さゆり 昭和の初期、祇園に売られた千代9歳。きらびやかの世界の表と裏。1人の男性を思い続けるせつない恋、戦争。話し口調で書かれた本文には目を放させない魅力があります。「世の中、たまたま海に浮いた波みたいなもの。どういう苦労をして、どんなに晴れがましいことがあって、どれだけ骨身にしみたところで、あれよあれよと取りまざって、紙にたらした薄墨のように滲むだけ。」さゆりの一生はあの頃の時代と共に。