夫の留守に妻は(パート2)
2003年 6月 25日


 先週・今週とオットの出張があったので、また例のごとく本屋でマンガを買ってひとり黙々と過ごす。
 最近雑誌類はほとんど読まない。結婚前時々買っていたファッション誌も買わないし(人妻はたるんどるのう)、観劇の回数の減少とともにぴあも買わなくなった。「ダ・ヴィンチ」だけは山岸涼子の「舞姫(テレプシコーラ)」の連載が気になってそこだけ毎号立ち読みしている。うーん、コワイ話を書いてるワケでもないのに山岸作品には独特の緊張感があるなぁ。4巻がもうすぐ出るが、勿論これも買ってまとめ読みだ。彼女の描くバレエポーズはホント美しい(バレエ的な身体構造が描けている気がする)。
 さて、今回オットの2度の出張不在中にツマが購入したのは以下の通り。
 まず村上もとかのタイムスリップ医学マンガ「JIN-仁-」1巻。さすがに安定感のある作品で、なかなか面白かったので翌日続きの2−3巻も買って帰る。村上もとかの作品では「六三四の剣」と「龍-RON」を読んだことがあるのだが、実はどちらもあまりに健やかな主人公像がどうも気に入らず、イマイチのめりこめなかった。「JIN」は主人公の内面そのものより、主人公の持つ現代の知識とそれを取り巻く過去世界での状況を主に描いているのがいいのかもしれない。
 それから、むむ、諸星大二郎の「栞と紙魚子」が漫画文庫になっている!大判コミックスで見た時から気になっていたのだが、あの絵が苦手で躊躇していた。でも画面が小さい文庫版ならいけるかもしれない。だいたい大判のコミックスってなんか単価が高くて勿体無い。美しい作画をウリにしている作品なら別だが。といって大ゴマを多用しないタイプの漫画家の作品は文庫ではホントに細かくなってしまい、どちらも良し悪しなのだが。
 内容については、実際読んでみて思った以上の怪作でちと腰がひけた。とりわけクトゥルー神話な脇役一家のキャラクターが異色さを際だたせる。でもその世界観は面白く、これがもうちょっとスマートな絵柄だったらもっと入りこめるのだが・・・いやはや。
 医者モノ続きだが、乃木坂太郎「医龍」も3巻まで読む。最近では佐藤秀峰の「ブラックジャックによろしく」が日本の医療事情の矛盾や不条理を描いて高評価だが、「医龍」もやはりその手の問題提起をした作品だ。ただしこちらのほうが、もう少しけれん味があるというか、マンガ的なキャラ設定やストーリー展開になっている。はみだし者だが天才的な腕をもつ主人公の心臓外科医、彼の破天荒な行動に周囲は振り回されるが、その技量と人間味あふれる姿で患者を救い、毎度最後はなんとかなってしまう。彼を自分のコマにしてのしあがりたい年齢不祥の美人助教授や、やたらとプリンプリンしてるのに仕事のデキル看護婦、医局に染まらない主人公に反発しながらも惹きつけられる若い研修医と、いかにもなキャラクターも目白押しである。
 勿論これを、医療の現実とは、と真剣に検討するための材料としたい輩には物足りない向きもあろうかと思うが、エンターティメントとしてはこのデフォルメ感は問題ない、むしろこれくらいあっていいと思う。「ブラック・・・」で医療界について色んな知識が増えるのはいいが、別に他よりとびぬけたスキルのあるわけでもなく、やたらと迷いの多い主人公の姿は、いかにもショボくさく、現実ナマナマしすぎて私はあまり素直に楽しめないのだ。
 ともかく、まあ「JIN−仁―」、「医龍」どちらもなかなかオススメです。「栞・・・」はマニアック過ぎてとても推薦できないが、まあお好みで。