優しい微笑みを…


















好きだよ…










この言葉が素直に言えないのは傷つきたくないから

結局は自分を護る為









「ねぇあまり動き回らない方が良いんじゃない?」




「うるせぇ」





道に迷った私達

銀から黒に染まった長髪が私の顔の横を揺れ動く









汗が流れているのだって随分前から気付いてた










それでも足を捻った私を背中から降ろさずに必死に歩く彼









「もう良いよ私歩けるよ」






「うるせぇ」










「だってあんた凄い汗…」



「汗がどうした」



「…重荷になるのは厭なの」










「重荷じゃねぇよ」









「兎に角降ろしてっ」








やっと降ろしてもらうと、足に激痛が走った

悟られないように気を付けて歩いて見せたけど…






やっぱり…
























「強がってるんじゃねぇよ」
























優しい言葉をかけられた





「重荷だって思ってねぇから乗れ」














再び私は彼の背中へ













やっと一つの空き家を見つけ、私達はそこで一夜を過ごす事に決めた




どうして迷子になったんだっけ…





















私の所為だ…

























意地張って森に入って、心配させて

私って最低な女じゃない
















「ごめんね」













「あ?」



汗を拭う犬夜叉が私に目を向けた



「私が森に入ったから…」







「…そんな顔すんなよ」















そんな顔見たくねぇんだよ

隣で笑っていて欲しいんだよ

















だから…
















「いつもみたいに…笑って居ろよ」












「笑ってなんか居られないよっ」




私が…私の所為で…




「…笑ってなんか…」











犬夜叉を苦しめて…笑って居られる訳ないじゃない

好きな人を苦しめるなんて…何よりも辛いのに






















「かごめ?」

















涙が溢れていた

こんな自分に腹立てて











「見な…いで…」

















「お前の所為じゃねぇから…」


















自分を追い込んで居たんだろ…ずっと…

少し力抜けよ…そんなお前を見たくねぇ







「…かごめ」







犬夜叉に拭われた涙

その手は私の頬を包んで、唇をなぞった










甘えて良いの?










「犬や…」












唇が犬夜叉の唇に塞がれた


慰めてくれているの?


唇が離れると潤んだ瞳の犬夜叉が、私の耳元で囁いた













「笑顔のお前が…好きだ」











「え…っ…」











「好きで居たいから…泣くな…」







かごめの全てが好きだ…





でも…





笑顔のかごめが一番好きなんだ…

細くて小さい躰を抱きしめると、かごめは笑ってくれた









だから…もう一度口付けた









かごめの小さな舌を絡めると、かごめも躊躇いながらも絡めてきた






もう離したくない






耳に入る犬夜叉の荒い息と、唇を吸う音









誰か…誰でも良いから時を止めて…

ずっと…一緒に居たいから













「っ…はぁ」











唇を解放されて笑顔を見せたら

犬夜叉も優しく微笑んでくれた

こんなに優しく微笑んでくれるのは朔の所為なの?










それでも良い…







もう一度見せて…








苦しみに歪む顔ではなくて…

私の心を溶かしてしまいそうなその微笑みを…













「大好き」













そして私は犬夜叉に床へと倒された









沢山愛して愛されて

ただ心から幸せを感じた




















想いが交わされた瞬間

かごめだけを愛すると誓った








戯言じゃねぇ









だから…








沢山愛を捧げた


















夜が明けたと同時に髪が銀に戻る

それを見届けたかごめ

かごめは懐で眠っていた筈だったが

変化を終えた時には大きな瞳を爛々とし、優しく見守っていてくれた










朝はいつもよりも眩しくて、なんだかとても気持ち良かった








「気持ち良いね」


「あぁ」







優しい微笑みは…今日も私の側で続いている












end





〜後記〜

キリ番15000を踏んで頂いたりな様リクの
『犬かご激激激激激激甘をはるかに通り越した甘甘』
です。

期待通りになっていないかもしれません(>_<)
こんな小説でよければ貰ってやって下さいっ

15000hitありがとうございました。