| オランダってこんなとこ | ||
| 生まれて初めて住む海外。 それがオランダでした。 日本の常識しか知らない大和撫子(?)が贈る、 波乱万丈の阿蘭陀見聞禄。 |
| 「あっ、家まちがえた」 それが最初、頭に浮かんだのだ。 でも、持っていた家の鍵でドアは開いたし、 でもでも、開けて行ったはずの玄関と廊下の間のドアが閉まってるし、 でもでもでも、やっぱりあんな飾りつけなんかしてないし、 でもでもでもでも、荒らされた後ないし、 でもでもでもでもでも、いい匂いするし… …いったい何がどーなってんだか、頭の中ではすでにいっぱいの「???」が占領中。 まさかこれって「サプライズ泥棒」? 「お宝は頂戴したぜい!」という感謝と皮肉を家人宛てに知らせるため、大掛かりな飾り付けをしたに違いない! ほんの一時だろうけどそんなことを考えて、とりあえず家を出ようと後ずさりしたら、後ろにいた怪獣父が背中を押す。「おい、押すなよ! まだ泥棒がいるかもしんないじゃん!」とビビっていたら、なんかわさわさ人が出てきた! ん〜? むろさん? なんで? むろさんが「サプライズ泥棒」? ぐっちもいるじゃん。 泥棒の共犯? なんで花束持ってんの? うわっ! 後ろのリビングからも知ってる顔たちが出てくる! どーしたの、みんな、何してんの、こんなトコで。 なに?なに?なに?! いったいなにぃーーーーー!!! 「お誕生日おめでとう!」と口々に言われても、まだ事態を把握しきれない怪獣母。靴が脱げず助けを求める怪獣を残し、素敵な花束を素敵なジェントルマン2人(むろさんとぐっちね)から受け取る。 「怪獣母のサプライズバースディパーティーだよ」と明かされ、ようやく理解。 あ〜だから飾りがあったのねぇ。 テーブルには「よくこんな食器見つけられたねぇ」と感心するほど、人んちの台所をくまなく荒し…いえ探し、豪華な料理の数々が並べられていた。みんな手料理だよ。 実はこの計画は約数週間前(一ヶ月ぐらいかな)から周到に練られていたらしい。ん〜、Eメールって便利。 その日に予定していた別の食事会を、自然にキャンセルしたたまちゃん。 「それは残念ですね」などと知ってて返事してきた、同じ食事会に行くはずだったぐっち、じゅんじゅん夫妻。 「南部にも遊びに来て下さい!でも次の週末は予定が入ってるので」と本人に向かってきちんと断ったうさぎちゃん。 ここんとこ書き込みも無く「元気かな?」と心配していたかめさん。 その後予定が入っていたのに、時間ぎりぎりまで待っててくれたけど、間に合わなかった由美子さん。エレベーターで鉢合わせになるといけないと、別のエレベーターを使ったんですよね。 つわりでバターがダメな怪獣母の為に、スフレのバースデーケーキを作ってきてくれたゆーころ。 お寿司を食べる予定だったことを知って、炊飯器まで持ってきてくれて手巻き寿司を作ってくれた洋子ちゃん、むろさん夫妻。でも内釜入ってなかったんだよね。(急きょ、ぐっちが炊飯器を取ってくる羽目に…) 「前のダンナの時、誕生日でいい思い出がないんだよね」の一言を覚えていてくれて、このパーティーを企画してくれたとしみん。 怪獣母へのプレゼンを買っている時、偶然にも本人に見られてあせりまくった隊長。今は日本だけど、ちゃんとプレゼント受け取りました。 遠いところ、おこちゃまを連れて着てくれたえりこちゃん。あの大根はほんとーに美味しかった! 最後に、いつもウソを見破られてしまうから、当日までドキドキの連続だった怪獣父。スペアキーが作れず、てぐすとガムテープで自分の鍵を郵便ポストに貼り付けたり、当日食べるはずだったお寿司屋さんのお寿司をパーティーの為になんとか変更するために、ウソをついたり、今思えば不自然な行動も日頃の行いが悪い為、あまり怪しまれなかったり、数週間後にくる自分の誕生日のお祝いも一緒にされてしまったりと、お疲れ様でした(?) こんなに楽しくて、素敵で、ドキドキな誕生日は、生まれて初めてでした。 みなさん、ありがとう!! 怪獣母は幸せです。 |
| 土曜日。 この日朝いちでカットに出掛けた。こっちへ引っ越してきてから8ケ月間、一度友達に切ってもらったきり伸ばし放題だった髪もそろそろ限界。勇気を振り絞って近所にある美容院のドアを開けた。(疲労指数1) 9時半の予約を伝えカット台へ案内される。しばらくすると20代くらいのおねいさんが自己紹介と握手と共にやってきた。美容院でも握手するのね。それから雑誌の切り抜きを見せて彼女の反応を見る。「OK!」と返事をもらい、とりあえずホッとする。(疲労指数2) 洗髪台で髪を濡らし、再びカット台へ。切抜きを見ながらレザーでジャッジャッと切っていく。こっちではほとんどハサミは使わず、レザーで済ます。時には人の襟足を台にして髪を切る。お〜い、そんなことして大丈夫なんかい?(疲労指数3) 「コーヒーか紅茶は?」と聞かれた。良く周りを見渡してみると店員さんと話しながら何か飲んでいる。さっき朝食をとってきたばかりだったので断るが、切ってもらいながら飲んだら髪の毛が入っちゃわないかなと、隣の人のコーヒーカップを覗きながらいらぬ心配をしてみる。 しかしオランダ語も英語も話せない怪獣母とおねいさんの間には、まわりの店員&お客ペアのような和気あいあいとした雰囲気はなく、ひたすら髪を切る店員とそれを見守る客のちょっとピリピリした関係が続く。(疲労指数4) カットも終盤に差し掛かり「どう?」とおねいさんに聞かれる。もうすこしトップ部分を削いでもらいたかったが、何と伝えていいか分らず「(”ここ”とトップを指差しながら)ボリュームダウン」と言ってみる。何度かトライしてやっとうなずいてくれた。(疲労指数5) 若干(大いに?)切り抜きと異なるものの、慣れない日本人の髪を切ってくれたおねいさんに感謝しつつ、精算に向かう。精算後、何やら紙に記入させられるらしい。顧客登録かなんかかな? 紙にはオランダ語で名前やら住所やら書いてある。「オランダ語分らないようなら訳してあげるわ」と言われ、えらく時間がかかったが書き終えた。(疲労指数6) 自宅へ戻り、いまいち伝わっていなかった「トップボリュームダウン」を怪獣の散髪用ハサミで自分でしてみる。(疲労指数7) こうして疲労指数7という輝かしい数字を残し、カットは終了したのでした。 |
| 12時間のフライトを済ませた怪獣母と、飛行機初体験の怪獣を迎えた怪獣父。劇的な再会シーンはなかったけど、やっと家族三人揃いました。これから始まる新しい生活に不安と期待でない胸を膨らませる怪獣母。そのお城となるフラット(アパート)に到着した。早速荷物を整理、少し早いがバスタイムとしよう。外国のお風呂といえば洗い場がない。そう、ホテルのアレ。多少抵抗はあるものの、郷にいっては郷に従え、虎穴にいらずんば虎子を得ず(?)、不動産屋さんから聞いた手順でお湯をバスタブに湯を張り、まず怪獣母子が入る。 「えぇ気持ちやぁ〜」 長旅の疲れも吹っ飛びそうなぐらい良い湯である。季節は真冬。身体の芯まで温まった母子は身体を洗いにかかる。それから怪獣の洗髪。シャンプーで洗い泡を流そうとシャワーからお湯を出す。すぐにお湯が冷たくなり、とうとう冷水になってしまった。しばらく出していたが一向に熱くならない。仕方なく冷水で髪を流される怪獣。 怪獣父にホットタオルを作ってもらい、怪獣と怪獣母の身体の泡はそれで拭き取った。当然、怪獣母は洗髪なし。 「おかしいねぇ、不動産屋さんの言ったとおりにしたのに」。 怪獣父も首をかしげる。実はこの家の給湯はタンク式。でっかいタンクに熱いお湯を沸かしておいて、使う時に水で温度調節する。ヨーロッパでは水が貴重で、このような給湯はよくあるらしい。オーストリアに留学している友人の友人宅でもタンク式。でも我が家は家族3人、このような事態を避けたかったから家探しの条件として「タンク式不可」を提示していた。しかしここを紹介した不動産屋さんは「家族3人ならこのタンクで充分です」と、まだ単身で来蘭中の父に太鼓判を押したらしい。 そのタンクがいっぱいになるまで、お湯が使えるまでは数十分で大丈夫…らしい。これも何やらあやしい。しばらくしてお湯の栓を開くが出てくるのはまだまだ冷たい水。 やつぱり。 結局母は洗髪もできず、父もシャワーすら浴びれず、その夜はくたびれた身体を休めるべく布団に潜り込んだのでした。 「家族3人ならこのタンクで充分です」だって。何ならイヤな予感…。 (つづく)←こんなの続いて欲しくないわぁ(涙) |