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西川さんから 手紙が届いた。
西川さんも体調が悪そうな事を さちから聞いていたので
心配しながら封をあけた。
本当に びっくりするようなお手紙。
思わず 大きな声で読み上げた。夫がそばで聞いて
「本当に西川さんて すばらしい方だな・・」といってくれた。
お便りありがとうございます。
本当にすばらしいお母様でいらっしゃいます。
私もお母様の魅力の虜です。
穏やかで心温かく
一緒に過ごさせていただいている私は幸せ者です。
お母様の心の中に天使が住んでいるのでしょう。
夜型の私は 眠る時 お母様がもうやすまれたのかなぁと
思いつつ床につきます。
毎日 時間がすぎるのが惜しく 帰りの別れが後をひきます。
連休に帰ってこられるのですね。
楽しみにお母様とおまちしております。
奇跡がおこるよう 一緒に祈りましょう。
私が誰かのお世話になる時には お母様をお手本に生きていきたいです。
西川
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今の病院が移転したら お母さんはどこに入れてあげたらいいんだろう。
今の病院が来年4月には移転になる。先生は母もつれていってくれると
いわれるが遠いのだ。さちの家からも西川さんの家からも 遠い。
といって 脳外科のある病院は田舎町にはもうない。
母をどこでみてあげたらいいのか?・・・・朝さちからまた電話。
「今朝子供が熱をだして お母さんのところから子供をみに家に戻ってきた。
これからもこういう事あるだろうし 子供が小さい今
家と近い病院でないと 私は介護を続けていけないと思ったわ。
もう脳外科にこだわらないで 家から通える内科の病院を探そうと思う。」
本当に お母さんの最期をどこで 迎えさせてあげたらいいのか。
そういう決断だと思うし できるだけ温かく優しい場にお母さんを居させてあげたい。
子育てと母の介護 両方を背負っているさち。大変でしょうけど がんばって!
そう祈るのみ。 今度帰ったらお母さんをどうするか また相談しようね。
子供においしい肉送ったから食べなよ。
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デジカメのおかげで 母がいっぱいです。
デジカメを買ったことから母といつも会っているよう。
仕事場のパソコンにも母の画像があるし 自宅にも。
さちからは毎日その日の母の画像が届くようになった。
いろんな表情のお母さん おもしろくて とてもおかしいよ。
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父
母と対照的な父。どんどん人は離れていき 一人ぼっち。
テレビも見ない 新聞もとるのも止めていた。関心は店とお金。
父の話にあいづちの打ちようもなく ただ聞くばかり。
寒さに備えて冬の下着・靴下 トレーナーを買ってあげた。
ちらし寿司にほうれん草のおひたし デザートに好きなアンパンを買ってきて
父と食事をする。これが私の精一杯。
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母の書斎
40日ぶりに母と会った。
母のまわりには 温かく安らかな空気が漂っていた。
今までで 一番明るく幸せそうだった。
ベッドの傍には小さな机があり
壁には母の作品の習字や 折り紙が貼られ
「児島高徳」の歌や 懐メロの歌詞が大きく印刷されてあった。
まるで病室が母の書斎のようだった。
文学少女で 勉強好きな静かな母が 長く暗いトンネルから抜け出し
思いっきり花開いたよう。
母がやっと手に入れた自分の書斎 私にはそう見えた。
良かったね!お母さん。
夕方から母を連れてさちの家に外泊。
みんなで 近所の回転寿司を食べに行く。
お母さんも自分の食べたいものが言えた。
食欲旺盛で とても楽しそう。
夜は部屋一面に布団を敷き 母を包み込むようにしてみんなで寝た。
楽しかった。お母さんとテレビも見た。夢のような時間だった。
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さちとお母さん
介護認定で 名前も年齢も住所も何一つ答えられず
重度の痴呆と診断された母の壮厳な歌声。何をもって痴呆というのか?
母のありったけの命を輝かせたいと願う妹と 精一杯生きようとする母。
時間よ止まれ!できるならば・・・
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最低!恥知らず!
お父さんがまた電話番にきてくれているおばさんと大喧嘩して おばさんがさちのところに
訴えにきたそうだ。最悪。おばさんは怒ってやめたとか。
お父さんはおばさんの最後の給料すら払わず 妹が代わりに払ったとか。
最低!恥知らず!夜父に電話する。私のことを自分の味方と思っているのか
いろいろしゃべる。「お父さんこれだけは頼むけど そんなことお母さんの病室で
いわないでよ」大声で怒鳴ってしまった。「お母さんに相談しても呆けていて ダメでしょう。
絶対行かないでよ。」傍で夫が「おいおい〜」と。本当に情けない。
なんとかならないの?なんともならんわな。
怒鳴ったら 多少すかっとした。我慢しておとうさんのご機嫌をとるより すかっとした。
しかし大変な人だ。いつまで騒ぎ立てるんだろう。
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私達のお母さんには病院があうと思う。
今日から会社が新体制となり 忙しい一日が終わった。
ホット一息。しばらくはあわただしくなりそう。
コンピューターの若いエンジニアが多い職場だからこそ
自称みんなのお母さん役ができたらなぁと思っている。
さちがO病院 O老健施設の見学に行ってきた。
オススメの施設だがほとんどみんなベッドに寝ていた。
歩ける痴呆の人は受け入れられませんとのこと。
車椅子なしでしっかり歩けるお母さんを そういうところにやるわけにはいかない。
今の病院が来年6月ごろ移転する。
自宅介護か入所か ずっと悩んできた問題だが
私達のお母さんには病院があうと思う。
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