BlackJack 単行本 No.26


6月26日のニュースにブラックジャックの話題がありました。
『手塚治虫さんの未収録作品集めコミックス偽造』というタイトルの記事でした。東京都内の会社員(38)がブラックジャックの単行本の26巻目を勝手に作って、東京地裁から著作権違反で罰金30万円の判決を受けたと言うものです。新書版単行本は25巻目までしかありませんが未収録10作品をパソコンに取り込み26巻を2冊作ってインターネットオークションで1冊10万円で販売しました。この出品を著作権者の手塚プロダクションと出版社の秋田書店が告訴していました。この会社員は熱烈なファンで、オークションでネタとなる古い雑誌や製本機を買い集めて作ったそうです。でも、2冊だけの販売では元は取れなかったと記事は締めくくっています。でも、ホントのファンなら金儲け目的にはこんなことはやらないでしょう。
ところで、このオークションはお父さんも気が付いたので見ていました。確かに10万円で落札されていたので、その時は、ただビックリするだけ・・・・。いくら未収録作品が見たいといっても素人が偽造した作品集に10万円も出さないと思いますが、お金持ちの人っているんですね。事件になった事でプレミアが付くとも思いませんしね。2冊目が出品された時
(確か2002年6月頃だった様な)、この26巻の詳細を確認しました。内容は次の通りです。

26巻の中身
<表紙>
ニューヨーク・マンハッタンの写真をバックにブラックジャックのカットが中央に配しており、作りはまともに見えます(下の絵が模写したものです)。このカットは第93話「水とあくたれ」の初出時の扉カットで、単行本収録時にカットされています。裏表紙は現在発売されている新書版と同じ白版です。初版発行日は平成13年9月11日になっています。この日付から判る様に表紙の写真には同時テロで破壊される前の世界貿易センタービルが写っていて、多くの犠牲者が出たテロを茶化すような行為は手塚作品の理解者とは言えません。
26巻の表紙
<収録作品>

第235話「指」・・・・・・・・・・・・・・・・5
第236話「植物人間」・・・・・・・・・25
第237話「死神の化身」・・・・・・・45
第238話「快楽の座」・・・・・・・・・65
第239話「金!金!金!」・・・・・・85
第240話「ある監督の記録」・・・109
第241話「不死鳥」・・・・・・・・・・131
第242話「おとずれた想い出」・・151
第243話「壁」・・・・・・・・・・・・・・171
第244話「落下物」・・・・・・・・・・193

ところで、記事の中にも元が取れなかったとありましたが、この26巻を作るのどれくらいの費用がかかったんでしょうか?インターネットオークションの相場で大体見積もってみました。


26巻の製造コスト
製本機――――10万円くらい?
これは、よく判りません。専用の接着シート等を使う簡易的な機械なら1万円弱で手に入りそうですが26巻の出来を見るとくるみ製本ができる物を使っていそうです。新品なら40万円異常はするので、中古品をオークションで調達するなら10万円くらいかな。掘り出し物があればもっと安くてにはいるのでしょうが・・・・・。
雑誌―――――10万円くらい
ブラックジャックの初出誌「少年チャンピオン」はオークションにも出品されていますが結構高額で今も取引されています。今年になって、「ブラックジャックによろしく」がドラマ化され、アトムの物語上の誕生日(200.4.7)のカウントダウンなど手塚作品のブームの様で値上がりしている様です。入手性、内容、商品の程度によって落札価格に差がありますが、2002年前半での相場を記録と記憶を頼りにまとめてみました。
「指」・・・・・・・・少年チャンピオン 1974.6.24号  15000〜20000円
「植物人間」・・・・少年チャンピオン 1974.9.23号 5000円〜10000円
「死神の化身」 少年チャンピオン 1974.10.28号  5000円
「快楽の座」 少年チャンピオン 1975.1.20号  20000円
「金!金!金!」 少年チャンピオン 1976.10.25号 15000円
「ある監督の記録」 少年チャンピオン 1977.1.1号 5000円
「不死鳥」 少年チャンピオン 1977.2.7号 5000円
「おとずれた想い出」 少年チャンピオン 1977.3.28号 15000円〜20000円
「壁」 少年チャンピオン 1977.5.9号 10000円〜15000円
「落下物」 少年チャンピオン 1978.4.3号 5000円
安く見積もっても20万円はかかります。印刷に要した費用や労力を考慮すれば元は取れてませんね。

Another No.26
ところで、プラックジャックの単行本未収録作品集には、今回事件となった26巻とは別に、その名の通り”別巻”なるものが2003年1月にオークション出品されたことがあります。内容は、「指」、「植物人間」、「快楽の座」、「緑柱石」、「金!金!金!」、「不死鳥」、「おとずれた想い出」、「壁」、「落下物」、「ある監督の記録」の10作品で26巻とは若干異なります。「緑柱石」は初出時の前後編2回分です。緑色の帯がついていて非常に凝った作りです。新書版25巻のおまけとして出品されていて他のおまけと合わせて開始価格が6万円でした。これがいくらで落札されたのかは判りません。これは告訴、摘発されないのかな?

お父さんは、このホームページで違法行為を紹介する事によって、それに賛成したり助長するつもりはありません。最近、インターネットオークションで違法な商品が売買されていることが問題になっています。このような違法行為が続けば規制がかかることになるかもしれません。このHPでは、インターネットの悪用に対する警鐘として、子ども達も利用できる健全な発展のためになれば、と考えています。
ところで、この事件がきっかけになったのか秋田書店から文庫本の新刊が出る事になりました。単行本未収録作品も収められる文庫本17巻は8月20日発売です。今から楽しみです。




もどる

2003.07.27