「高原淑女」
宮沢賢治さんの詩に曲を付けました。とてもとても素敵な詩です。この詩は、中学校二年生の国語の教科書で知りました。曲の全編を通して、爽やかな高原の風が楽しく吹き渡ります。賢治さんの詩は、本当にいいものがいっぱいありますね。
日ざしがほのかに降ってくれば
またうらぶれの風も吹く
にはとこやぶのうしろから
二人のおんながのぼって来る
けらを着
粗い縄をまとひ
わすれぐさの花のようにわらいながら
ゆっくりふたりがすすんでくる
その蓋のついた小さな手桶は
今日ははたへのみ水を入れて来たのだ
今日でない日は
青いつるつるのjじゅん菜(じゅんさい)を入れ
欠けた朱塗りの椀をうかべて
朝の爽やかなうちに町に売りにも来たりする
鍬を二挺ただしくけらにしばりつけているので
高原の淑女よ
あなたがたはウクライナの
舞手のように見える
風よたのしいおまへのことばを
もっとはっきり
この人たちにきこえるように云ってくれ