「日本人と中国人 異文化交流の楽しみ」 汪 洋 著 (彩流社)
この一年間いろいろと考えていたことのかなりの部分がここにもあったという感じでしょうか。私が感じていたことは何も特別なことではなく、多くの人が感じていたことなんだと思いました。それも、中国人で日本に住んでいる人とこんなにも意見が合うなんてなかなか面白いことだなと思いました。たとえば、面子と建前の話、酒の飲み方について、中国人と日本人の自己主張の仕方の違い、昼寝の習慣について、競争と協調について、招待と割り勘について、愛情表現について、お誕生日祝いの違いなど。詳しくは書きませんが、興味を持った方は是非お読みください。 この本を書いた人は、高校までは中学校の教育を受け、大学は中国で数ヶ月だけ、その後その大学から日本の九州大学へと国費留学し、そのまま日本に住み着いて20年になるという人だ。家族がバラバラで、妹さんはアメリカ暮らしだそうだ。中国の知識階級は、こういう家庭が多い。チャンスがあれば、外国へ行きたい。外国で生活したい。外国の方がいい暮らしができると考えている。外国のことをよく知っている知識階級の人ほどそう考えている。これは中国にとっては、もちろんいいことではないでしょう。優秀な人が、どんどん留学制度の整ったアメリカへと流れていってしまう。けしてアメリカが好きなわけではない、けして日本が好きなわけではない。どちらかというと、中国人にとって、アメリカも日本も、あまり印象のいい国ではない。それでもどんどんアメリカや日本へ留学する人が絶えない。優秀な人ほど、アメリカや日本へ留学する。いい生活をするために、日本やアメリカへわたる。祖国を離れたがる。不思議な国だ中国は。矛盾した気持ちや考えが、いつかどこかでぶつかる時が来るのだろうか?都会と田舎、権力者と庶民、金持ちと貧乏人、一つの国とは思えないほど大きな違いがある国。不平不満を言わせない国、力で押さえつけている国。心配が絶えない。