SPARKLER







「畜生・・・忌々しいっ!」
犬夜叉が怒りを込めて呟く

「そんなに怒ったところで仕方のないことでしょう」
と弥勒が宥めても益々機嫌を悪くするばかりで、全く手のつけようがない

「あぁぁ!!!もうイライラする!!
 犬夜叉、あんたかごめちゃんの所行ってきな」
言うが早いか、珊瑚は犬夜叉の衣をぐいと引っ張る

「・・・ばっ!!! 何で逃げなきゃなんねぇんだ!」

「それはですね、犬夜叉・・・」
弥勒が犬夜叉の肩にそっと手を置いて言う
「お前がいては、私と珊瑚もやることができないからですよ ・・・ね、珊っ」
























「あいつら今頃、絶対おれのこと馬鹿にしてやがるぜ」
「あら、どうして?」

お風呂から上がったばかりのかごめが、タオルで髪を乾かしながら尋ねる

「朔がくると、殆どこっちに行ってるから」

ムスッと頬を膨らます姿が何とも言えず可愛らしい

「でも、今日は月がないから、本当によく星が見えるよ」

窓を開けると心地よい風が届く

「そうだ、犬夜叉」
パチンと手を合わせかごめが笑顔を見せる
「花火、しよう?」

「花火だぁ?」
犬夜叉はかごめから目を逸らす
「なんでおれが・・・」

「ねぇ、ダメ? どうしてもイヤ?」
かごめは犬夜叉の前にちょこんと座り、じっと犬夜叉を見つめる

頬を紅潮させ、瞳を潤ませ、「お願い」のポーズをとられて断れる男が何処にいよう
無論犬夜叉も例外ではなく、遂には折れた











「うわぁぁ・・・」

両の手に1本ずつ持った花火が、赤や緑など様々な光を生み出していく

始めは渋々だった犬夜叉も、その顔に自然と笑みが浮かび、楽しんでいる
勿論そんな犬夜叉を見るかごめも楽しいわけで・・・











蝋燭が半分ほどになったころには、残りは線香花火のみだった


「あ・・・」
「犬夜叉、落ちるの早いよ」

じっとするのが苦手な犬夜叉は、玉が出来ても直ぐに落としてしまう
一方のかごめは、慣れている所為もあるだろうが、大抵は燃え尽きるまで玉が落ちることはない

「ねぇ、犬夜叉、勝負しよう?」
「勝負?」

かごめはコクリと頷く

「どっちが落とさないでいられるか」
「けっ、どうせお前が勝つんだろ?」
「負けたら、勝った方のお願いを聞くの。 どう?やる?」
「嫌だっつってもやる気だろ?」

犬夜叉は軽く舌打ちし最後の1本を手に取る


「よ〜い・・・ドン!」







お願い事、どうしようかな?
折角だもん・・・キ・・・





「おれの勝ちだ」
「えっ・・・」

犬夜叉の一言で、かごめはハッと我に帰る

「どうしちまったんだよ、さっきまで余裕こいてたくせに」

唇を軽く尖らせ、かごめは心の中で呟く




あんなお願い事考えてた、なんて言えないわよ・・・




「で、犬夜叉のお願い、なぁに?」

かごめは蝋燭を挟んで犬夜叉の正面に腰を下ろす
小さく流れるような風で灯火が揺れるたびに、何故だか胸が高鳴ってしまう

犬夜叉は腕を組み小声で唸りながら考えているようで、何とも言えず微笑ましかった

「何でも聞いてあげるわよ?」

何を思ったのか犬夜叉は、突然に蝋燭の灯を吹き消した
犬夜叉が立ち上がる気配を感じとり、かごめは慌てる

「ちょ、ちょっと・・・犬っ」
「んだよ、おれは何処にも行ったりしねぇよ」

肩を掴まれ、身動きがとれなくなる

「何でもいいんだよな?」

漸く暗闇に慣れたかごめの目が捉えたものは、ゆっくりと近づく犬夜叉のマスク。
かごめは、犬夜叉が瞼を閉じたのを見て悟り、自身もゆっくりと瞳を閉じた


































〜管理人より〜

私の誕生日記念に頂きましたvv
私ゎえっこ様(えこちん)の小説の締め方がホント好きなんですvv
ピシッと終わるでもなく…さらりと…
思わずにやけてしまった一品ですvv
ありがとぉございましたッ。。