ラスベガス編
サンフランシスコから、帰って少し経って、1年に1度の慰安旅行があった。
と、言っても数名が毎年、選ばれてのボーナス旅行である。

初めて、と言う理由で、ボクも選ばれた。
まわりには、社長の「子守り役」のように言って同情めいた言葉を
かけてくれる人もいたが、ボクは社長と話しをするのが大好きだった。

社長の話しは勉強になるし面白い、
社長は、元某大手旅行代理店のロサンゼルス支店長だった。
若い頃は、添乗員として世界中を飛びまわっていた。

「旅行は上手くいって当たり前、なにかトラブルがあってはならない」
「それは、どんな仕事でも同じである」
社長の口癖であった。

帰りの空港で、ホテルにパスポートを忘れてくるお客さんはよくいるそうだ、
旅行中、パリで、心臓発作で、亡くなられた方もいたらしい。

搭乗員とは、大変な仕事である。

定休日を利用しての一泊旅行、と言っても定休日の昼、ロスの空港に
集合、ラスベガスで一泊して、次の日の朝、戻ってきてそのまま
出勤と言うハードスケジュールである。

はじめて乗る国内線、隣に座っていた白人男性が話しかけてきた。
「どこから?」  この質問には少々悩まされていた。
もし、ロスで聞いてきたらもちろん「日本から」と答えるが
ロス以外のところで質問されると「ロスから」と言う選択肢が出来てしまう。

ま、この場合、ロスの空港から飛んでいるので「日本から」と答えた。
するとその男性は嬉しそうに「マンザイ!」と言った。
「・・・?」である。
今から思うと、その時、日本では「漫才ブーム」の真っ最中だった。
ボクは「漫才ブーム」を知らない「ルビーの指輪」も知らなかった
「愛はかげろう」も知らない状態なので「・・・?」になった。

たぶん、その男性は「ジャーナリスト」だったのだろう、たぶん、、、
その国の自分が知っている単語を連呼するのは、
友好関係を結ぼうとする万国共通の方法かもしれない。

そんなこんなで、無事着陸、機内から拍手喝采が起こった
「あぶないんかい!」ひさしぶりに大阪弁でつっこんだ。

ギャンブルの街 ラスベガス、空港からして「スロット」が置いてある。
K氏の話しだと、ここで熱くなって持ってきたお金を使いきる日本人もいるらしい 
まだ、入り口だと言うのに、、、、、

ボクは、ギャンブルに興味がまったく無い、パチンコも競馬も競輪も
マージャンもロトもナンバーズも全然しない。(参考までに、、)

まず、フラミンゴヒルトンと言うホテルにチェックインした。
部屋割りは自由だった、当然、社長のルームメイトに指名された。

部屋に入って一言社長が「ま、ここに帰って来る事も無いけどな」と言った。
意味が解らなかった、、、、

そこでボクが見た社長が取った行動を今でもよく憶えている。 
ラスベガスは、ギャンブルの街として有名であるが
「エンターテーメント」としても超一流である。
毎夜一流の歌手がショーを開いている。
ボクら来た前の日には「ドナ・サマー」が歌っていたそうだ。

社長は、今日、開かれるショーをすべて吟味し電話をかけまくっている。
自分が連れてきた社員に、ラスベガスの夜を
最高に楽しんでもらいたいと言う想いが強く伝わってきた。
そして2つのショーを予約した、、、

1