本が好き
小さい頃から本が好きでした。物語の世界に思いをめぐらせながら過ごしていました。
母は、市内にあった子どもの本の専門店で、色々な本を買ってくれました。私の弟たちに買ったものでも何でも、本という本は、片っ端から読みました。「おしいれのぼうけん」「おおどろぼうホッツェンプロッツ」などです。
もう少し大きくなってからは、福音館書店の「ハイジ」(4年○組あいこ、と書いてあった)など、かなり厚めの本を読むようになりました。 また、同級生のK君のお母さんは、楽しい本をたくさん持っていました。 松谷みよ子の昔話のシリーズや「モモちゃんとアカネちゃん」などを、よく借りに行きました。
母は漫画を買ってはくれませんでした。K君のお母さんに、「メイミーエンジェル」を借りて読んだときは、 今までに無い感動を覚えました。その後中学生になってからは、漫画ばかり読んでいたように思います。
高校生になってからは、本と漫画の両方を楽しみました。友達にも恵まれ、 貸し借りも盛んにしていましたし、図書館にはたくさんの本がありました。 知人の影響で実存主義の本をたくさん読みました。 卒業前に発表された、借りた冊数ランキングでは、学年で3位に入っていました。
高校卒業後は、絵を勉強していたので、画家や芸術家の作品集や自伝のようなものを読むくらいで、物語に親しむ ということが減っていきました。勤めはじめるとなお、本とは縁遠くなってしまいました。

絵本との出会い
あんなに本が好きだったのに、Lが生まれてからは、子育てハウツー本のようなものしか読んでいませんでした。 Lに与えていた絵本も、動物や車の写真が載っていたり、物の名前を覚えさせるようなものが多く、 また、書店で目に付くものもそのような内容の本ばかりでした。
Rが生まれ、Lが2歳半を過ぎた頃、郵便受けにチラシが入っていました。「絵本の世界へ」・・・絵本読み聞かせサークルの案内でした。 そう言えば、よく「おはなし会」の手書きポスターが自治会の掲示板に貼ってあったっけ。私は少し興味を持ちました。
その夜、出産祝いにもらった、「からすのぱんやさん」を読み聞かせたら、Lがすごく真剣に聞き入っていて、 びっくりしました。 2歳半の子どもなんて、絵と物の名前を一致させる程度だと思っていたのに、物語を楽しめているみたい・・・感動的でした。それと同時に私はとても残念でした。なんてもったいないことをしていたんでしょう、何でもっとLが小さい頃から、こういう楽しい時間を過ごしてこなかったんでしょうと。
それから、私たち家族の、絵本のある暮らしが始まりました。

おはなし会
育児休業中で時間に余裕の会った私は、チラシに書かれていた電話番号に、勇気を出して電話して、早速、月に1度の勉強会に参加しはじめました。
そこでは、いろいろな方がストーリーテリングをなさいました。何も見ずにお話を語るのですから、かなりの集中力が必要です。 生まれたばかりのRとまだまだ幼いLを連れての私は、かなり迷惑だったと思います。それでも、今までの物語と親しんでいなかった時間を取り戻したい一心で通っていました。 Lがちょろちょろして声を上げるたびに、語りは途切れたり、つっかえたり。 先生に「もう帰って」と言われ、泣いた日もありました。
そのうち、私の職場復帰や、Rのたび重なる入院、私自身の入院で、参加できなくなりました。
でも、そこで、お話がいかに子どもに必要なものであるか、とても考えさせられ、家での読み聞かせは欠かさずするようになり、 その習慣は今でも続いています。

絵本の勉強会
私の具合が良くなり、そろそろお話の勉強会に復帰したいと思っていた時、いいニュースが入りました。 なんと、私が休んでいる間に、お話の勉強会だけでなく、別の日に絵本の勉強会も開催するようになったとのこと。 会に参加するには、仕事を休まなければなりません。でも、有給休暇はなるべく子どもの具合の悪い日のために とっておきたいので、絵本の会の日だけ、仕事を3時間休ませてもらったり、やりくりしながら参加するようにしました。
会では、約2時間みっちりと一人の作家の絵本を集めて勉強しました。私の知らない作家や見たことのない絵本が多く、いつも勉強不足を痛感させられましたが、それでこそ勉強しにいった甲斐があると自分に言い聞かせて通いました。
会の中で順番に絵本を読む時、私はマーシャブラウンの「3びきのやぎのがらがらどん」を読み、初めて先生に「よかったよ」と言ってもらえて、とても嬉しかったです。実は、「がらがらどん」は、私が入院中、院内の文庫で借りてきて、病室のベッドの上で、お見舞いに来たLとRに何度も読み聞かせた、思い出の本だったのです。
仕事が忙しくなり、今ではこの勉強会への参加が出来なくなりましたが、ここで学んだたくさんの事は、今でも大切な宝物です。

絵本と子どもたち
実質、2歳半からしか絵本に触れていないLは、今までのハンディ(?)をものともせず、すごい勢いで物語の世界に入っていきました。それだけ絵本に子どもを惹きつける力があったのですね。「11ぴきのねこふくろのなか」、「こんとあき」など、物語性が強い本を好むようでした。
Rは1歳になったばかりの頃から、入退院を繰り返す弱い子どもでした。入院荷物の中には、松谷みよ子の「いないいないばあ」や、林明子の「くつくつあるけのほん」4冊がいつも入っていました。病室から出られない生活の中で、Rと何度も絵本を読みました。おつきさまの顔真似をしたり、くつが飛び跳ねるところでは自分もはねてみたり・・・の1歳児なりの絵本の楽しみ方は、とても愛らしく感動的なものでした。
そんなふうに、絵本は私たち親子の大切な時間に、しっかりと根をおろしました。なくてはならない、そういうもの。寝る前にお手洗いに行くのが当然であるのと同じように、寝る前に絵本を読んでもらうのは当たり前のことだとLもRも思っています。

絵本は親にも子どもたちにも、素敵なひとときを与えてくれる素晴らしいものです。子どもと一緒にどきどきしたり、わくわくしたり。
そんな素敵なひとときを、子育て中の方々に、ぜひ味わってもらえたらいいなぁ・・・と思いつつ、このサイトをスタートさせました。

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