龍牙
―楓の村―
「妖怪退治ですか?」
「ああ。最近わしの村の外で暴れている妖怪がいての・・・手伝ってはくれまいか?」
「分かりました。お供いたしましょう。」
犬夜叉が不機嫌そうな顔をし、弥勒と楓を見た。
「おれは行けねえぜ。」
「どうしてです?」
「朔の日だっつーの。覚えとけ!」
朔の日は犬夜叉にとって1番こわい夜・・・
半妖・・・だから―――
「では、私と珊瑚が行って来ます。七宝、お前もだ。」
「お、おらもかっっ?!」
少し半泣きでこたえる七宝。
「かごめちゃんは犬夜叉を守ってあげなよ。」
「てめっ、おれはかごめに守ってもらわなくてもおれはじゅうぶん強いっ!!」
「犬夜叉、どうでもいいじゃないそんな事・・・。」
そして夜―
爪も牙も犬耳もなくなり、普通の人間の姿になった犬夜叉。
「じゃあ、行ってきます。」
「お前らいちいち夜に行く事ねえじゃねえか。」
「まぁ、理由はその頭で考えな。」
珊瑚は雲母を肩に乗せ、歩き出した。
「わけわかんねえよっ、ったく。」
弥勒達は妖怪がいる方へと去った。
「犬夜叉、小屋に入っておこ?妖怪が来たらまずいでしょ?」
「ああ・・・。」
2人は、小屋に入り静かにしていた。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
ガタ・・・ガタン・・・
「な、何?今の音・・・!」
「しっ。黙れ。」
言われた通り、かごめは黙った。
妖力を失った犬夜叉はそこらじゅうの人間と同じ・・・
妖怪に襲われたらひとたまりもない。
―かごめを守れねえ―
「あおぉおおぉおおおん。」
「・・・狼だな。」
「狼?!」
犬夜叉は変化のしない鉄砕牙を握り締めた。
「外に出るぞ。」
「あ、危ないわよ!」
「ここにこもっていてもし狼が入ってきたら、逃げる事ができねえだろ。」
犬夜叉はかごめの手首を掴み、外に走って出た。
「なっ・・・。」
「ん?お、出て来たな。」
狼の中にまじって、人のような形をした奴がいた。
「妖狼族??」
かごめは犬夜叉の後ろに隠れながら言った。
「おぉ、いたいた。」
「て、てめえ一体誰なんだっ?!」
「おれは龍牙。鋼牙の親戚みたいなもんさ。」
龍牙はそう言いながら、犬夜叉の方に近づいた。
犬夜叉とかごめは一歩さがった。
バキッ
「ぐっ・・・。」
犬夜叉は龍牙に殴り飛ばされた。
「犬夜叉ー!」
かごめは犬夜叉の方へ走り出そうとしたその時―
「おぉっと、どこに行くんだよかごめ・・・。」
かごめの手首を掴んだ。
「離して!」
かごめは思いっきり抵抗をする。
「・・・かごめっ・・・!」
犬夜叉がかごめを呼んだ。
「犬夜叉・・・黙ってろ。」
そう言うと、龍牙はかごめのもう1つの手首を掴んだ。
「!!」
抵抗を続けるかごめ。
だが、妖怪である・・しかも男にかなうわけがない。
龍牙には可愛く見えた。
「力弱いんだな、かごめ。」
龍牙はかごめが抵抗をしている姿を見ながらニヤニヤ笑った。
犬夜叉はよろりと立ちあがった。
「てめえその手を今すぐ離しやがれっ!」
「なんだまだいたのか。」
「犬夜叉・・・」
「殺れ。」
すると狼達が犬夜叉を囲んだ。
「くそっ・・・。」
1匹が犬夜叉の足に噛み付いた。
「ぐあっ・・・!」
もう1匹は犬夜叉の腕に噛み付いた。
「・・・・っ!!!」
その場で犬夜叉は倒れた。
「ちく・・しょう・・・!!」
「ざまあねえな。自分の女も守れねえなんてよ!」
龍牙は大声で笑った。
(力が弱まった!)
「離してっ!」
かごめは龍牙の腹を思いっきり蹴った。
「うっ・・・。」
手首が自由になった。
「犬夜叉!!!」
かごめは犬夜叉の方に走って行った。
「くそっ・・・」
ゆっくり立ちあがろうとする、犬夜叉。
「駄目。今動いたら噛み殺されちゃう!」
(あ、あれは・・・!)
かごめの目に何かが入った。
―弓矢!―
かごめは弓矢を取り、犬夜叉の前に来て弓を構えた。
そして矢を放った。
ゴッ
かごめの矢が何匹もの狼に当たった。
「あと・・・5匹・・・。」
バシュッ
全ての狼を倒した。
残りは・・・
「龍牙!」
「鋼牙の言ったとおりだな。」
(・・・?)
「いい嫁になりそうだぜ。どうりで鋼牙が惚れるわけだ・・・。」
ピクピク・・・
”鋼牙” ”嫁” ”惚れる” の言葉に反応した犬夜叉。
「おらおらー!」
ムクリと立ちあがり、かごめの前に立った犬夜叉。
「犬夜叉!あんた大丈夫なの?!」
「おれを誰だと思ってんだ!」
かごめに怒鳴った。
「・・・・・。」
かごめは少し安心し、静かに微笑んだ。
「さっさと失せな。」
「言われなくても帰るよ。」
龍牙は去った。
「早く手当てしないとっ!」
―――・・・
―小屋―
「はい、終ったわよ。」
「・・・・・。」
「どうしたの?痛むの?」
・・ギュッ
「犬・・・夜叉?」
「おれはどうしてこんなに弱いんだ?」
「え・・・。」
「今度こそおれはお前を守れねえと思った。・・・怖かった。」
かごめを抱き締める腕に力が入った。
「もっと強くなるから・・・人間になってもお前守るからっ・・・!」
(犬夜叉が・・・震えてる・・・。)
「傍にいてくれるか?」
かごめはソっと犬夜叉から離れた。
「当たり前でしょ。」
大きな笑顔を、見せた。
犬夜叉が大好きな笑顔を―――
<END>
以前頂いた小説ですvv
犬の弱いところに胸打たれますッ(>_<)
それを包むかごちゃんにも(惚)
ありがとぉございましたッm(_ _)m