サンゼンサンゴ

かかりつけのクリニックがかなり体重増加には厳しい方針だった為

適度の運動を心がけ、移動手段は徒歩が殆どだった

元々、歩くのは苦にならない性分で

そんな私にとってはとても気楽な妊娠生活に思えた

 

ところが・・・

ある日、私を試練が襲った

 

27週の検診で、逆子と診断されたのだ

32週で頭位と判を押されるまで苦しい逆子体操が続いた

 

37週を越えてむくみがひどくなりだして

足の甲を押すとへこみが残るほどになり、靴が全て履けなくなった

仕方なく、8月の自分の誕生日に新しいサンダルを買った

 

母は塩分の摂り過ぎで妊娠中毒症になっていたから

母の忠告どおり塩分は控えめにして暮らしていただけにかなりショックだった

 

そして・・・

 

 

39週1日目についにその時がやって来た

 

台風が接近していて蒸し暑い夜、何かを予感して寝付けずにいた

うとうととしながらも何かそわそわ落ち着かなかった

午前6時、腹部にいつもより強い張りを感じて目が覚めた

夫はいつものように仕事に出かけていった

最初は張っているだけだろうと思ってたかをくくっていたが

何とそれは陣痛の始まりだったのだ

 

昼前にあまりの痛さに耐えかねて夫の母を呼び寄せて病院へ

 

診断の結果、子宮口が3cm開いているとのこと

念のためにと入院準備品を入れたバッグを持ってきて正解だった

幸か不幸か

実家の両親は悪天候を理由に自営をしている店を早終いして

駆けつけてくれた

 

胎内から突き上げる我が子の力に身を任せて陣痛とたたかうこと数時間

 

 

夕方、知らせを聞いて仕事を切り上げてかけつけてくれた夫に

「何もしてあげられなくてごめんね」と言われ

苦渋に満ちているだろう自分の姿を見られるのが嫌で

言葉らしい言葉を殆ど交わせずに面会を終え

 

その少し後、ついにデリバリールーム(分娩室)へと運ばれた

 

いよいよ、我が子を地上へと送り出す最終関門

産みの苦しみ、というほどのものではなかったように思う

 

敢えて言うなら、私が一番痛かったものは

会陰切開した傷の縫合

 

あのチクチクとした痛さはもう二度と味わいたくはない

上手に息めなかった私に非はあるが

それにしても痛かった

 

点滴もまた然り

 

我が子を抱いたときの例えようのない安堵感は

一生忘れがたいきもちだ

 

そして、夫がシャワーキャップの様な帽子を被って

我が子と3人で撮った写真は今でも大事にアルバムの1貢を飾っている