能書き

 酒は百薬の長と申します。程よく飲めばこれほど良いものは有りません。もっとも,飲んでも飲まれるなと昔から言われるように飲まれてしまう人も後を絶ちませんけどね。物事は何でも程度が肝心ってことですね。
 せっかく洞窟があるのに,何も書かないのも勿体ない。では,趣味と実益?を兼ねて(本当はネタ探しをしなくても良いという単純な理由もあるが)酒場を開けばいいじゃんとなった次第。
 独断と偏見。美味しく酔えればそれでいいじゃねえかをモットーにしているので,紹介した酒を飲んで不平不満を言わないように。所詮味覚は偏見の王様ですから。まあ,好奇心があれば当分は長生き出来ます。
 それとこれに出てくる酒の多くは日本酒と焼酎になります。洋酒は基本的にスピリッツ以外は飲まないので,まあこの辺りはある意味酷酔酒気なんですけど,口に合わないものは飲まない。これが基本です。じゃ,早速いってみよーーう!

☆ 天 誅 ☆

 天誅 ラベルには「殺伐とした名称だが、本来は天酎の意」と書いてあったのだけど、確かに時代じみているがそれはそれで結構なインパクトがあっていいとおもう。酒屋で見つけていきなり「天誅だ!」と叫ぶと確実に不審がられるのは請け合いだ。これはラベルが変更する前のバージョンで現在はちょっと濃いめの赤に黒字で天誅となっている。これのほうがもっと殺伐?としている感じだ。目立つからすぐ解るだろう。
 製造元は下の魔王と同じところで、路線的には飲みやすい焼酎を目指しているようだ。よって名前と違って強烈な焼酎ではないので悪しからず。魔王とは別の意味で飲みやすい酒です。基本的には鹿児島には珍しく?米で造った焼酎(当たり前だけど普通これを米焼酎と呼ぶ。)だ。ただし、最近これも少しずつ人気が出てきて、手に入りに難くなっているとの情報もある。確かに行きつけの酒屋ではこれで最後だよってなかば無理やり奨められた一本ではあるのだが。
 こっちのほうはおおむね一升二〜三千円程度で手に入るので、美味しい割りにはリーズナブルかも知れない。もちろん、冷やないしはストレートで召し上がってくれ。お湯割りはだめだろうなこれは。野人としてはストレートをぐぐっと呷って欲しい。
 好き嫌いはあるだろうけども、魔王が好きなら飲んでみる価値はあるかも。焼酎通の人にはこれはもしかしたら物足りないかもしれない。むしろ日本酒が好きな人のほうがおすすめか。(20030412) 

☆ 魔 王 ☆

 魔王 何だか聞きなれた名前だな。これって特に何も言う事は何もないだろう。知る人ぞ知る逸品だ。酒造元の出荷数が少ないのでというか需要が多過ぎて,闇では破格の値段で取引されているという代物らしい。どこかでは1万だってよ。やれやれだ。そんな金をだす程の代物かとも思うのだが,誰か火をつけた奴がいるに違いないのだ。
 本格焼酎。25度。原産地は鹿児島。言わずと知れた芋焼酎である。無色透明濁りはない。ほのかに芋焼酎特有の香りがする。口に含むと爽やかな味が広がる。お勧めはオンザロックとそのままのストレートでとなっている。これを割って飲むのは酒の味をまずくするだけだ。魔王にはストレートがことのほかよく似あう。
 はっきりいってこれは無茶苦茶に飲みやすい。おおおこれが焼酎なのか?と疑ってしまう味だ。多分何も知らないで飲むとちょっと不思議な香りがするのみ易い清酒って言われてしまいそうだ。なるほど確かに旨いのだ。しかもフルーティで後味も極めてさっぱりしている。飲みやすいのだ。口当たりがものすごく良い。芋焼酎は臭いものという先入観を物の見事に破壊してくれる。まさに魔王だ。
 しかし,魔王よ。野人は問う。お前はあまりにも飲みやすくないか。本来,孤高であるべきお前がなにゆえにこうまでして人に迎合し,へつらうのだ。どうして,あの強烈な人を遠ざける独特の匂いを発しながら,踏んぞりかえり,それでも飲めるものなら飲んでみよと主張しないのだ。
 取り敢えず,一升4000円以下なら買い。五千円以上なら止めて他のにしたほうが良い。どうしてもというのであれば止めはせぬが。間違っても万札は切るなよ。それでもどうしても飲みたいのならとやかく言う筋合いはない。
 余計な事かも知れないが,開栓後は早めに飲んだほうが良い。間違っても洋酒みたいに自慢たらしくちびちびと飲まないように。コルク栓だしね。(20030130)



☆ SPIRYTUS ☆

 スピリタス いわずとしれた史上最強の酒である。アルコール度数実に96度。ポーランド産のウォッカだ。濃縮する事なんと72回とか。寒い国には強い酒が良く似合う。というか強くないと凍えて死にそうだけど,これははっきりいって毎日飲むと脳みそがすかすかになりそうな気分がする。あっという間に,アル中の道をまっしぐら。寒い国でアルコール中毒者が多いのも頷けたりする。
 開栓すると強烈なアルコールの臭が辺りに充満する。試みに少し口を付けると味が無い。ぴりぴりして味覚が麻痺してしまうというのが正確だろう。しかも,強力なので咽頭ガンとかにもなりそうだ。アルチューになるのが良いのか,ならなくてもガンになるのが良いのか,それともじっとして寒さに耐えるのが良いのか,何だかこうなると究極の選択のミリオンネアだ。ほろ酔い気分も屋外に出て外気に触れると一気に吹っ飛ぶんだろうなあ。
 生で飲むと,口に入れた途端に,アルコールが蒸発してゆくのがわかる。そら度数が度数だからあたりめえだ。しかも,こんなもの生で飲むか普通?喉ごしはとても爽やかとはいかず,熱いものが通過してゆくのがよくわかる。口から咽へそして胃へと繋がるのであるが,途中でこの道が無くなってしまう。咽の辺りで大体消滅している。
 しかし,強烈な刺激かと思いきや想像したよりはまろやかではある。もっとも,かつて工業用純度99%の試薬品のアルコール(エタノール)を,これでも酒代わりにはなるだろうと湯呑みに入れて口を付けた事はあるが,その時の強烈な刺激ほどではないという程度の意味でだが。言葉通りにストレートに飲んで不幸を通り越して不快になっても当方では一才の責任を持ちかねる。
 ストレートはいかに野人が強靱でも無理なので,5:1あるいは6:1程度(勿論,酒が1だぞ)で割ると結構いけます。何も割るものがなかった時にお湯で割ったら,アルコールが目と鼻腔にきしてしまった。かなり強力だ。アルコールが目に染みるという体験は中々できない?ので貴重かも知れない。
 好奇心を満たすためなら一度は味わっても良いかもしれないけど,お勧めは出来かねる。野人は実はウォッカ大好きなのでこれからもウォッカがしばしば登場するかも。冷蔵庫でがんがんに冷やしてとろりとしたのを呷るのがよい。(20030126)  



☆ 鶴 亀 ☆

 鶴亀 毎年この時期になると決まって冬期限定の蔵元から搾りたての新酒が並ぶ。色と香りと味を楽しめるので酒なら何でも良いと日頃嘯いている野人もこの時期ばかりは新しい者がりに変身して,物色するわけだ。
 たまたま見かけた時にめでたい名前の酒があったので,思わず買ってしまった。鶴亀だもんなあ。「鶴は千年,亀は万年」ってわけだ。実際は鶴はそんなに生きられないけど,確かに亀は長生きだ。100年〜200年ぐらいは平気で生きるものもいるらしい。
 しかもラベルが時代がかっていた(明治バージョンの復刻)ので,目移りしてしまったわけだ。なぜか最近この手のラベルに魅力を感じてしまうんだよな。つまり味なんか2の次だったりする。見た目がお洒落ならそれでもいいじゃない。産地は新潟県。度数は十六度。一般的な清酒とほぼ同じ。そのまま冷やで呷るのが良い。
 外見に惑わされて購入したものの飲んでみると「なんだこれ!」ってのがある。外見だけで全てを判断してはダメなんだ。で,肝心のお味のほうはというとこれが実に旨いのだ。とてもフルーティでさわやか,飲みやすい。勢いで飲んだら軽く一升ぐらいすぐに空きそうなそんな口当たりの良さである。大量に飲んで悪酔いしそうな雰囲気を漂わせているのだ。
 そういうわけで,単なる見た目勝負の一品ではないのであった。野人としては久々の美味しい酒であった。で頭に乗って飲んでいたら知らない内にもう・・ない。だれかがこっそりと飲んでいたわけでもないのに。なーーーい。なーーーい!嘆いていても,腹の中に納まったものはどうしようもない。もう一回出すわけにも行かないし,また飲みたいけど,先立つものもある事だし,体もあるしな。
 それに余り美味しい美味しいと言えば,釣られて飲む輩も出るだろうから,そんなに美味しくないぞといっておけば先ず安心だ。本当に美味しいものは饅頭怖いじゃないけど,美味しくないと言っておけば,飲んだ事がない輩は購入しないだろう。
 この種の期間限定の酒は翌年には出ないかも知れないので,見つけた時に買ったほうが良いかも。目安としては720mlで1000円前後だな。高いのは旨いのが当たり前だからな。それに高いからといって美味しいとは限らないからね。(20030126)