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政治的殺害に関する国会議論
第165回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
平成十八年十一月二十七日(月曜日)
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
ODAに関して、まずフィリピンのODAについて質問をいたします。
これは、近藤議員が以前質問し、かつ私も外交防衛委員会で十一月七日に質問したことと同じです。アロヨ政権発足後の暗殺事件数は、フィリピン国家警察の発表では百十四件、アムネスティの報告では二百四十件以上です。この七月―十月の三か月間だけで五十人が殺害されたという報告があり、犠牲者はますます増えております。極めて問題なのは、日本のODA供与している場面で殺人事件が相次いでいることです。
五月三十一日、このODA特で近藤議員が質問していますが、アグノかんがい事業に反対する運動のリーダー、ホセ・ドトンさんが殺害をされたと。それから、九月七日、日本のODAをめぐり農民組織の州リーダーが暗殺されたということがあります。これはもう極めて重大問題であるというふうに考えております。
この件で、十月三十日に国会議員、超党派の国会議員とNGOとの話合いの場で外務省は、フィリピンの状況や伝えられている事実を含め、重大な関心を持っていることを何らかの形でフィリピン政府に伝えると確約をしました。このことをフィリピン政府に伝えておりますか。
○副大臣(浅野勝人君) フィリピンにおける人権の状況については日本政府としても大きな関心を持って見守っております。これは、例えば十一月十日、在京フィリピン大使がお見えになった折、私からも治安状況について、そしてこれらの問題について、しっかりした治安対策、それと住民への十分な配慮がないと関連した事業も手伝いにくいということを直接話をさせていただきましたし、実はあさって、担当課長を中心に事務方がフィリピンに参りまして、円借款全般について協議をすることになっております。
その折に、一般論として、フィリピン側の治安対策や住民への配慮を求めて、今後それらの点について努力をきちんとするようにという要請をすることにしておりますし、機会を得てこの点については度々フィリピン側に物をきちんと言わせていただいております。
○福島みずほ君 浅野副大臣が大使に話をしてくだすったということなんですが、済みません、いつだったのかということと、フィリピン大使の反応はどうだったかについて教えてください。
○副大臣(浅野勝人君) 十一月十日と申しましたのは、外務省南東アジア第二課長がシアゾン在京フィリピン大使を訪問して申入れをしたと、ちょっと訂正をさせていただきます。
私のところへは、日にちは改めて申し上げますが、就任の関連でおいでになったときに、それらの問題について話をさせていただいております。
○福島みずほ君 そのときのフィリピン側の反応はどうでしたでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) そのときに限らず、私が得ている情報では、この問題については五月十六日の件も九月七日の件も捜査当局が、フィリピンの捜査当局が鋭意捜査をしているということではありますけれども、捜査に新たな進展があったという情報には残念ながら接しておりません。
したがいまして、引き続き現地フィリピン当局に捜査を鋭意進めるように申し入れるとともに、動向を見守ってまいりたいと。ついては、あさって行く担当課長を団長とするこのミッションからも先方にその点を、その点を言いに行くわけじゃありませんけれども、ODA全体の、借款全体についての協議ではございますけれども、その点を含めてきちんと触れるように指示がしてございます。
○福島みずほ君 日本がODAを出しているところの現場で殺人事件が相次いでいるということを、ODAドナー国としてやはりこれは重く考えるべきであると思います。
十一月十日に言ってくだすったということですが、なぜこの質問するかというと、やはり殺害が続いているからです。今度、あさってこのことで話合いをされるということで、是非日本の、最大ドナー国が、日本がODA最大拠出国としてこのフィリピンにおける殺害を止めるべく、フィリピン政府に対しても強い意思表示をしていただきたいというふうに思っています。
ところで、配付資料にもしておりますが、争議やリーダーの問題に関して軍、警察の介入ということが非常に言われております。つまり、日本のODAに関して軍が介入している、これは極めて問題だというふうに思っております。
また、アメリカ国務省は、世界の人権状況に関する二〇〇五年年次報告書で、フィリピン国家警察が最悪の人権侵害機関だとアメリカも指摘しているほどですが、この軍や警察の介入、特に軍がODAをやる現場に入っていくというこのことについてドナー国としていかがでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) 今、福島委員の個々の御指摘について必ずしも事実関係を掌握しておりませんので、一般論としてお答えをさせていただくことになりますけれども、繰り返しますが、ODAの現場、その周辺、治安の維持と住民の生活の安定ということに十分の配慮をいただきませんと、せっかくのプロジェクトも実行しにくい環境が生まれます。このかんがい事業の可否とは別に、それに関連する人々の生活というのは重要と存じております。
それからもう一つ、フィリピンの人権の問題については、アムネスティその他からの指摘があることも承知をしております。ただ、国内問題であることは、フィリピンの国内問題でありますので、それとの接点の中で日本政府として指摘できることはきちんとやらせていただきたいと考えます。
○福島みずほ君 きちっと指摘をさせていただきたいという言葉を非常に重くこちらも受け止めたいと思っています。というのは、このように殺人事件が起きるということが続くのであれば、日本はこの事業にODAを供与することを考えさせていただくということぐらいまで踏み込んで言っていただくことはできないでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) そういう気持ちも含めて対応してまいりたいと存じます。
○福島みずほ君 残念ながら気持ちが見えないので、是非そこをちょっと、もっと踏み込んで言っていただきたい。つまり、これはやっぱり日本の、ODAを供与しているドナー国がやっている事業で殺害事件が止まらない。今までも日本政府は言っていただいたのかもしれないけれども、なぜあえて質問するかというと、止まっていないということなんですね。やはりフィリピン政府が、これはやっぱり問題だと、きちっとやらなければならない。これは国内的にやっていただくしかないわけですから、他国としては。それは、日本がODAの在り方について考えさせてもらうと言うだけでも物すごく大きな効果があると思うのですが、いかがでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) 先ほどからの私の答弁はそういう意味合いを含めているつもりでございます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。あさっての交渉の中で、少なくとも殺害事件というひどいことが止まるようにということを期待し、注視させていただきます。
次に、ミャンマーのODAについてお聞きをします。
日本は人道支援はやっておりますが、中身を教えてください。
○政府参考人(別所浩郎君) ただいま、ミャンマーにどういう支援をしているのかという御質問だったと思います。
御案内のとおり、二〇〇三年にアウン・サン・スー・チー女史がミャンマー政府当局に拘束されて以降は、新規のODA案件について原則として実施を見合わせているという状況ではございますけれども、他方、緊急性が高い、特に真に人道的な案件などにつきましては、同国の政治情勢を注意深く見守りつつやっているわけでございます。
順次実施するということとしているわけでございまして、具体的な例を申し上げますと、例えばユニセフとの協力の下でポリオ予防接種に対する緊急無償資金協力、あるいは母子保健サービスの改善といった無償資金協力。あるいは、技術協力の方で申しますと、感染症対策プロジェクトや麻薬撲滅のための、ケシ栽培に依存している農村があるわけでございまして、そういったところの貧困開発を行うための技術協力などをやっているわけでございます。
○福島みずほ君 人道支援は仕方がないというふうにも思いますが、他国は人道支援も含めてやめている面もあります。
ところで、ミャンマーの状況は、御存じ、国連局長が監禁中のアウン・サン・スー・チーさんと面会をする、それから国連決議でアメリカ、そして日本も、民主化問題に関して国連安保理委員会で正式議題とされ、決議がされたというふうに聞いております。
このように、今、ミャンマーの人権状況をいかに変えるべきか、国連が動き始めているという状況の中で、日本政府は今まで人道支援はしますよというミャンマーに対する態度だったんですが、もう少し、ミャンマー政府にもう少し言えないかと。つまり、フィリピン政府に対してこの殺害を続けているのだったらODAは考えさせてもらうというように、ミャンマーに対しても、選挙で選ばれた国会議員が獄中にある、あるいはアウン・サン・スー・チーさんその他の人たちが監禁状態にある、その中で日本がODAやっているわけですから、日本がミャンマー政府に対してきちっと人権問題考えてくれということをもっと踏み込んで言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう長い長い話の間で、首脳レベル、外相レベルでは度々申入れをしておるのがこれまでの経緯です。
それから、ASEAN等々に外務大臣、出てきますので、この人にも申し入れておるのも事実でありますけれども、対応、反応につきましては今御存じのとおりということになっているんであって、軍事政権ということなんで、このまま行くと更に状況は厳しくなるということも、事実厳しくなってきていますので、十分承知をしておるとは思いますけれども、結果は今御存じのような結果になっているというのが現状です。
○福島みずほ君 日本はミャンマーに対してはODAを供与している、人道支援という形はやむなしという形で。ですから、なかなか難しいかもしれませんが、これは世界が努力をしているところでもあるので、是非外務省の知恵を発揮してくださるよう、私たちもできるところはやりたいと思いますので、よろしくお願いします。
せっかく外務大臣が発言してくださったので、さっきのフィリピンの問題に関して是非、ODA最大ドナー国日本がフィリピンの人権問題、特に日本のODA先で殺害事件が起き続けているということについて踏み込んで発言をしていただけないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど浅野副大臣の方から御答弁を申し上げたとおりだと存じますけれども、少なくとも、これ何も日本のODAに絡んでいるところだけではないんで、あの一円に治安が不安定と言えるか、元々大統領候補が射殺されてみたり、そういったところは結構激しい国の歴史がこの国にあります。そういった意味で、この日本のあれだけが問題、日本のODAをやられているところだけで起きている、殺人事件起きているのは、だけではありませんけれども、いずれにいたしましても、こういったようなことが頻繁に起きるということは我々としては甚だ遺憾に思っていると、これはもうアロヨさんに一回伝えたことありますけれども。そういったような話を今後とも更に詰めていって、ODA供与のときの検討の対象にしますということは申し上げていきたいと思っております。
○福島みずほ君 以上です。時間ですので、終わります。
よろしくお願いします。
○委員長(山崎正昭君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後三時五十分散会
参議院 外交防衛委員会 第165回国会
【11 月】
平成18年11月 7日 第5号
○委員長(柏村武昭君)
次の方、挙手をお願いします。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
ODAに絡んで、フィリピンの政治的殺害についてお聞きをします。
アロヨ大統領が就任した二〇〇一年以降の事件数は警察発表では百十四件、実際には二百四十件以上あります。とりわけ、二〇〇六年五月に殺害されたサンロケ・ダム反対運動リーダーであるホセ・ドトン氏の事件について、日本政府はどう認識されているでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、フィリピンにおけるいわゆるいろいろな意味での政治的な殺害ということについてはもう実に様々な報道がありますのは、もう福島先生御存じのとおりです。これは今に始まったことじゃなくて、昔から結構いろいろあるところでもあります。大統領候補が撃たれたりするようなところでもありましたから。
しかし、国家警察というものの発表によりますと、二〇〇一年以降、百十二名が殺害されているというように私どもは承知をしております。フィリピン政府も結構これは事態を深刻に考えておりまして、五月に国家警察内に特別捜査班を、八月には警察から独立した調査委員会を設置しております。一連の事件の早急な解明に取り組んでいると私どもも聞いております。アロヨ大統領のあれを見ますと、七月の施政方針演説において、政治的殺害を強く非難、そうした事態の発生を防ぐように努力する旨発表しておられるところでもあります。
今、福島先生が言われたホセ・ドトンの事件につきましては、五月の十六日、ルソン島中部においてバイクに乗っていた二人組というものに銃撃されて死亡したということは承知をしております。容疑者及び事件の背景につきまして、フィリピン当局、現在捜査中であるということでいまだ明らかになっていないということも承知をいたしております。
○福島みずほ君 問題は、アロヨ大統領の演説以降も政治的殺人が続いていることです。しかも、問題なのは、日本のODAが、日本のODA資金がこのダム建設に利用されていて、反対運動をやっている人たちが皆殺されていっているということです。これは日本政府も共犯関係になり得る、まあ故意ではありませんが関与しているという点が問題で、日本政府としてはっきりフィリピン政府に対してメッセージ、ODA大綱上問題があるんじゃないかということを言っていただきたいということを強く要望しますが、一言いかがですか。
○大臣政務官(関口昌一君) ODA大綱との関係をどう考えるかということであるかと思います。
簡潔に、特にこのODAについて、民主化の促進や基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う旨規定されております。先生御指摘のとおり、今後もこの地域において人権状況について十分注意を払いつつODAの供与を検討していく所存であります。
2006年5月31日
参議院 政府開発援助等に関する特別委員会
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
スケールの大きな話の後で恐縮でございますが、私はフィリピンにおける一つのODA事業のことについてお尋ねをしたいと思います。
資料として配付させていただきましたフィリピン、ルソン島のアグノ川かんがい事業の円借款のことでございます。これは上流にサンロケ・ダムというアジア最大のダムがあると。そのダムのかんがい部門という位置付けでございまして、事業費が約二百億、このうちの百五十億をJBICが円借款をするということで話が進んでいるようでございますが、今年の二月の二十一日付けの書簡で、現地の住民団体から政府とJBICに要請が来ております。これは事業の環境面あるいは社会面での問題点を指摘しながら、それが解決するまでは借款については慎重であってほしいと、こういう中身であるというふうに私は承知をしておりますが、JBICとしてはこの書簡に対してどういうふうな対応をされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(武田薫君) ただいまの御指摘のございました書簡で、住民団体から要請のありました環境、社会配慮、こういうかかる事項につきましては、今後とも本行としましてはフィリピン側関係機関と十分に連絡を取ってまいりたい。
また、本事業の融資につきましては、日本国政府とも十分に協議をしながら、引き続き慎重に検討してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
○近藤正道君 ところが、この今の書簡、ここの一番最初に名前を連ねた現地の住民運動のリーダー、ホセ・ドートンという六十二歳の方がおられるんですが、この方が今年の五月の十六日に何者かに射殺をされると、こういう事件が起こりました。現地ではこれは軍が関与しているというふうな、言わばこれまたうわさなんですけれども、これが中心で、かなり騒然とした事態になってきております。
そこで、外務省としては、この反対運動、かんがい事業の反対運動の言わばリーダーが日本の政府に要請をした後に射殺をされたという事件の概要についてどういう情報を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(金田勝年君) 現地の報道によりますと、五月の十六日の午前、ルソン島中部のパンガシナン州におきまして、帰宅途中のホセ・ドートンさんがバイクに乗った二人組に至近距離から銃撃されて死亡したと、このように承知しております。なお、容疑者及び事件の背景については分かっていないということで報道がなされております。
フィリピン当局は現在捜査中であるというふうに承知しておりますが、本事件と我が国が円借款によります支援の意図表明を行いましたアグノ川統合かんがい事業を直接関連付ける事実は現在のところないと承知しております。
○近藤正道君 私は現地の人たちの情報を日本のNGOを通じて何本か聞かさしてもらっているんですけれども、これはもう明らかにやっぱりこの事業の反対のリーダーをつぶすと、この人を殺害することによって反対運動そのものをつぶすと、そういう意図に基づいて行われたものであるということは明らかだということを皆さん言っているわけでございます。
このかんがい事業は、先ほど言いました上流のアジア最大のダム、これによって大量の人たちが移住をさせられる。そして、今度はそれに基づいて下流でかんがい事業を行うと。これに伴ってもやっぱり百世帯を超える人たちが移住をさせられると。にもかかわらず、ろくなアセスも行われていないと。こういうことの中で、現地の人たちが反対運動に立ち上がって、そしてその文字どおり中心で頑張った人、日本政府やあるいはJBICに要請を行った人がその要請の直後に射殺をされるということでありまして、もうこれ、どう考えても、これはこのかんがい事業と無関係とは言えないというふうに見るのが私は常識ではないかというふうに思っておりますが、是非、日本政府は、単にこれを見ているだけではなくて、徹底した真相解明をフィリピン政府にやっぱり求めるべきだというふうに思いますし、この殺害の真相が分かるまでは融資の決定、JBICの融資の決定はやっぱり私は延ばすべきだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(金田勝年君) 委員御指摘のただいまのお話については、いずれにしましても現地でのフィリピン当局による捜査というのが行われているわけであります。こうした動向を見守りながら、また本件、この円借款事業につきましてはいまだその交換公文を締結していない状況であります。そのほか、社会環境面については、何といいますか、本件について関係NGOの指摘される問題点というものは、やはり住民移転の問題、あるいは環境影響評価と環境緩和方策を再考してはどうかといったような、そういう主張も行われているというふうに聞いております。
いろいろそういう中で、そういう確認すべき点もあろうかと思いますので、本円借款事業については、融資の検討については慎重を期していく所存であります。
○近藤正道君 慎重に対応したいと、それは結構でございます。是非このところはよくこれから現地の状況を見定めていただきたいというふうに思っています。
フィリピンのアロヨ政権の下でこの種の事件が今年に入って九十件を超えているということでありまして、大変な状況。こういう状況の中で、果たしてODA事業をフィリピンで行うことがいいのかどうかという、そのことさえ私は考えざるを得ないと、こういう状況でございますが。
フィリピン全体の話は仮にわきに置くとしても、今回のこのアグノ川のかんがい事件について、こういうリーダーが、反対運動のリーダーが殺されるということを考えたときに、私はやっぱりODAの大綱だとかあるいはODA四原則の、この国のODA事業の正に原点に立ち返って考えるやっぱり必要があるんではないか、こういうふうに思っております。
ODA大綱では、環境と開発の両立だとか、あるいは途上国における民主化の促進、とりわけ基本的人権及び自由の保障状況には十分注意を払うと、こういうことがしっかりうたわれておりますし、援助政策の立案及び実施という項目の中には、適正な手続を確保する、つまり環境面と社会面、その両面で行う事業がどんな影響をもたらすのか十分に調査をして配慮しろと、こういうことが書いてありますし、不正とか腐敗には絶対結び付けてはならないと、こういうふうなことが具体的に書いてございます。
まだ真相は分からぬところがありますけれども、私は、前後の流れからいけば、これは正に今言ったODA事業実施に伴って日本政府がやっぱりきちっと配慮すべき問題と極めて密接にかかわっている問題であると。ですから、是非このことについては慎重の上にも慎重、そして真相をしっかりと見極めて、そうでないというやっぱり確信が持てるまでこの事業は事実上止めるべきだと、私はそういうふうに思います。重ねてひとつ御答弁いただければ有り難い。
○副大臣(金田勝年君) アグノ川の統合かんがい事業に関しましては、JBICを含みます現地ODAのタスクフォースにおきましても関係者と緊密に連絡を取りながらフォローをしているところであります。また、現地で活動しているNGOとも外務省としてはJBICとともに直接連絡を取りながら随時意見交換もしております。
いずれにしましても、これら現地の状況を十分に踏まえながら、また政府としてはJBICとも緊密に連携を取りながら、本案件実施については引き続き慎重に検討していく所存であります。
○近藤正道君 この事業は日本とフィリピンの二国間の協定ということでどうもスタートしているようでございます。二国間の協定で仕事が始まりますと、とかく現場の思惑をあるいは心配を乗り越えて事業だけがどんどん進むと、こういうことが大変懸念されるわけでございます。是非、あらゆる情報はやっぱり現地にあるわけでございますので、現地でしっかりとやっぱり情報をつかんで、その情報に基づいて事を進めていただくと。単にフィリピン政府からの情報だけではなくて正に現地の、それも現場の情報に立脚をして事を進めていただきたい。
そういう意味では、JBICの役割は非常に大きいと、この考え方をやっぱり大いに大事にして事を進めていただきたいと、こういう思いがございますが、こういう認識でよろしいでしょうかね。
○副大臣(金田勝年君) そういう認識でよろしいと思います。
○近藤正道君 JBICには、環境社会配慮確認のためのガイドライン、こういうものが作られてあります。〇三年の十月から施行されているわけでございまして、これ以前はいろんな問題がございました。正に環境と開発の衝突するような様々な問題がある中でこのガイドラインが作られたわけでございますが、しかし、その後、このガイドラインに基づく申立てが一件もないということでございます。申立てがないということは、それはいいことなんでありますけれども、しかし本当に問題がなくてこのガイドラインが使われていないのかどうか、私は大変懸念をしておりますし、現地の情報に精通しておりますNGOの人たちの話をいろいろ聞く中では、なかなかやっぱりもう物が言えないんだと。現地の住民は、政府の圧力、こういうものがあって、あるいは身辺に危険を感ずることさえある、場合によっては今のアグノ川のかんがい事件の反対派のリーダーが射殺されるような、こういう事件が非常に起こる中で声が上げられないんだと、こういうことを言う人がたくさんございます。
問題のあるODAの事業に対して、現地の住民だとかあるいはNGOの皆さんが日本政府に直接物を言う、異議申立てをする、そういうシステムをやっぱりしっかりとつくるべきではないかというふうに思っています。
今日は、今ほど来の議論でODAの事業のかなりでたらめな執行方法はいろいろ出ました。すべてやっぱり税金で使っているんだから、しっかりと無駄遣いあるいはでたらめな使い方についてやっぱり監視をしなければならない、どうやってやっぱり監視をするのかと、こういう議論がずっと続いたわけでございますけれども、是非、日本政府に直接物を言って、そして日本政府の中で第三者機関をしっかりつくって、先ほどODAの評価委員会の話が官房長官からありましたけれども、本当に信頼できる第三者機関をつくって、そういう現地の声をしっかり受け止めるシステムをやっぱり構築する必要があると、こういうふうに改めて思うわけでございますが、官房長官の所見をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋三君) ODAの実施に当たりましては、持続可能な開発の観点から、実施機関において環境社会配慮のためのガイドライン、先ほど御言及があったわけでありますが、このガイドラインを策定をして、環境や地域社会に及ぼす負の効果をできるだけ回避するように努めているところであります。
具体的には、環境等への負荷が特に大きいと想定される途上国の要請案件については、ホームページでの情報公開や外部専門家のコメントを通じ、環境等への影響の把握方法や緩和策等をプロジェクトに反映させるように努めているところであります。また、ガイドラインに抵触した場合には異議申立て制度も導入をされています。その手続については情報公開が定められており、その情報については政府とも共有されることになります。
また、効果的、効率的なODAの実施のため、ODA事業に対するチェック体制の充実が重要であります。これまで、評価、監査の充実、案件モニタリングの充実等に積極的に取り組んでまいりました。各援助事業の評価については、第三者の視点を入れて行うようにしているところでありまして、今後とも、こうした取組を進めることにより、ODAの適正かつ効果的な実施を図っていきたいと考えております。
○近藤正道君 終わります。
(参考人 国際協力銀行理事 武田薫君)