| 京都新聞 5月1日 | 有害廃棄物、アジアに押しつけ 日本に抗議へ、6日に京で集会も |
| 京都新聞 5月8日 | 「生活破壊繰り返すな」 ADB閉幕に合わせ、NGOが会見 |
| 毎日新聞 5月8日 | ADB年次総会:途上国尊重した融資・開発を 国内外のNGOなど問題点訴え |
| 毎日新聞 5月9日 | フォーラム:廃棄物輸出の危険性を指摘 国内外NGO、ADB総会に併せ開く |
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京都新聞 5月1日 有害廃棄物、アジアに押しつけ 日本に抗議へ、6日に京で集会も 日本からアジアへの「廃棄物輸出」問題で、国内外から批判が高まっており、アジア各国の住民やNGO(非政府組織)、日本の環境団体などが、憲法記念日に先立つ5月2日を国際条約順守を求める「世界行動デー」として日本政府への文書送付などを計画している。6日にアジア開発銀行(ADB)京都総会に合わせて京都市内で国際ワークショップを開く。 有害廃棄物の国境を越えた移動は「バーゼル条約」で禁止されているが、輸入国の同意で輸出できるため、途上国への輸出を禁止する修正条項をめぐり対立が続いている。日本政府は修正条項に反対するとともに、「世界規模での資源の有効活用」をうたい、2005年に使用済み製品の再利用のための国際流通を「3Rイニシアティブ」として打ち出した。 一方で、使用済みパソコンなどが「中古品」としてアジアに大量輸出され、各国から「処分コストの押しつけ」などの批判が出ている。さらに、日本とフィリピン、タイとの経済連携協定(EPA)で、関税削減対象リストに放射性廃棄物を含む各種廃棄物があることが分かり、両国の住民が協定無効を求めて提訴するなど反対運動が続く。 廃棄物輸出問題を世界に訴えようと、フィリピンの環境団体や「バーゼル・アクション・ネットワーク」(BAN、アメリカ)などが協定見直しを求める署名活動を進めている。2日に世界各地で「日本は二国間協定によって廃棄物植民地を広げるな」と訴える。 また6日には、経済協力がテーマとなるADB京都総会に合わせ、BANの担当者らが来日して、同志社大今出川キャンパス(京都市上京区)で開かれる市民フォーラムの企画で国際ワークショップ「日本の廃棄物輸出政策」を開く。化学物質問題市民研究会(東京)の安間武さんは「有害廃棄物をアジアに押しつける仕組みと拡大しようとしている現状を知ってほしい」と話す。 |
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京都新聞 5月8日 「生活破壊繰り返すな」 ADB閉幕に合わせ、NGOが会見 アジア開発銀行年次総会最終日の7日、開発や環境、人権問題に取り組むNGO(非政府組織)が会場内(京都市左京区)で会見し、ADBの新政策と事業によって、人権侵害や環境破壊がさらに進むことへの懸念を示した。 ADBを監視するNGOの連合体「NGOフォーラム・オンADB」は、「ADBによる負債と貧困と環境からの略奪の40年」と題した声明を発表、「地球温暖化を進め、生命と生活を奪う石炭プロジェクトへの融資を、なおも進めようとしている」などと批判した。総会で東南アジア地域統合の先導事業のカンボジア「国道1号プロジェクト」による生活破壊の実態を訴えた住民代表のシン・チンさんは「立ち退きすることで仕事ができなくなり、土地の権利もあいまいなまま。ADBは同じ過ちを繰り返さないでほしい」と、人権や環境を守る「セーフガード政策」を後退させないよう求めた。 NGOメンバーからは「ADBは住民の声やNGOの意見にきちんと答えていない。総会で意見を聞かないのなら、どこで聞くのか」など総会運営への疑問も相次いだ。 一方、有害廃棄物輸出問題に取り組む「バーゼル・アクション・ネットワーク」(米国)と化学物質問題市民研究会(東京)は、総会で予定していた、国境を越えた廃棄物リサイクルなどに関するADBリポートの公表と議論が直前に延期されたことに、「リポートについて公開の場での議論を求める」とした。 |
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毎日新聞 5月8日 ADB年次総会:途上国尊重した融資・開発を 国内外のNGOなど問題点訴え /京都 ◇閉幕 京都市内で開かれていたアジア開発銀行(ADB)年次総会は7日、閉幕した。総会では、アジア太平洋地域の環境保護や民間投資の推進策などが話し合われたが、総会に参加したNGOなどは、貧富の差拡大や環境破壊などを起こしかねない、ADB融資の問題点などを指摘し、「途上国の意見を尊重した融資・開発を」と訴えた。【藤田文亮、新宮達、椋田佳代、珍田礼一郎】 約20カ国・地域のNGOなど約50団体の代表が会見。「ADB京都総会に向けたNGOネットワーク実行委員会」の田辺有輝・委員長は「急速な開発は、貧富の格差拡大や環境破壊、人権侵害を生んでおり、これからも拡大する懸念がある。ADBの巨大な融資や開発計画が、尊重されるべき融資先の途上国の政府や市民の声が反映されないまま、政策決定されていることが要因だ」と述べた。 また、先進国から途上国への廃棄物輸出問題を取り上げた6日のフォーラムでは、G8(主要8カ国)サミットで主張された3R(ごみの減量、製品の再使用、再利用)イニシアティブについて、「バーゼル・アクション・ネットワーク」(本部・米シアトル)のリチャード・グティエレス・アジア太平洋地域ディレクターは「3Rそのものは推進すべきだが、3Rイニシアティブに含まれる『国際流通障壁の低減』には、廃棄物を合法的に輸出しようという意図が含まれている。3Rという聞こえのいい言葉に隠れた廃棄物輸出を許してはならない」などと訴えた。 毎日新聞 2007年5月8日 |
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毎日新聞 5月9日 フォーラム:廃棄物輸出の危険性を指摘 国内外NGO、ADB総会に併せ開く /京都 ◇「アジアをゴミ捨て場にするな」経済連携名目、廃棄物輸出の危険性指摘 ◇日本は“環境正義”の理念を アジア太平洋地域の環境保護や投資推進などが協議されたアジア開発銀行(ADB)年次総会に併せ、環境問題に取り組む国内外のNGOが6日、日本とアジア諸国の2国間の経済連携協定(EPA)を通じた廃棄物輸出の危険性を話し合うフォーラムを、上京区の同志社大で開いた。経済原理重視ではなく“環境正義”の理念の大切さが強調され、「アジアを日本のゴミ捨て場にするな」との訴えが響いた。【藤田文亮】 化学物質問題市民研究会の安間武さんが、「3R(ごみ減量、製品再使用、再利用)と3Rイニシアティブは、似てはいても全く違う」と説明。05年の3Rイニシアティブ閣僚会合で示された、再生利用・再生産のための物品や原料の国際流通障壁の低減、との項目について、「先進国から途上国へ、廃棄物や使い物にならない中古品の輸出促進の理由とするための、巧妙な意図が隠されている」と指摘した。 そして、いかなる目的でも先進国から途上国への有害廃棄物輸出を禁止したバーゼル条約の禁止修正条項を、日本や米などが反対している現状を紹介。「3Rイニシアティブは、環境ではなく経済原理重視の考え方。廃棄物の国内処理は国際的な常識のはず。日本は“環境正義”の理念を持つべきだ」と強調した。 比国で活動しているバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)のリチャード・グティエレス、アジア太平洋地域ディレクターは、比国に入ってくるパソコン中古品のうち9割は、使用不能で実質的に廃棄物であることを紹介。「既に、再使用名目での廃棄物輸出は恒常化している」と述べた。そして、締結作業が進行中の日比EPAでは、比国への輸出品目に焼却灰や医療廃棄物などの有害物質が含まれていることを説明。しかし、公表文書では、比国側が見る英文版には廃棄物が明記されているのに、日本語版には品目リストそのものが省略されており、「廃棄物輸出の方針を隠そうとしている」と非難し、比国での抗議活動の写真も紹介した。 そのうえで、経済格差から日本など先進国の要求は不本意でも受け入れざるを得ない途上国の苦悩を“廃棄物植民地”という言葉で表し、「なぜ日本以外のアジア地域が、日本の有害廃棄物の負担を、ただ貧しいという理由で担わなければならないのか」と訴えた。 毎日新聞 2007年5月9日 |