かみなりとかえるのなかまたち
この話は、父が子どもたちの為に作った童話です。
ひらがなばかりでよみにくいですが オリジナルどおりです。
かみなりのヒョンチャがかえるのなかまたちとともだちになったのは、
きょねんのなつのことです。 とてもあついなつのごごでした。
きょねんは、あめがふったのはかぞえるほどで、はやいときには、
3がつのはるのあらしがふくころには ピカピカ、ゴロゴロとくるのですが、
あめがすくなくかみなりのでばんがなくて ヒョンチャはまいにちたいくつしていました。
にんげんさまはあちこちでおおさわぎをしていたようです。
おおきなダムのそこにはみずがなくなりあかいつちがみえていました。
にんげんさまもそうですが、かえるのくにでもおなじことで
かえるのこどものおたまじゃくしは うまれてもいきてはいけません。
おとなになればつちのなかやくさむらでもいられますが、
まだあしのはえていないオタマジャクシにはたいへんなことでした。
そんなあるひのごご、ヒョンチャはひるねをしすぎて、
あめがふりだしたのもしらずにグウグウねていました。
めがさめたときにはもうあめもしずかになって、
ひがしのそらにはうつくしいにじがでていました。
ところがです。ヒョンチャはうっかりあしをすべらせ、
くものあいだからかえるのくにへおちてしまいました。
まだはっきりとめがさめていなかったのかもしれません。
あかいたいこをもったままゴロゴロ、ゴロゴロとなきながらおちてしまいました。
おどろいたのはヒョンチャばかりか、かえるのなかまたちポンキチです。
そらからきゅうにかみなりがじぶんたちのいえのなかに
ふってきたのですからたいへんです。
うまれてはじめてのできごとです。
かみなりのはげしいときには、よくおちることはきいてしっていましたが、
こどものかみなりがいねむりしていておちてくるなどかんがえてもみませんでした。
そしてポンキチのなかまのカンタとフトッチョが、
このさわぎにあつまてきたからたまりません。
てんまでさかさまになるほどのとんでもないさわぎになりました。
さすがのいたずらずきのヒョンチャもかげがうすくなって、
このときばかりはちいさくなって
ことのなりゆきをただみまもっているばかりでした。
「かみなりのこどもがおちてきたぞ!」
「はやくいえのなかにかくれないとおそろしいことになるぞ」とか
「かみなりってあかおに、それともあおおにかなあ?」
「あたまにつのがあるのか」
「かみなりにもまけないかみなりがいたもんだ」
などとかってなそうぞうをまじえたこえがとびかっていました。
ヒョンチャはいきているここちがしません。ふあんでした。
もうたすからないかもしれないとそのときおもいました。
そしてくものうえのせかいがとてもなつかしくなり、
そして「おとう」と「おっかー」がさぞかししんぱいしているだろうとおもいました。
でもどうしてよいのかわかりません。
そのとき、だれかがヒョンチャのかたをたたきました。
ふりかえるとかえるのポンキチでした。
「しんぱいしないでもいいからね。」ヒョンチャはちいさくうなずきました。
かえるのポンキチとそのなかまたちが、
おかのうえにはしっておおきなロケットをはこんできました。
かみなりのヒョンチャはみたこともないものです。
「これさえあればすぐにでもかえれるからね。」
といってロケットのなかをあんないしてくれました。
なかはおもったよりひろく、いろいろのきかいがたくさんありました。
かみなりのせかいにはないのりものでした。
ロケットのなまえは"ケロ3ごう"とポンキチがおしえてくれました。
この”ケロ3ごう”はちきのせかいまでとん でいったこともおしえてくれました。
かみなりのヒョンチャはめずらしいことばかりで
じぶんのめがしんじられないようすでした。
そして かえるのせかいがうらやましくかんじました。
みるものすべてがべつのせかいでした。
そしてなによりみんながしんせつなかえるのポンキチたちなかまでした。
ポンキチは”ケロ3ごう”のうんてんしゅなのでした。
カンタとフトッチョたちもおなじロケットののりくみいんだったのです。
もうヒョンチャはないてばかりいられませんでした。
すこ しずつげんきがでてきました。ゆうきがわいてきたようです。
そしてかえるのポンキチにおれいをいいました。
「ぼく、きみのともだちにしてくれますか?かみなりとともだちなんておかしいけれど、
このくにがすきになりそうだから・・・・・・・・・・・・・・。」
ヒョンチャはおもいっきていいました。
「もうとっくにともだちとも。」 「そうだそうだ。」
かえるのなかまたちはおおきなこえでいってくれました。
「ありがとう。ほんとうにありがとう。」
ヒョンチャはうれしくてうれしくてなんどもくりかえしておれいをいいました。
まもなくなにもなかったようにしずかなよるがきて、あさになりました。
そらはくもひとつなくあさからたいようがギラギラとてりつけていました。
かえるのポンキチとそのなかまたちは、
くらいうちいからしゅっぱつのじゅんびをはじめていました。
いよいよヒョンチャは、あのあおいそらのむこうにみえる
モクモクとしたくろぐろとしたあついくもまでかえれるのです。
かえるのポンキチとそのなかまのカンタとフトッチョたちはもうロケットにのりこんでいました。
あとはヒョンチャがのるだけです。
びょうよみがはじめられました。
35,34,33,32,31,30、・・・・・・・・・・・15,14,13,12、
てんか・・・・・・・・・・・・5,4,3,2,1,0 はっしん。
1,2,3,4,5,6、・・・・・・・・・・
きたいはゆっくりあおいそらにむかってあがっていきました。
ちじょうではたくさんのかえるのともだちいがりょうてをふってみおくっていました。
ヒョンチャはむねがいっぱいになりました。 「ありがとう!ありがとう!」
おおきなこえでさけんでみました。
もう、ちじょうのかえるのなかまたちのすがたはみえなくなっていました。
そしてなんたいさんやとおくつくばさんのやまなみがてにとるようにうつくしくみえてきました。
かわのながれやみずうみのそこまであおあおとひかっていました。
あめがすくないとこまるかえるたち、
そして、もりのきぎやいきものたちのためになまけずにがんばろうと、
ヒョンチャは こころにちかいました。
そして ポンキチたちに、かえるのくににあそびにいくことをやくそくして、
いつまでもいつまでもかたいあくしゅをはなしませんでした。
とてもあついなつのごごのことでした。
(おわり)
1995.4.3. てんとうむし (ペンネーム)