母親たちの中から生まれたわくわくこめっ子ネットワーク

 

わくわくこめっ子ネットワーク代表   前垣  純子

 

米子から来ました「わくわくこめっ子ネットワーク」の前垣と申します。私には小学校2年生と小学校1年生、それから年少組の3人の子供が居まして、子育て真っ最中の母親です。こちらの松江市の子育て支援センターの方へはわくわくこめっ子ネットワークを作る前後に私個人的に何度か勉強させて頂きに来させて頂いてまして、色々お世話になっていました。今回この話を頂いた時に、何かお役に立てる事が有ればという事で来させて頂きました。宜しくお願い致します。まず、米子市の子育てサークルについてですが、資料に付けてると思いますが、わくわくこめっ子ネットワークの全地域に広がった子育てサークルという事で、資料があるので、それを見ながら聞いて頂けるといいかなと思います。米子市内には子育て支援センター、現在は3つ有りますが、そこから支援を受けている子育てサークルが33サークル。会員として約700名と書いてありますが、これは母親の数で700組です。それが33サークルの子育てサークルが有ります。その内容として、マタニティー、3歳児、双子、運動遊びなど、目的別のサークルも有りますが、小学校区全域に網羅される形で地域と密着したサークルが25あります。これらのサークルは米子の場合は未だ未就園児とその保護者が対象ということで活動しています。先程からのお母さん達がお客さんに成っているという話が出てましたが、米子の場合は準備から片つけまでお母さんが親子で子供達1歳2歳の子供達も一緒になってやっていくという事でゴザを片付けたりモップ掃除をしたりとかいう事も子供達も一緒になってやっていくようなサークル活動をしています。わくわくこめっ子ネットワークはそれら33の子育てサークルのネットワークとして、平成11年10月に発足しました。先程も紹介して頂きましたが、廊下のほうに今日パネルを持ってきて展示してありますので、見て頂けるといいかなと思います。わくわくこめっ子ネットワークとしては発足から未だ2年と3ケ月しか経っていませんので、活動内容については未だ模索中なのですが、出来るだけスタッフも会員も負担が無いようにという事を心掛けるという事と、ネットワークとして必要な事はやっていこうという事で活動しています。今日はどうしてネットワークを作る必要が有ったか、という事と、どんな点が良かったか、という事について話をさせて頂きたいと思います。

 

まず、私自身ですが、結婚を機に米子に初めて来まして、近くに親兄弟親戚も無くて核家族としての生活が始まりました。いきなり、育児も始まったものですから、随分と苦労をしたという事で、ここが出発点かなと思います。松江市にはおもちゃの広場という良いものがありますけど、米子には伸び伸びと遊べる場所が無くて、特に冬の遊び場には困りまして、上の子が2歳と真中の子が9ケ月の時に、平成7年4月、運動遊びサークルの「ランランライオン」というものを発足させました。この時はサークルがどういうものか判りませんでしたし、行政が少子化対策をやっている事を全く知らない時でして、只、自分が大変で24時間狭い家の中に居るのは自分にとっても子供にとっても良くないという、この思いだけで始めました。始めた当時は体育館でやってますが、場所の確保も難しくて、色々苦労したのですが、活動し始めて暫らくして、子育て支援センターという凄く助けになる所があるという事を知りまして、そこからお世話になっています。

 

「ランラン」について話をさせて頂きますと、1年目は現役のお母さん同士で話をして3人で立ち上げたのですが、受付から遊びまで全部こなして大変なスタートでした。立ち上げたメンバーが2人抜けて、私一人となった事もあって、2年目、3年目には新しい人達にも入って頂いて皆で助け合ってやる体制作りをしていきました。3年目にはもう会員が80組、毎回50組は集まるほど膨れ上がりまして、活発な活動をしていたので基盤は出来たのかなという安定期に入ったのかなという感じで思っていました。処が私の主人の仕事の関係で平成9年から1年間だけ抜ける時がありまして、また帰ってくるからねという形で抜けたのですが、帰ってきてビックリした事がありました。というのは、自分が作ったサークルで1年しか抜けていないのに、知っている人が殆んど居ないという会員の回転の速さ。それから皆が楽しく活動していこうとしているのに、上手くいっていない。何をやっていいのか判らないという会員の人達の苦労を知った事でした。私はその時に皆に負担を掛けるようなとんでもないものを作ってしまったのかなと思いまして、何が悪かったのだろうかと随分反省し考えました。ここでどんなに良いサークルでも山は有ってもメンバーは毎年変わるので集まってくるお母さん達によって、毎年色が変わると、そういう事で山が有ったり谷が有ったりするのが、子育てサークルなのかなと気が付きました。

 

子育て支援センターから支援を受けているという安心感はありましたけど、自主的に自分達の問題として解決していく為の他のサークルとの横の繋がりが無かった事が一番の問題なのかなという事にここで気が付きました。そして自主的にという事は助けて貰うのでは育たない色んな問題が出て来ると思いますが、その問題にぶつかった時に自分達で乗り越えて行かないと本当の解決にはならないと。そういうところが気が付きました。加えて地域の支援が無かった。「ランラン」は自分達だけでやっていたので、それが無かった事も問題だったと気が付きました。そういう中で自分のサークルを何とかしなければと思っていたところに支援センターが当時は1ケ所しか無かったのですが、増設になるという話を聞きまして、少子化対策で国や県や市が色んな動きをしているという事もその時に知りまして、当事者であるお母さん達の知らない処で未就園児かかえる私達母親の声を今届けなくてはいけない時期ではないかという事で友達2人と合わせて私を入れて3人で各サークルへ署名を集めまして、市長陳情に行った経緯があります。それについて詳しくは資料に載せて有ると思います。

 

署名といった過程において、私達が耳にしたのが、各サークルのリーダーの悩みでした。リーダーとは何をやっていいのか判らない、大きなサークルで有れば人数多くて纏めるのが大変である。皆が手伝ってくれない、着いてきてくれない、リーダーをしていて友達が返って仕事に追われて増えなかった。リーダーの孤立とか、そういう話も耳にしました。そして又、新人がサークルに入れない不安、期待を込めて行って見たのにサークルの輪に馴染めなかった。声を掛けてくれる人が居なかった。友達が出来なかったという、そういう不安とか悩みとか色んな声を聞きました。

私は自分のサークルの事で色々動いていた時に、ネットワークの必要性があるなと感じながらも、今一つ、踏み切れないでいましたが、これらの沢山の声の署名を集めるにあたって、聞く事によって、そのままにはしていられなくなって、リーダー会の中で自分達で出来る事はお互いに助け合って解決し、出来ない事は意見をまとめて他の団体と協力しあって子育てし易い環境を作っていきませんかという事で声を掛けました。そうしたところ、殆んどのサークルからは賛同を得る事ができまして、平成11年10月に「わくわくこめっ子ネットワーク」の発足という事になりました。

 

しかし、発足した当時は身近に見本となるものが無くて、当時は先ずネットワークとは何だろうかと、どんな活動をしたらいいのか。形も位置付けも全然判らなくてネットワークのメンバーで随分話をしました。その結果というのが資料の中の図1の物です。

そして次の様に私達は考えました。「わくわくこめっ子ネットワーク」とは、米子市33サークルの横の繋がり及び行政との縦の繋がりの核となるために、一番として各サークルとの連携を取る事によって孤立化を防いで活性化及び継続を促す為に情報収集、情報提供を行なう、ここにもう一つ、情報交換というのも必要かなと思うのです。2番目に他団体及び行政とのより良い連携を取る。という事を先ず目標にしようとなりました。そして1番お母さん達の声を行政に届けやすくする。2番目に子育て支援センターと係わり深いものでもあっても子育て支援センターに対して意見が言えて逆に自分達の係わりある事として子育て支援センターの代弁も出来る。3番目に行政寄りの団体にならない事が真に子育て環境を改善していけるのではないかという事を考慮して、行政からも子育て支援センターからも独立した形で活動しています。名前については先程そうじゃないかな言われましたが、将来の米子市を担うような「ごっこ」がわくわくするような楽しい活動をしていこうという事でこの名前が付きました。活動としては無理無く、押し付けでなく、自主的に嫌なことは嫌とはっきり言える信頼と安心感のある仲間作りを元に、子育てサークル以外の人にも子育ての情報が与えられて、どんな小さな事でも困っている、助けを求めている人の声を拾い、少しでも救いとなれるように活動しようとしています。

 

活動内容としては、月1回以上は集まって会報発行、それから子育てフォーラムのPRと啓発を兼ねて、8月の米子市がいな祭りパレードのやんちゃばやしへの参加、10月のふれあい健康フェスティバルの参加として各サークルとネットワーク紹介のパネル展示、これを今日は持って来ました。このパネルはふれあい終了後、健康対策課に常設展示して健康診断などの時に広くPRし、お母さん達が自分がどの地域でどこのサークルへ参加したらよいかという事が判るようにしています。目的別に付いては重複可能としています。

4番目に書いていますが、行政との意見交換会という事で、各サークルへのアンケートとか子育て支援センターに意見を入れて書いて貰うような設置箱を設けてまして、それらをまとめて行政に届けるようにしています。事務局も最初は全然無くて私が肩代わりしていましたが今年の春から福原子育て支援センター内に設置して頂ける事になりまして助かっています。スタッフとしては、OB合わせて10人程、会報で募集したりリーダー経験者に声を掛けたりして集まったメンバーでやっています。

ネットワークを作って、私が先ず1番最初に良かったなと自分自身が思ったことなのですが、ネットワークを作った後で地域としてのたんぽぽサークルは地域に無かったのでこのサークルを作った時に地域の方たちに地域に必要なんだと理解して貰うのは色々大変な面が有ったのですが、活動内容についてはネットワークの情報が色々有ったので随分助かって困らないでやっていけたという事がありました。この資料については昨年の8月までの物ですが、それ以後も色々時代は動いていまして、流れがありますので、それについても紹介させて頂きたいと思います。

 

9月に米子市とわくわくとの意見交換会をしましたし、11月に鳥取県知事さんをお迎えして、わくわくこめっ子ネットワークを含む西部地区子育てサークルと多胎児さんとの合同の意見交換会を行ないました。その時に米子市の福祉保健部長さんからはみんなの声を肥やしにしたいというお言葉を頂きましたし、鳥取県知事さんからは出来るだけ現場に出掛けて当事者の声を聞くようにしている。意見を聞く事がエネルギーになっているというお言葉を頂きました。そして双方とも全体的に前向きな返答を頂いています。

 

でも、色んな意見がありまして、全ての意見を反映するには難しいものが沢山ありますが具体的な実りとして、次の新聞が載せてあると思いますが、意見交換会が実りまして去年は県立武道館を借りれませんかという事をお願いしていましたが、それが中々難しかったのですが今年は意見が実って県立武道館にて子育てフォーラムが開催可能となっています。逆に意見を提出するばかりでは無く、私達もわがままにならないように言葉に行動に責任を持つ事をサークルの中で学んでいこうと考えています。行政と歩調を合わせて行く事が大切で、共に歩んで行く事で子育てサークルも子育てネットも育ち発展していき、子育てし易い社会に繋がると思います。県内のネットワークについてですが、西部地区の鳥取県西部地区14市町村あるのですが、代表者会議という形で連絡を持っているのですが今、見直しの時期に入ってまして、2年やってきましたが核サークル活動の様子とか課題などきちんともう一度調査しあって、もう一度目的も確認しあって今後は計画的にやっていこうと前向きに動くようにしています。

 

他にも多胎児サークルが東、中、西と鳥取県にあるのですが県全体としてのネットワークが進んでいますし、又、別の立場で現役のお母さん達だけでは無く、子育てアドバイザー、家庭教育相談員など、支援者側のネットワーク化も進み拡がっているようです。これは時代の流れかなと思います。そして自分がふっと我に返った時に私はどうしてこんなに一生懸命子育てサークルをやっているのかなと思う事がありますが、自分が苦労して生み育てたサークルは我子のようにかわいいから、そのサークルの助けとなるために活性化とか継続とか、その為にネットが必要になってネットワークを作ってきたのだと振り返った時に思いました。今後の課題としては、後に続く人を育てる事。ネットがネットワークが継続し易いように、良い形に整えて置くことかなと思います。子育てネットワークとは、目的を共有する大きな組織でして立ち上げにはパワーが必要かなと思います。でも、1人でするのではなくて、皆で助け合う事。それぞれの持つ力をうまく引き出し合いながら、分担しながらやっていけば、無理無く出来るのではないかと思います。良い仲間は集まりますし、仲間作りの輪は拡がり結び付きも深まっていくと思います。私個人としては本当に煩わしい人間関係に随分苦労した事もありますが、集団が大きくなると更に難しさも増します。でも大切なのは、どれだけ相手の気持ちを理解して汲み取れるか、それは生きていく上で大切な事であって、子育てサークルとか、ネットワークの中で人間関係を学べて、先程からコミュニケーションという言葉が出ていますが、そういうところで私は随分勉強になって良かったかなと思っています。

 

昨年11月に鳥取子供学園希望館の館長さんを御呼びしまして講演会をネットワーク主催でやったんですが、その時に松田清先生の講演会の中で、ネットワークとは心と人と知恵、力の繋がりですと教えて頂きました。本当に自分が活動してきて知恵と力の繋がりというものを実感しています。色々な学びの場、と言うのが子育てサークル、子育てネットワークだと思いますが、子育てサークルの活性化、継続の為にネットワークは必要であって、地域性もあり様々なネットの中から自分に合ったネットを探す事も必要とは思いますが、自分に必要なネットワークに育てる事も大切ではないかと思っています。以上です。

 

松江子育てフォーラム(平成14年1月20日松江市子育て支援センター主催)にて発表内容より