北川歩美
  覆面作家。 「僕を殺した女」でデビュー。


「僕を殺した女」   評価B
 「ある日目が覚めてみたら、身体が女性になっていて時間が5年過ぎていた」というセンセーショナルな設定。 しかもSFではないという。 すっごく期待して読みました。 ストーリーは面白いし、新たな事実が出てくるたびに衝撃を受け、矛盾のない説明と納得いく結末でした。 でも、もったいないと思ったのは、主人公の性格が好きになれなかったことと、「いったい僕は誰なんだ」という台詞が多すぎたことでした。 主人公は大学院生の男性に世話になっているのに、我が物顔のように寝室を使い、お金を使い、決して感謝はしない。 不思議な現象について仮説やわかったことなどを説明しようとしているのに最後まで聞かずに興奮するなど、主人公に対して苛々しちゃいました。


「猿の証言」 新潮文庫 評価C
 「脳」を題材とした小説は結構あると思うのですが、脳については、まだまだわからないことが多いためか、またきっと作者も調べていくうちに面白くて書きたいことが増えるせいか、すっごく説明が多いと思います。  私も最初はチンパンジーの言語研究の話を興味深く読んでいたのですが、途中から飽きてきました。  そして、北川氏の作品によく見られるのは、登場人物がいっぱい秘密をもっており、誰かが死ぬなどよほどのことがない限り、当事者同士口を割らないのです。 しかも「前はこう言ったけれど、実は・・・」というふうに事実と思っていたことが二転三転してしまうのがとても目立つような気がします。  いったい真実は何? そもそも問題はなんだったっけ?と思っちゃうのです。 最後の結末は結構衝撃的でしたが、ちょっといまいちと思いました。 でも「キメラ胚」など生殖医療の話などは面白かったです。



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