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小説でもマンガでも映画でも、その年齢や人生における経験値によって受ける印象はさまざまだと思う。
この4月にTVドラマ化する佐々木倫子の「動物のお医者さん」、ワタシこのヒトのマンガ大好きなのだが、「動物の〜」が花とゆめに連載始まった当初は、このまったりした独特のおかしみがよくわからず、あまり熱心な読者ではなかった。主人公達のとっても現実感あふれる(所帯じみた)獣医学部の日々より、グループの中でくっついたりはなれたりする学生どものキャンパスライフのほうがフィクションとしては馴染んでおり、入りやすかったのだ。その面白さにハマってきたのは3巻あたりからだ。
そういえば「今日から俺は!」も最初1巻を読んだ時はそのノリに馴染めず、もう続きは読まないつもりでいた。しかしコレがうちの姉に非常に受け、まあいいかとひきつづき出るたび買い求めていたところ、7−8巻ごろ(遅い)から突然マイフェイバリットになってしまい、結局全30余巻揃えてしまったものである。
さて、中学校にあがる頃だったか、くらもちふさこの作品をはじめて読んだ。
「おしゃべり階段」や「いつもポケットにショパン」などの名作をすでにいくつも書いていて、そういう知識だけはあったので期待して雑誌を開いたのだが、当時その別マで連載していたのは「東京のカサノバ」や「A-Girl」、「アンコールが3回」など。わかりやすい少女マンガ性よりも、なんとゆーか、抽象的だが示唆に富んだ恋愛表現とか、斬新な画面構成だとかの要素が強く、当時のワタシには正直よくわからなかった。そして深く考えもせず「フーンなんかもひとつー」とすっかり評価を決めこんでしまったのだ。
そういうわけでその後くらもちふさこ作品から遠ざかっていたのだが、かれこれ10年ほどたって新作「天然コケッコー」を読み、その良さに驚いた。一話読みきりの連作モノなのだが、主人公の少女の思いめぐらせるさまざまごとが非常にすんなり同じ頃の自分にもあてはめられ、完成度の高い、でもしみじみといい作品だなあとあらためて感心したのだった。
しかしながら、10年前の自分が読んでもわからないかもな、とも思うのだ。まだ自分がどんな風に10代を過ごしていくかわからない、未知の世界についての参考書にするにはあまりにも郷愁に満ちている。別マより読者層が上の雑誌(コーラス)での連載だったのだからしてまさしくそういう狙いなのだろう。勿論子供でも読んで色々感じることはあるはず、でも読むにふさわしい年齢というのがきっとあるのだ。
そして昨日同じ作者の新作「α」を読む。上下巻の上巻だけ買って帰ったが面白かったので本日下巻も購入する。これまたレベルの高い連作モノで堪能〜2度読みました。にこにこ。
ちなみにいま小説は「剣客商売」を読んでいる。そう、藤田まこと主演のTV時代劇の原作本である。かつて「暴れん坊将軍」が大好きで欠かさず見ていた小学生のワタシ、今もTVの時代劇は結構好きなのだが、近頃は勧善懲悪モノよりも白黒割りきれない、苦い結末もある作品の方がより好きだ。予定調和に馴染んでいた頃のワタシなら、しめくくりのシーンで「まあ○○家(有力御家人)についてはうやむやになってしまったがのう」と言われては、それこそ消化不良で暴れているだろう。だがいまのワタシは「そうじゃのう」とTVのこちらで相槌などもうてる、酸いも甘いも噛み分けたいいオトナなので、あとからもちゃもちゃと布団の中で考えたりはしないのだ。
しかし小林綾子はホントに顔が変わらんのう!
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