ふしぎ
こどもってふしぎだ。
小さい体の中はどんな仕組みになっているのか。
産まれたばかりの時、その小さいのに精巧な造りに驚いた。
折れそうな細さの指にもきちんとつめが付いていて、
関節もみんな同じ方向に動く。
すごい沢山のパーツを組み合わせて作っているだろうに、
誰がどんな技で組み上げているのか。
生命のふしぎ。
大人とは比べものにならないサイズではあっても、
やがて少しずつ成長してくる。
初め、我々の指をつかむのがやっとだった手は、
今やスプーンを持ってヨーグルトを上手に食べたり、
ペンを持ってグルグル殴り書きをしたり、
「耳」と言われて耳をつかんだり、洗濯物を渡してくれたり、
抱っこをすると服にしっかりとつかまったりできるようになった。
やせっぽちのくせにやたらと動かしてすりむいてしまっていたひざも、
なかなか歩かなくてどこか悪いのではないかと心配した足も、
今では追いかけるのが大変なほど走り回り、
あまりのテンションに大丈夫かと思うほどグルグル踊りまくり、
下の階の人に迷惑ではないかと不安になるほどジャンプしたりできる。
泣かずに「いやー」と言葉で拒否を表す。
テレビの電源を勝手に入れる。
ままごとセットを「きれいきれい」と言いながら洗う真似をする。
私が帰る音が聞こえると走って玄関にやってくる。
毎日毎日成長している。少しずつであり、後戻りしたりもするが、
大局的にはいつも右肩上がりのカーブを描いている。
忙しさに、うっかりしていると、届かなかったたんすの上に頭が出、
できないと思っていたおもちゃの電源も入れられるようになっている。
小さかった日のこと、できなかった日のこと、いつの間にか思い出せなくなる。
成長のふしぎ。
夜に横に寝ながら寝かしつけている時、
珍しくひざの上などに乗って大人しく絵本を見たりしている時、
普段忙しくつきあっている時には感じない事を考える。
なんでこの子はここにいるのだろう?
どうしてこの子なんだろう?どうして私の所にいるのだろう?
男親にとってこどもはなんだか準備も整わぬうちに突然現れた存在。
何故?どこから?と思いながら、でもいない現在を想像できない。
存在のふしぎ。
2003年2月28日