「駅伝ランナー」
作詞・作曲・編曲:高田遼
この曲は、1992年1月2日、箱根駅伝を見ながら作った曲です。櫛部という早大のホープがトップを快走していました。彼の左足のシューズの紐が解けだし、それと共に彼のペースが乱れ始めました。次第に後続に追い抜かれ、苦しみもがきながら力走を続けました。リレーポイント前では、半分失神しながら蛇行するように走る事を止めず、タスキを渡した後で彼の記憶は途絶えたことと思います。彼の走りを見ていて駅伝ランナーのすごさが、私の胸に迫りました。大変に劇的なアクシデントに遭ったこの選手に、私はこの曲を作りました。
駅伝ランナー
走れメロスよ力の限り
襷運べよ命伝えよ
襷を受けて力いっぱい
カモシカのような君の脚が
今大地を蹴った
君は若い駅伝ランナー
期待の星だ
風を切って走る走る
力強い君の走り
小さい頃からかけっこ好きで
いつも先頭走ってた
苦しくてもくじけない負けず嫌いな君だもの
走り抜け君の区間を
抜きされ前のランナーを
上げろチームの順位を
三人四人六人と抜き
坂を登り声援を受け
走る風に乗り飛ぶが如く
君が年老いたときに
君の孫に言うだろう
おじいちゃん(おばあちゃん)は昔駅伝ランナー
力いっぱい走ってた
若くて速くて元気だったと
でも今は今
気を抜くなペースを保て
ひたすらひたすら走り抜け
チームのために
その君に何かが起きた
君の走りがおかしい
頼もしい君の顔が
時おり苦痛に歪む
いったい何が起きたのだ
呼吸のリズムが少しずつ乱れ始めた
ペースを崩すな
君の走りを取り戻せ
歯を食いしばれ
負けるな自分に
苦しみもがき息が喘ぐ
そんな・・・ そんな・・・
ウォー ウオオオオ
そして君は遅れだす
君の辛さよ
虚空を見つめ
君の若いカモシカの脚が
重く遅くなっていく
こんなことは無かったよ
目は何を見てるのか
心はどこを走っているのか
君は何を思っているのか
ガンバレ ガンバレ
君は駅伝ランナーだ
倒れちゃならない
気を失うほど辛く苦しい道でも
走るのは君
君の命
君の心のメロス
沿道の人たちから沸きあがる声援が悲鳴に聞こえる
先輩が励ます
「頑張れ」「頑張れ」「襷を守れ!!」
君の脚が乱れながらも
声援に応える
前を目指せ
果たせ努めを
渡せ襷を
君を待つ友の手に
一人じゃないんだ孤独じゃないよ
みんなが君を支えている
もうすぐだ、ホラ!
見えてきた
リレーポイントが
次のランナーが
君の名を呼ぶ
襷届よ命伝えよ
オオーオオオオーオ
襷を渡したその場所で
君は気を失うように倒れこむ
よくやった よく走った
素敵だよ心を打つよ
君は本当の駅伝ランナー
走れメロス
それが君さ
駅伝ランナー