ホームに戻る  日・フィリピン経済連携協定(JPEPA)問題

第4条 法令の見直し

1.条文
2.声明でも取り上げる
3.廃棄物問題に限定されない
  〜日本企業の相手国政府に対する法改正の要請
4.他のFTAとの比較 フィリピン独自のものになっている

1.条文
第4条 法令の見直し

 各締結国は、この協定の実施及び運用に関連し、又は影響を及ぼす法令につき、その制定の契機となった事情若しくは目的が存在しなくなった場合又はそのような事情若しくは目的について一層貿易制限的でない様態で対応することができる場合には、その法令を改正し、又は廃止する可能性を検討する。


Article 4
Review of Laws and Regulations

Each Party shall examine the possibility of amending or repealing laws and regulations that pertain to or affect the implementation and operation of this Agreement, if the circumstances or objectives giving rise to their adoption no longer exist or if such circumstances or objectives can be addressed in a less trade-restrictive manner.
2.声明でも取り上げる
この条項の問題は、2006年12月8日の市民団体共同声明で初めて取り上げた。

『しかしJPEPA 第4 条の「法令の見直し」は、「一層貿易制限的でない態様で対応することができる場合には、その法令を改正し、又は廃止する可能性を検討する」としており、廃棄物輸入を規制する既存の法を改正することによる有害廃棄物貿易の可能性を明確に述べています。』

この申し入れ作成に際しては、直前の新聞記事を参考にした。
マニラ・スタンダード・トゥデイ 2006年11月30日 The fourth article

3.廃棄物問題に限定されない
〜日本企業の相手国政府に対する法改正の要請
しかし、この条項は、廃棄物問題に限らない、日本及びフィリピンの法令の見直しを規定している。
日本企業は、相手国政府に対して、さまざまな法改正の要請を行っている。貿易・投資の促進の陰で、環境・労働者の権利が後退していくことは容易に起こりうる。

(ア)在外日本人商工会議所

各国の在外日本人会議所のホームページに提出した要望書などが掲載されている。
例/ソウル・ジャパン・クラブ  http://www.sjchp.co.kr/sjc2/index10.htm
在フィリピン日本人商工会議所


(イ) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会

−各国・地域の貿易・投資上の問題点と要望 「2005年版」−
Issues and Requests relating to Foreign Trade and Investment in 2005

これは、とにかく細かく指摘してある。 例えばフィリピンの場合
4.他のFTAとの比較 フィリピン独自のものになっている
EPA交渉は、2004年1月、マレーシア、2月フィリピン、タイと交渉を開始している。
2007年7月までに署名しているのは、
日・シンガポール経済連携協定(2002年1月)
日・メキシコ経済連携協定  (2004年9月)
日・マレーシア経済連携協定 (2005年12月)
日・フィリピン経済連携協定 (2006年9月)
日本・チリ経済連携協定   (2007年3月)
日・タイ経済連携協定    (2007年4月)
日・ブルネイ経済連携協定  (2007年6月)

協定のテキストに目次のないものもあり、見落としがないとは言えないが、これまでのところ、フィリピンの「第4条 法令の見直し」に当たる条項は見当たらなかった。

現在、日本政府は、「過去の交渉の蓄積を活かし、交渉開始当初から仕上がりの姿(条文案)を雛形として相手国に提示する。」( 日本の経済連携協定(EPA)交渉(平成19年6月)(PDF) 9ページ)としている。これまでも概ね似たような構成・条文になっているが、これからどうなるのか注視していく必要がある。

参考/ マレーシアとフィリピンの条項
フィリピンとマレーシアの条項比較
フィリピンマレーシア
1目的1目的
2一般的定義2一般的定義
3透明性3透明性
4法令の見直し
5公衆による意見提出の手続4公衆による意見提出
6行政上の措置に関連する手続5行政上の措置に関連する手続

「解説 FTA・EPA交渉」(日本経済評論社)の「条文を理解する」の「総則/最終規定」も「図1 総則章の規定」として日・マレーシア、日・フィリピンが例として挙げられている。残念ながらマレーシアの規定を基に解説しているので、「第4条」については触れられていない。