つかまり立ち
はいはいを始めるようになって目を離せなくなった。
事前に分かってはいたのだが、それは突然やって来て準備をする間もなかった。
暖房器具に触れてやけどをするのも怖いし、テレビ台だってぶつかれば痛いだろう。
サッシは結露でカビだらけで触らせたくない。床だって育児で忙しくさっぱり掃除していない。
とりあえず衣装ケースや藤のかごでバリケードを作った。
衣装ケースは底の車輪を外して動かないようにした。中に肌掛けを入れて収納としてもいいのだが、
何しろ見た目はよくない。
かごの方は軽いので、娘がぐいぐい引っ張っているうちに移動して隙間ができてしまう。
ベビーサークルや仕切りのためのネットの購入を検討しているうちに日々は流れ、
娘は衣装ケースにつかまって立つ事を覚えてしまった。
自分の意志で衣装ケースに移動していき、つかまりつつも立つ。
視点の変わる面白さに、何度も何度も飽きずに繰り返し立ち上がる。
しかし自分で降りることはできない。疲れてきてもどうすることもできず、ぐずりだす。
が、また立ち上がる。
何の意味があるのか、生意気にもつかまり立ちのまま片足を上げてみたりもする。
最初はその下に寝転んで遊んでいたジムも今ではつかまる対象となった。
両手を伸ばしても両側のおもちゃを同時に遊ぶことができない程小さい体だったのに。
が、始めの頃はやはり不安定で、いきなり後ろに転んでしまい、泣いていたものだ。
それも段々慣れてくる。転びそうになり、びっくりはしても、バランスを取り戻すようになる。
伊達に痛い思いはしていないようだ。
ようやく通販でベビーサークルを購入。衣装ケースよりは大分高さがあるのだが、
すぐにつかまって立つようになった。より不安定になり、心配したがやはり失敗を重ねて上手になっていく。
ちょっとづつ伝い歩きを始めたり、サークルとたんすが重なった部分で、伸び上がってたんすの上の物を取る様になってきた。
うかうかと危ない物を置いてはいられない。誤飲や怪我も心配になってくる。
つかまり立ちで可愛いのは、私たちの所にはいはいして来て、私たちの足や体につかまって立ち上がる時。
ひょいと簡単に立ち上がるようになってきて、ジーパンやトレーナーをつまんで片手を離して得意げな顔で立っている。
今晩などは、私が読んでいる新聞の上から覗き込もうとして立ち上がり、多分新聞だけを頼りに一瞬立っていて、
何の支えもなしに立っているかと驚いた。
立ち上がる日も近いか。その瞬間も遭遇したいものだが。
この頃は立った姿勢から腰を落として座るのもできるようになった。
やはり立つよりゆっくり転ばずに座るほうが足の筋力を使うのだろう。足も力強くなってきた。
そのせいか、順番は逆になったがようやく寝返りがうてるようになった。
残念ながらその瞬間は妻だけが目撃。まあ世話をしている時間がまったく違うので仕方ないのだが。
(2002年4月9日)
関連 「ベビーサークル」