ドリーム編
いとはんが、ニューヨークめざして旅立った後、ボクは山さんと、二人で住んでいた。

アパートの近くには、とてつもなく大きなスーパーマーケットがある。
全米に店舗を展開しているチェーン店である。
日常の食料品は、そこで調達していた。
とにかく、なんでも揃っている。

レジには、その頃から「バーコード」が、使用されていた。
お釣を受け取るのは、本当にお札は「頂だいのポーズ」で出した手のひらに一枚づつ乗せられて行く、
コインはレジの横についている受け口に、ジャラと出てくる。

その時、支払いの金額によってカードを渡される。
それは、一年中やっているそのチェーン店のサービスキャンペーンである。
カードをめくると色々な写真が出てくる。
それはパズルになっていて、たとえば、5等の賞品が「フルーツの盛り合わせ」だとすると8分割の写真がある。
それを、全部揃えると、その賞品がもらえる、というものである。
上位の写真になるほど分割率が低くなるが、相手は全米である。
めったにお目にかかれない。
同じアパートに住む、日本人には、結構、そのカードを楽しんでる人も少なくない。
しかし、ボクも山さんも、そのカードに興味が無かった。

ある日、一人で買い物をしてアパートに帰ってカードをめくると、ある風景が、現れた、
で、いつものように自分のベットの前にあるボク専用のテーブルに置いておいた。

そのうち部屋にカードを集めている人が遊びにくれば、いつものようにあげようと思っていた。

しばらく経った休日の午後、山さんと二人で買い物に行った。
何気なく、入り口のレジの上を見た、、、、、
その時、やっていたキャンペーンの賞品が、大きく貼り出されていた。
さすがに、全米相手である、2等の賞品は、キャディラック!
1等の賞品は、、、、、、、「!!」
数日前、ボクが見た、ある風景、地面から原油をくみ上げる映画なんかで出てくるあのポンプ!

その賞品の写真の下に書かれていた!
「この写真一枚でこのポンプの原油は、すべて、あなたのもの!」
「。。。。。」
時間が、、、、、止まった、、、、
しばらく、そこから動けなくなった、、、、、

相手は、全米を対象にしているスーパーマーケットである。
1等の賞品を「お笑いのオチ」に使うわけが無い。
「マジ」である。
どれぐらいの金額になるのかは、解らない、
しかし、たぶん、ボクが一人、一生食べて行けるぐらいである事は、まちがいない!

買い物もせず、アパートに戻ってテーブルの上を探した、、無い!
ベットもひっくり返した、、、、が、、無い!
どこにも、、、無い!
きっと、ゴミとして「石油王へのキップ」を捨ててしまったのだ。

「この中に石油王への切符が…」
しかし、その時は、あまり悔しいとは、思わなかった。
「無かったら仕方が無い、」
次の日には、もうその事は、忘れていた。

それは、アメリカンドリームを1番身近に感じた出来事だった。

今でも、悔しいと言う思いは無い。

悔しくは無い、、、、、

悔しくないヤイ!
                      つづく
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