こんなすばらしいお城見たことがありません。」
レアラの目に見えたものは、ガラスで出来た、とても立派なお城でした。ブレスは「では、参りましょう
女王様が、お待ちです。」そう言って女王様の所までレアラを案内します。女王様の待つ部屋の
前まで来るとブレスは「ぺーぱー王国のレアラ姫を、お連れしました。どうかドアを開けてください。」
と言いました。その言葉に反応するように、ゆっくりと部屋のドアが開いて中から「どうぞ、お入りください。
レアラ姫、お待ちしてました。」と声がして二人は中へと入っていきます。挨拶をするためにレアラが
顔を上げ部屋の中央にいる女王様の顔を見て、しばらく声が出ません。あまりの驚きに挨拶もするのを
忘れるほどでした。
製作:「ぺーぱーないと」製作委員会