村山由佳

         

天使の卵
村山由佳さんが新人賞を取った作品。主人公の歩太は美術大学を目指す予備校生。ある日電車に乗っていて春妃という女性に一目惚れするのだが・・・。登場人物たちが皆生々しく描かれていて読みやすかったです。
野生の風
アフリカの大地の風景、色、命。飛鳥と一馬の切なくてたまらない恋愛。衝撃を受けました。涙がぼろぼろ流れのですが、どこか力強い命の尊を感じました。
きみのためにできること
遠距離恋愛のピノコは自分にとって無くてはならない存在だが、鏡耀子を放っておけない自分に悩む高瀬俊。そんな中、俊はある失敗をおかしてしまう。青春恋愛小説です。
BAD KIDS 海を抱
ありのままの自分でいられない恵理と光秀、死についての深い考え方、18歳の青春。読みやすい文章と登場人物達の考え方、やはり村山由佳の作品は好きだな。
星々の舟
父、兄、弟、姉、妹、兄の子供、それぞれの悩みや生きてゆく様を描いた作品です。一つの家庭の中でこれ程様々な思いが交差し合っていながら、やはり最後に頼るのは家族なんですよね。それにしてもどの章で必ず登場する母親の姿が素晴らしいです。

幼い頃に父親の自殺現場に出くわし、そのせいで母親からの虐待を受け続けた真冬は、心に深い傷を負ってニューヨークに移り住む。そこで出会った大学教授のラリーと友人達の暖かい心に触れ、少しずつ心を開いてゆく。しかし本当に心を癒すことはできない。ある出来事をきっかけにラリーの弟ブルースとナヴァホ・インディアン居留地を訪れた真冬はそこでとても神秘的な体験をすることになる・・・。この作品は村山さんの本の中ではとても長いものですが、その分十分に楽しめました。乾いた心にゆっくりと水分が染みてくるような感じです。いろんな人に読んでもらいたいと思いました。
青のフェルマータ
母の浮気を父に喋ってしまった理緒は、両親の離婚を自分のせいと思い、精神的な理由からくちが聞けなくなったしまう。理緒は父に連れられてオーストラリアへ渡り、イルカの世話をする仕事をしながら様々な人に出会い、経験をする中で自分の声を取り戻してゆく。読んでいると自分までイルカと共に泳いでいる気分になる文章力がすごいです。
天使の梯子
天使の卵の続編。天使の卵から10年後の歩太と夏姫は29歳、夏姫を愛する一人の男によって10年の重みがありありとよみがえる。人を愛することの喜び、悲しみ、全てがせつない。流石村山さん。女の心をくすぐります。