その22
子と親と
わたしの娘さとこへ
昨日、疎開生活中は好きな遊びも心から熱中できなくて面白くも楽しくもない。ということを記憶を頼りに書きました。きょうはその同じテーマの蛇足をします。番外編として聞いてください。
青年時代のこと、ある日の銭湯での風景です。二歳位の女の子が入ってきました。おとうさんは手早く女の子の体を洗い終えて、自分の体をあらいはじめました。女の子はピンク色のおもちゃの可愛いバケツからおもちゃを取り出して遊びはじめました。無心にひとり遊びをしていました。
しばらくすると、チラっと、おとうさんの顔をみて、又無心にひとり遊びのつづきをしています。ひとりで楽しんでいるのですが、時々おとうさんの方をみています。
ところが、おとうさんはからだを洗い終えて、ひげを剃りはじめました。あいにくこのお風呂やさんは、上のほうに鏡があるのでおとうさんは立ち上がって剃りはじめました。
女の子は相変わらずチラッとおとうさんの方を見ました。ところが、見えるのはおとうさんの長い足だけです。顔がありません。女の子は「??」と遊ぶのをやめてその場に立ち上がり、おとうさんをさがしはじめました。東西南北くる、くると見回しました。すぐ側におとうさんが居るのですがこの子には見えません。とうとう女の子
は伝家の宝刀を抜きました。「ウエーん。」
その声を聞いておとうさんは「○○ちゃん。どうしたの?」とこえをかけました。女の子はおとうさんの顔を見て泣いた顔のままにこっと笑って、又遊びのつづきをしました。安心して。
子は親がそばに居てはじめて、こどもらしく遊びに熱中できるのでしょう。
二歳と八歳との差がありますが、子と親とのつながりはそんなに変わらないのでしょう。
大人はどうなのでしょう?。
或人が言いました。旅行が楽しいのは帰る家があるからだ。と。
ではまた
あなたの父やまと
平成12年 5月30日
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