おっぱいの自然卒乳
赤ちゃんは、自然におっぱいを卒業していきます。
おっぱいをやめる時期については、さまざまな説がありますが、最近は、「自然卒乳」という考え方が、定着してきました。それは、「赤ちゃんが自ら母乳をやめる時」ということです。断乳という、言葉があるように、おっぱいは、「断たなければ赤ちゃんは、自らやめない」という考え方が根強くあります。しかし、赤ちゃんが成長すれば、やがては自立していくのだということに焦点をあてているのが、自然卒乳です。
成長の節目
赤ちゃんにとっては、産まれるときに臍帯からの栄養供給を断ったのに続き、お母さんのおっぱいからの栄養摂取を断つことになります。胎児が、お母さんから分離して、赤ちゃんへと発達成長したのと同じか、または、それ以上に重要な意義をもつといえます。赤ちゃんは、親離れの第―歩として、成長の節目を迎えます。
子離れの第一歩
お母さんは、おっぱいをあげている時のなんともいえない幸せな時を感じてきたと思います。 やめてしまうのが、寂しいような、惜しいような気がするかもしれません。そんな、気持ちになるのは当たり前のことです。みんな、感じることです。いずれ子供は、お母さんから自立していきます。その経過のなか、節目節目で、少しずつ親子の距離をおくことも大切なことです。
おっぱいは、赤ちゃんの心を安定させる役目がある
1歳をすぎるころには、おっぱいがなくても、離乳食だけでも栄養的には、充分たりてきます。しかし、おっぱいの持つ要素は、それだけではありません。赤ちゃんの心身の発育には、食べ物としての栄養素と、いつでも安心した心でいられる環境が大切です。お母さんの胸で、お母さんの匂いのするおっぱいは、赤ちゃんの心を安定させるのです。おっぱいをやめるというと、きっぱりやめてしまうのだととらわれて、むりやりにやめなければならないと思うこともあるかもしれません。しかし、お母さんや赤ちゃんの状況によって、夜だけは飲んだりすることもあります。赤ちゃんにとって、お母さんのおっぱいは、心のベースキャンプです。つらいこと、悲しいことがあったときにおっぱいで心を静め、元気になっていきます。このように、信頼を感じとっていくのです。焦って、おっぱいをやめようという気持ちが高まって、ストレスに感じることがあったら、このポイントを思い出してください。
時期の目安
赤ちゃんは、歩き出すまでに約1年かかります。歩き出すまでは、完全にお母さんにすなわちおっぱいに依存しています。自分の力で歩行ができるようになってはじめて母体から離れて、乳児から幼児へと成長していきます。良質のおっぱいは、消化吸収力を育て下半身を発達させ、足に力をつけます。つたい歩きをすることは、腸の消化力の発達を助けるなど、歩行と消化力は密接につながっています。歩けるようになったころ、自分の力で食べ物を摂取して消化吸収できるようになっています。このころ、歯も大部分はえそろい、おっぱい以外のものでも食べられるようになってきます。これが、1歳の誕生日のころで、だいたいの目安となります。これは、あくまでも目安で2、3歳まで飲む場合もありますが、それも自然に卒乳していきます。
条件は?
1、歩行している
2、離乳食がほぼ完了している(大人と同じものを食べていること、量は少量でもかまわないが硬さが問題) 3、おっぱいにトラブルがなく良質の母乳がでている
4、お母さんが心身ともに健康
5、赤ちゃんが心身ともに健康
赤ちゃんと話しあいましょう
「いつまでも飲ませていると自立心のない子になるんじゃないか」と心配になることはありません。小さいときに、お母さんに抱っこされ充分に甘えて育った赤ちゃんほど、自立心が強くなるといわれています。不安をかかえながら、焦ってすすめるのは、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもつらいものです。大切なことは、赤ちゃんが納得するかどうかだといわれます。話し掛けていくことです。赤ちゃんは、1歳をすぎていれば、かなり多くのことを感じています。細かい言葉の意味はわからなくても、情況はわかるのです。しかし、突然はなしかけても、戸惑うばかりです。時期がいつになるにしろ、いつかおっぱいは卒業していくこと、それはおとなになる第一歩で、おっぱいより楽しいことがあるのだということを、さりげなく話していくのです。大事なことは、おっぱいをやめる1ヶ月前くらいから話していき、赤ちゃんに心の準備をさせる。おっぱいを飲ませたあと、満足したところではなす。お母さんが、やめることばかりに意識が集中していると、赤ちゃんはますますしがみつくので、リラックスする。禁止や否定的な言葉ばかりつかわない。言葉はわからなくても、情況はわかるのです。
おっぱいをやめる時
本によって、いろいろな方法が出ていますので,こうしなければならないということは、ないと思います。ここでは、そのなかのー例を紹介します。おっぱいをもうじきやめようという状況になったらお母さんは、バランスの良い食事をとって、おいしいおっぱいを飲ませてあげてください。離乳食を8割、おっぱいを2割くらいの目安であげます。その間、赤ちゃんの身体の調子(機嫌、便、熱など)に注意してください。お母さんの体調(おっぱいがしこっていないか、痛みの有無、その他の調子)もチェックしてください。お互いが体調のいい日におっぱいをやめたほうがいいので状況によって、決めるといいと思います。
当日は?
朝起きたら、しっかりおっぱいをあげて、あとは、大人と同じ時間に食事をさせます。お母さんのおっぱいに「へのへのもへじ」を書いて見せます。赤ちゃんは、びっくりして泣いたり、逆におもしろいものを見たときのように笑いそうになったりするようです。何か大人には理解できない神秘的な感受性をあたえられるようだといいます。じーっとおっぱいを見て、戸惑っているでしょう。そのとき、お母さんは、「ご飯、もりもり食べるようになったねえ、お姉ちゃん(お兄ちゃん)になったねえ。おっぱいとバイバイしてもっと、ご飯たべて大きくなろうか」などと、成長したことを、ねぎらって、しっかりほめてあげるといいでしょう。必死で、言い聞かせてやめさせようとするのは、逆効果でかえって、おっぱいにしがみつくこともあります。昼間は、しっかり遊ばせて夜ぐっすりねむれるようにしましょう。食事の回数は、おっぱいをやめるまでもそうですが、早朝6時くらいと、大人と同じ時間、あとは、おやつの2回くらいがいいペースでしょう。空腹と食べ過ぎをくりかえすと、遊びにも気持ちにもむらがでて機嫌が悪いことが多くてお母さんも疲れます。やめた日の夜は、寝付かないかもしれませんが、すこし、ご飯かお茶などをあげるとよいです。
おっぱいをやめてから
赤ちゃんは口さみしくて、次々と食べたがりますが、なるべくきを紛らわせるように、あそんであげて、時々、水分やおやつなどをあげましょう。胃がこの変化に慣れるまでは、消化のよいものにしましょう。おっぱいをやめて1ヶ月もたつと、めっきり、幼児らしくなり、食欲も安定してきます。この、1ヶ月は、初めてひとり歩きを始めた冒険の期間です。赤ちゃんの変化を感じつつ、注意してみてください。