| 再会編 アメリカに来て2年近く過ぎ、、 ボクはカリフォルニアの田舎町で平穏な日常生活を送っていた。 厨房やバーテンダーの仕事も少し自信がついてきたが、まだまだ覚えなければならない事は、 山ほど、ころがっている感じだった。「融合への道」である。 ロスに来る「留学生」が、生活する手段は、色々である。 まず、その学校の寮に住む、又は、一人でアパート借りる、知り合いの家にホームスティする。 それから、その頃 あまり日本では知られていなかったが「下宿」がある。 5LDKぐらいの一軒家に「管理人」と呼ばれる女の人、あるいは、その「下宿」を経営する夫婦が 朝食と夕食付きで学生の面倒を見る。いわゆる「下宿」である。 その下宿なら1部屋に2人づつ、男女別部屋で、 8〜10人の留学生を受け入れている。 山さんの幼なじみ「Kさん」は、そんな下宿の管理人をしていた。 ボクから見ても下宿は一番便利だと思う。 1つ屋根の下には、ロスの事をよく知っている先輩が、たくさん居るのである。 で、毎日、食事を用意してくれるのである。コーンフレーク漬けにはならない、、 しかも、Kさんは、主任の彼女である。料理の腕は、最高である。 このKさんの依頼でボク達は、よくディズニーランドに行く事になった 新しく、日本から学生が来るたび、、、 山さんとボクは「案内係り」になっていた。しかも自腹で、、、 休日、丸々潰して、、、運転手もして、、、パシリもして、、、 カメラマンもして、、、パレードの場所取りもして、、、 でも、楽しい時間だった、、、、ゲストの楽しそうな顔を見るのは、嬉しい事である。 ある日、ボクは、Kさんと、空港の到着ロビーで、 日本から来る2人の女子大生を待っていた。 夏休み期間の短期留学生らしい、、 彼女達の到着まで、まだ、時間がかかりそうなので。、ボクは 「喫煙コーナー」で、たばこを吸っていた。 到着ロビーは、いつも 人が溢れている、落ち付かない場所である。 一人のアジア系のおじさんが、「火を貸してくれないか?」とボクに近づいて来た。 ヒマだった事もあって、少しそのおじさんと話しをする事になった。 「誰かを待ってるのですか?」、おじさんが聞いてきた、 「友達(Kさんを指さして)の友達を待ってます」 「あなたは?」と聞くと「マイ、ファミリー」と、おじさんは嬉しそうに答えてくれた。 よく聞くと、このおじさんは、ある大手企業に勤めるエンジニアで、 カンボジアに家族を残してずっとこちらで頑張ってたらしい。 そして、今回、念願が叶って「家族」と共にこちらで暮らせるようになった。と話してくれた。 ベンチを指差し「グランマ(その人のお母さん)だけ一緒に来てくれていたんだけど」 おじさんが、指差したベンチには、難しそうな顔をした、体格の良いグランマが座っていた。 きっと、自分の息子の世話をずっとしてきたのだろう。 しばらくして、到着ロビーが、慌ただしくなってきた。飛行機が到着したのだろう。 ロビーに出てくるドアが開く、、、数人の子供達が飛び出してきた みんな、誰かを探している、、、、「グランマだ!!」 一人が叫んだ、、ベンチに座っていた、その「グランマ」の所に5〜6人の子供達が駆け寄り、 抱き付いた、、、みんな、、泣き出した グランマは、その孫達を抱え込み、、今まで押さえていた気持ちを全部、吐き出す様に大声をだして泣いている。 さっきのおじさんも、赤ちゃんを抱いた女の人の肩を抱き泣いている それ以外にも、今までベンチに座っていたり、隅の方にかたまっていた アジア系の人達が、みんな、抱き合い泣いている。到着ロビーは その「ファミリーの感涙」のシーンでいっぱいになった。 「ファミリー?」ボクの聞き間違い?、、、これは「一族」である あのおじさんは「一族」みんなでアメリカに移り住むことにしたのだ。 しばらくして、おじさんが、ボクに気付き、手を上げている。 ボクは、思わず、拍手していた。「おめでとう!がんばって!」の想いでいっぱいだった。 その拍手の輪が広がって行く、、、ベンチに座っていた人も立ち上がり 到着ロビーはスタンディングオベ−ションの渦に包まれた。 「ウェルカム・ツウ・カリフォルニア!!」 みんな口々に「歓迎」の気持ちを表してくれている。 ボクの大好きなアメリカの一面である。 |