殊能 将之
デビュー作「ハサミ男」でメフィスト賞を受賞。
「樒榁(しきみむろ)」 幻冬舎 評価C
樒と榁の2部構成になっている。 同じ温泉町で17年の時を隔てて起こった密室事件の話。 最初の話は、今は亡き作家の遺作という形をとっている。 しかも、なぜか叙述トリックが仕掛けられている。 私の読みが浅いのか、この意味がわからない。 殊能氏の他の作品でも、「何か意味があるなあ」と思ってもわからないことが多く、悔しい。 ミステリを読みなれている私にわからないのなら、多くの読者にもやっぱりわからないんじゃないだろうか。
第2部で、探偵石動が登場する。 過去と同じ温泉宿に宿泊し、似たような密室事件をさわやかに解決する。 ストーリー自体は面白い。 でも、上に書いた1部に仕掛けられているものの意味が謎のままなので、いまいち楽しめない。
でも、温泉宿に対する気持ちや、料理に関する描写などはやっぱりうまいなあと思う。 文章が読んでいて気持ちがよいのが、一番の魅力だといつも思う。 ただ、そろそろ石動探偵シリーズ以外の、普通のが読みたいなあ。 2002/7/4