井上夢人
岡島二人のコンビを解消後、ソロとして執筆活動を始める。 「ダレカガナカニイル」がソロ初めての作品。
「パワーオフ」 集英社文庫 評価A
時代がもっともっと進まないと、これ以上のコンピュータ題材の小説は現れないんじゃないかと思うくらい、面白かったです。 人工知能「A.I.」をもつプログラム、コンピュータウィルスやインターネットなど今の情報処理に関する最新の話題が豊富で興味をひくのに、わかりやすくて読みやすいです。 プロと素人との会話の中で、A.I.計画についての説明がなされます。 最初は、「彼はなぜこんなに妻の仕事内容を知りたがるのだろう。 これも伏線
か?」と疑いを持って読んでしまいました。 yagi氏のメールについては、インターネットなのだからきっとこういうことなんだろうと思っていたら、やっぱりそうだったので嬉しかったです。でも、プログラムが子供を生むとか、機能を獲得して成長すると
いう概念は、実際にプログラミングをしてみないと、なかなか実感できないだろうなあ。
「クリスマスの4人」 光文社 評価B
10年ごとのクリスマスに集まる大学時代の友人たち4人。 無鉄砲な20歳のときの事故により、4人はその後30年間罪の意識から逃れられずに人生を送る。 しかし、10年ごとに集まるたびに、ひき殺したはずの男に出会う。 しかもその男は、格好も顔も当時と同じままなのだ。
その不思議な出来事が、30年後の彼らが50歳のときに解明される。 4人のうちの1人が物理学者というのが伏線だったのかもしれないが、「若気の至りと罪の意識」ということを念頭において読み進んでいった私としては、その答えがとても唐突に思えた。 それまでの流れからは突然SFになるなんて、全然思わなかった。 2002/8/1