ラスベガス編 2

社長が、吟味し、納得して予約を終えたのが、チェックインしてから2時間後だった
他のメンバーは、それまで各部屋で休んでいた。

そして、ロビーに集合は4時ごろである、食事には早い、一つ目のショーは7時から…
ラスベガスにあるホテルは1階が、カジノになっている。
と、言うわけで、6時までギャンブルタイムになった。

ボクは、社長に手ほどきを受けながら「ブラックジャック」のテーブルについた。
ルールを教わり、コツを聞き、チップを張る、緊張していた。

2時間、ずっと社長のとなりでゲームしていた。
はじめての人はルールやお約束が、わからないので、
ほとんどの人は「スロット」をするらしい。

どのカジノにも入り口正面に、特大のスロットマシーンを置いている。
当たれば、一瞬で億万長者である。
そのスロットの横には、今までに当てた億万長者の嬉しそうな
顔写真が飾ってある。
むかしニュースにもなった日本の有名演歌歌手の写真も確かにあった。

社長曰く「ラスベガスは食事をするところではない」らしい。
ゆっくりレストランで食事している場合ではない、と、言う意味らしい。
確かにレストランでもコーヒーショップでも、
とにかく街中のモニターで、ビンゴゲームの数字が映し出されている。

そこら中に、ビンゴのカードが置いてあり、すぐに、参加できる。
社長は、忙しそうだ、、、、

一つ目のショータイムがやってきた!
「今 全米で最も人気のあるマジックショー」
現在のイリュージョンである。
「マジックショー」と聞いてもなんだかピンと来なかった。

ラスベガスの劇場のチケットには、座席指定が無い。
すべて、案内係りに渡すチップで席が決まる(すごい)
社長は、やはり良い席をキープしたいのでK氏に案内係りに
はじめからチップをはずむように指示をしている。

しかし、Kマネージャーには、自分のポリシーがあるみたいで
最初は、少し多めのチップを渡し、案内された席が気に入らなければ
もう少し渡す、と、いう「交渉型」の作戦を取った。
Kマネージャー曰く「社長、1番前だそうですよ!」得意げな顔をしていた。

案内されたのは、2階の、、、、1番前だった、、、、
そこで、もう少しチップを渡そうとした時、満席になった、、、、

Kマネージャーは小さくなっていた。
ショーが、進むにつれ、今までテレビの中で見ていたマジックショーを
遥かに越えたエンターテイメント「イリュージョン」に驚いた。

本物の戦車を、1、2、3、で消すは、本物のライオンを瞬間移動させるは、
最後は、自分が飛ぶは、もう大変だった。
今でこそ「マスクマン」?がタネ証しをしているが、当時(22年前)は、
人が宙を舞うなんて考えられなかった。

全員がスタンディングオベーションである。

会場を出る時は、真剣に「あの人はきっと本当に飛べる能力があって
それをマジックをいう技のように見せているんだ」と考えていた。
恐るべきイリュージョン!

ボーっとしている間にタクシーに乗っていた。
すぐに「ポール・アンカ」のショーが始まる。

今度は社長が先頭に立った、Kマネージャーは元の大きさに戻っていた。
案内されたのは、ステージの左側の1番前のテーブルだった。
飲み物が運ばれてきて、ショーが始まった。

間の悪い人は何処にでもいる。

中盤、ステージの正面に設置されている階段の下に「花束」を持った女性達が並ぶ、
一人一人順番にステージに昇り歌っているポールアンカに同じ目線で渡していく
もうすぐ歌い終わる、女性達の列も無い事を確認して、
後ろの台に受け取った「花束達」を置き、振り向き際に腕を広げて、
歌のクライマックスを決めようとした時、
ポールの目の前に花束を持った一人の女性が立っていた。

「イ・・・・・」といったまま固まっていたポールに
投げるように「花束」を渡して立ち去る恥かしそうな女性。
場内、大爆笑・・・ポールも笑っていた。
あの時、はずかしい想いをしたあの女性も、きっと、今では良い思い出なのだろう。

後半は、大きなスクリーンに映し出された若い頃のリーゼントの
ポールアンカの映像からはじまった。

会場中「黄色い歓声」が上がった。
イントロは、もちろん「ダイアナ」である。
すごかった、、、そのままの勢いでエンディングを向かえた。

ラストは「マイ ウエイ」である。

ポールは、飛ばなかったが、もちろん、スタンディングオベーションである。
たぶん、観光でラスベガスを訪れる日本人は多い、
ポールアンカのショーを1番前のテーブルで見た人も多いだろう。
ポールも左側の1番前のテーブルに、
日本人のグループが座っている事に気づいていたはず。

日本人にスタンディングオベーションの習慣は無いことも知っていたと思う。
しかし、自分達はロスから来た。
もちろん、立っていた、拍手喝采だった。
正面と右側に挨拶したポールが、こちらを見た!

日本人が立っている
ポールは、両手を上げてうれしそうに走ってきてくれた。
ポールはボクと両手で握手してくれ「アリガト」と言ってくれた。

ボクは大興奮の中、社長と朝まで「ブラックジャック」をしていた。
「この部屋には帰ってこない」社長の言った意味がようやく解った。

帰るときボクの財布の中には、当時で25000円ぐらいのお金が増えていた。
その日の仕事は、きつかった。
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