「はないっぱいになあれ」

春には、いろいろな色の花がいっぱいになる。
冬の間、土の中で待っていた芽たちが、一斉に出、伸びて、花を咲かせる。
絵本の中では、どんな種がどんな花を咲かせるのだろうか?
冬の間、土の中では、なにが起こっているのだろう?
タネはどんな準備をしているのだろう?
誰がタネを運んでいるのだろう?
楽しみ、楽しみ。
花いっぱいになるといね。


  はなのみち
  ちいさなたね
  花いっぱいになあれ
  たねいっぱいわらったね
  はながさいたら
  ねっこ ぼっこ
  はるののはらでみつけたよ
  にじいろのはな
  さいたさいた
  ルピナスさん
  



からにとび、画像がみられます。

はなのみち
   岡信子 文 つちだよしはる 絵 岩崎書店 

 1年生の教科書にも載っているお話。
くまさんが袋を見つけました。何かがいっぱいつまっています。りすさんのところへ訊きに行きますが、袋に穴があいていて全部なくなってしまいました。
ところが春になってみると…。
くまさんが歩いた くまさんちからりすさんちまで、花の道ができていたの。
とっても、温かいお話です



ちいさいタネ
  エリック=カール 作 ゆあさふみえ 訳  偕成社

 秋、風にのって、大勢の仲間と旅にでた ちいさいタネ。
一緒に飛んできた仲間のタネのなかには、力尽きて、氷の山や海、熱い砂漠など、芽が出せないところに落ちたり、
小鳥やねずみの食べられたり、芽を出しても、人間に踏まれたり、花を咲かせるとすぐ、人間に摘まれてしまったりする草もあった。
でも、ちいさいタネのちいさい草は、残る。
一人ぼっちになったちいさい草は、夏に、元気いっぱいずんずん伸びていく。
そして、人間や家よりも高く伸び、、みごとな花を咲かせた。
その花を見に、大勢の人がやってきた。 小鳥や、チョウ、蜂達も・・。
秋になって、花びらは、風に飛ばされてしまった。
まるぼうずになった花の頭には、タネがいっぱい。
また、このタネたちは、風にのって、長い長い旅にでかけていく。
こうやって、めぐりめぐって、咲く花もあるんだよね。





花いっぱいになあれ
  松谷みよ子 文 司修 絵  大日本図書

 ある日、学校で子ども達が赤い風船にひまわりの種をつけ、「花、いっぱいになあれ」と飛ばしました。
「お花をうえましょう。お花をいっぱいさかせましょう。」というお手紙もつけて。
風船はあちらの家、こちらの家で拾われるまで、飛んでいきました。
その一つがどう間違えたのか、町や村を抜け、山の中へおりていきました。
風船が、降りたところにきつねの子が昼寝をしていました。
初めて見る赤い風船に、きつねの子は、赤い花と勘違いします。
風船の根元を土に植え、水をやりますが、次の日には、しぼんで、倒れていました。
きつねの子は、泣きました。
でも、何日か雨が降り続いたあとに、風船があった場所に、芽がでていました。
その芽は、ぐんぐん伸びて、きつねの子を追い越し、大きな金色の花を咲かせたのです。
きつねの子は、「おひさまの花だ!」と大喜び。
秋には、タネがびっしり実りました。
これを食べると、こうばしくって、あまい。
こぼれたタネから、次の年、またひまわりが芽をだし、野原中に花を咲かせました。
学校の子どもたちの願いが、ひとつこの野原にかなったのです。
小学校の時、教科書に載っていたお話です。みんなで、実際に風船にタネをつけて、飛ばした事を思い出しました。
私の飛ばしたタネも花を咲かせたのかなあ。



 たねいっぱい わらったね
  近藤薫美子 作  アリス館 

 タネがはじけたところから、始まります。
タネは、はじけて、こぼれて落ちたり、風に飛んだり、流されたりしながら、運ばれます。
ムシたちが、楽しそうに、一緒に遊んでいます。
秋になると、たくさんの実がなって、ムシ達はご馳走にありつきます。
秋のみも、落ちたり、ひっついたりしながら、あちこちに運ばれます。
冬、タネもムシたちも眠ります。
そして、春。
一斉に、目覚め、また会えて、とても嬉しそう。
目覚めたタネが、一斉に花を咲かせます。 「わらったね!」って。
最後のページの詩がとても素敵です。
 地球の上に 生まれたね
 みんないっぱい出会ったね
 こんなに大きく 育ったね

 ひとりとひとりが出会ったね
 二人でいっぱい 遊んだね
 なかよし たくさん 広がったね
 友だち一緒に 歩いたね〜
これは、一部ですが、子ども達もに言える詩じゃないかと思います。
たくさんの出会いが広がって、花のように笑顔がいっぱいになるといいね。
また、表紙の裏には、たくさんの花々、裏表紙の内側には、そのタネがたくさん、描かれています。
どのタネが、どの花になるか、分かりますか?




 はながさいたら
  菅原久夫 文 石部虎二 絵  福音館書店

 桜の花が表紙です。 この桜の花がどうやって、咲くのかが分かりやすく描かれています。
桜の花の真ん中にある一本のめしべとたくさんのおしべ。
おしべの花粉がめしべにつくと、さくらんぼができます。
このさくらんぼの中には、種が入っているのです。
こうやって、美しい花々をつけている桜も、私たちの気付かない所で、ちゃんと<実を付け種を残す準備をしています。
ハチや蝶たちが、受粉のお手伝いをしています。
かぼちゃの花も、松の木も、とうもろこしも、くりやイチョウの木も。
できたタネは、地面に落ち、芽をだして、仲間を増やしていくのです。
花は、仲間を増やすために咲いているのです。





 ねっこぼっこ
  ジュビレ・フォン・オルファース 作 生野幸吉 訳  福武書店

 雪が解け始め、土の中のねっこぼっこ達が目を覚まします。
髪の乱れを直し、春の用意を始めます。
春の着物を自分達で縫い始めるの。
赤や黄色、紫、オレンジ・・・。
男の子のねっこぼっこ達は、絵筆やはけや絵の具のつぼで、いろんなムシたちの頭を塗ってあげます。
テントウムシ、かみきりむし、蜂、コガネムシ・・・。
さあ、春が来た。
色とりどりの列を作って、ムシや花が地上に上っていきます。
ねっこぼっこたちも綺麗な色のふくに着替えて、わすれなぐさや、すみれ、たんぽぽ、すずらん・・・を手にもっています。
春の楽しい歌声が聞こえてきそうです♪
緑の森の中、水辺、野原、ねっこぼっこは、秋がくるまでムシや花達と戯れます。
そして、秋がくると、また土の中に戻ってくるのです。
今ごろ、ねっこぼっこたちは、春の訪れの準備をしてるのかなあ。
同じ絵で
『根っこのこどもたち目をさます』が最近、童話館出版から出版されたようです。
こちらは、ヘレン・ディーン・フィッシュ 文 いしいももこ訳・編です。
文章が詩的なオルファースのものより、長くお話になっています。
表紙の絵も違うし、中もすこし付け加えられているようです。





はるのはやしでみつけたよ
  澤口たまみ 文 細川剛 写真  福音館書店

 ちょうど今くらいの季節かなあ。
画用紙とクレヨンを持って、林へ行ったよ。
足元の地面には、ふきのとうが顔をだしています。
周りがまだ枯葉ばかりなので、緑色がとても鮮やかです。
画用紙の上に、いろんな葉っぱを置いてみる。
薄くなった落ち葉や レースのような落ち葉、他の葉っぱの跡がついてしまったのもあります。
木の実も集めてみる。
松ぼっくりやカエデ、クルミ、どんぐり・・・。
あっ、どんぐりから芽がでている。土の中へ根っこも伸ばしています。
私とおかあさんは、絵を描くのも忘れて、木の実や葉っぱを見つめます。
画用紙には、いつのまにか集まった木の実でにぎやかです。
今なら、見つけられるものがあるよ。
秋にはなかったもの。それは、木の芽や木の実から出始めた芽や根、枯葉に集まる虫達。
春の林で、見つけてね。




にじいろのはな
  マイケル・グレイニエツ 作 ほそのあやこ 訳  ポプラ社

 まだ、雪が残る野原に、にじ色の花が咲きました。
にじ色の花は、やっとおひさまに会えたことが嬉しくてたまりません。
この幸せな気持ちをみんなにわけてあげたいと思いました。
そして、にじ色の花は雪解け水を渡れないアリのため、パーティーに着ていく服がないトカゲのためにはなびらを1枚ずつプレゼントしていきます。
次にやってきたねずみもからすもにじ色の花びらに助けてもらいました。
そうやって他の生き物に分け与えているうち、夏が過ぎ秋が終わる頃には、もう1枚だけしかはなびらは残っていませんでした。
最後に残った1枚のはなびらを、北風に飛ばされてしまったにじ色の花。
でも、はなびらをもらって助けてもらった動物たちの心の中に、いつまでも虹色の輝きが残っているのでした。
そして、また春が来る頃には、真っ先ににじ色の花が咲き、おひさまを迎えるのです。
読み終わった後、ほんのり暖かな虹色の光りに包まれた気分になれる本です。
花は、一本しか出てこないけど、色とりどりの花びらは、まるでたくさんの花が咲いているようです。



さいたさいた
  とりごえまり 作  金の星社

 風にのってタネがとんできた。
ゾウの背中にタネがのり、やがて花を咲かせる。
動物たちは、大喜び!
でも、枯れちゃって・・。
風はまたタネを運んで来る。
今度は、みんなの背中や頭にもお花が咲いたよ。




ルピナスさん
バーバラ・クーニ− 作 かけがわやすこ 訳  ほるぷ出版

 海を見下ろす丘の上に住んでいるルピナスさん。
今はもうおばあさんですが、ルピナスさんにも勿論少女時代がありました。
今の子どもたちと同じ様に、夢も見ました。
ルピナスさんの夢、それは、おじいさんが、若い頃、遠い国々に出かけたように、
ルピナスさんも国々を旅したい。
そして、おばあさんになったら海のそばの町に住む… 
その話を聞いたおじいさんは、一つだけその夢に付け加えました。
「世の中をもっと美しくする為に何かしてもらいたい。」
 ルピナスさんは、どうやって、この願いを叶えたか… 
まず、海から遠い塩のかおりのしない町へ。
それから、南の島へ、1年中雪の解けない山へも登りました。
ジャングルへ行ったり、ライオンの遊んでいるとことやカンガルーが跳ね回っているところもみました。
背中を痛めてからは、遠い国は充分と海のそばで暮しました。
新しい家の周りに蒔いたルピナスのタネ。
少しずつ、風や小鳥たちに運ばれ、住んでいるおかの向こう側まで、花を咲かせていたのです。
それから、ルピナスさんは村のあちこちにタネを蒔いて歩きます。
次の年の春には、青や紫、ピンクのルピナスの花で村は埋め尽くされました。
おじいさんとの約束のうち、3番目の一番難しい約束をも果たしたのです。
そして、最後のページでは、おばあさんになったルピナスさんの話を聞き終えた子どもたちが、
野原一面に咲く「ルピナス」を摘み、楽しそうに遊んでいます。
そして、丘の上で優しく子どもたちを見守るルピナスさん。
パステルカラーの優しい花 「ルピナス」は、まるで、ルピナスさんの様に子どもたちを優しく包んでいます。