紫斑病について 小児期の紫斑病で代表的な疾患として、このアレルギー性紫斑病と特発性血小板減少性紫斑病があります。 まず“紫斑”の定義についてですが、皮内での微小出血が存在する状態に相当します。同様の状況として“点状出血”という言葉もありますが、出血の範囲で分類して“点状出血<紫斑”と解釈されます。その境界は径が2mmより小さくなると、点状出血と呼ばれます。また、よく似た言葉に“紅斑”というものもありますが、字が示すように斑が紅色で、出血していない状況を指し、血管の拡張による色調の変化ととらえられます。紫斑と紅斑の鑑別は、外から圧を加えたときに色調が一時的に消えるかどうかでわかります。紅斑は一時的に退色するものの、紫斑は既に出血しているので退色はみられません。 アレルギー性紫斑病は、最初に報告したシェーンラインとヘノッホの名前をとって、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病と呼ばれたり、あるいはアナフィラクトイド紫斑病、血管性紫斑病と呼ばれることもあります。特に小児で多いものの、ときに成人でみられることもあります。名前が示すように、原因にアレルギーが関与しているため、特に小児の場合に血球検査で血小板数の減少がみられない点が、特発性血小板減少性紫斑病と異なります。血清中にIgAに由来する免疫複合体がみられ、これに補体の活性化も加わって、血管炎を起こしているものと考えられます。 アレルギーが起こる要因としては、先行する細菌感染(特に溶連菌)に起因づく場合が多いとされるほか、ウイルスやマイコプラズマ感染、薬剤アレルギー(ペニシリン系、マクロライド系など)、虫刺され、食物によるものも考えられています。 症状として、多くは感冒様の前駆症状の1〜3週間後に、まず皮膚症状として、多くは下腿や前腕を中心に、左右対称の両側性に、あずき大までの紅斑、その後同部位への紫斑を生じてきます。このとき紫斑部位は、蕁麻疹のように丘疹あるいは膨疹としてみられる点も特徴になります。ほかに足、膝、手、肘等の関節炎症状(半数強にみられる)、腹部の仙痛様疼痛、悪心、嘔吐などの腹部症状(約半数にみられる)を伴うこともあり、前者をリウマチ性紫斑病、後者を腹性紫斑病として分けられることもあります。最初に皮膚症状が顕著にみられるために、患者さんからは皮膚の疾患ととらえられがちですが、実際にはアレルギーの血管炎が全身に起こった自己免疫疾患ということになります。皮膚にあらわれたのと同様の現象が、他の臓器、器官でもあらわれているとみなす必要があり、ときに消化管出血がみられることもあります。 アレルギー性紫斑病で問題になるのは、免疫複合体に起因するとみられる腎炎を合併する(25〜50%)点にあります。最初の皮膚症状に遅れて、1〜4週間後あたりで腎炎を起こす ことが多く、血尿や蛋白尿があらわれます。アレルギー性紫斑病に合併する腎炎は、予後が良好な場合が多いものの、まれに慢性腎炎に移行することもあります。 治療は、腎炎の進行を抑制する点からも、安静がまず第一とされています。関節炎が強い場合には、非ステロイド鎮痛消炎剤が用いられたり、さらにはステロイドが選択されることもありますが、腎炎に対するステロイドの効果は確立していないようです。 アナフィラクトイド紫斑病はアレルギー紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病、血管性紫斑病などと呼ばれています。アレルギー反応の結果おこった、血管炎と考えられています。紫斑のほか、腹痛、関節痛、腎炎をおこします。 症状 診断 治療 予後 |
