その7

うちべんけい

一年生になったころ、家に居るときは元気はつらつ、口も手もよく動く。
得意顔だったのは、逆立ちと、歌うことだった。「この子でんぐり返り上手やで」とおだてられ、何回も何回も繰り返しているうちに、逆立ちができるようになつた.歌も、「この子上手やで」と言われ、得意げに歌っていた。

学校へ行くと、怖さが先走りして口も手もすぼんでしまう。それにしても、学校へ行くようになって感心することあり、「なんてまあいろんな名前があるもんだなあ」隣近所の数軒の名前がすべてだったのに、たくさん、たくさんの名前が学校にはあった。「福井」という名前があった。不思議に思った。「何で県の名前と一緒なんやろ」

そのころ、我が家に馬が居た。馬車馬だった。家の前につないであるときが楽しみだった。馬の脚の間を潜り抜けるのだ。スリルがあって面白い。それを父が見て、「危ないからやめなさい、もしお前の頭が馬の腹に触ったら馬は虫でも来たと思って脚で蹴るかもしれない。」なっとくして「わかりました」といった。でもやっぱりときどき潜り抜けた。
休みの日、馬の背中に乗せてもらったことがある。高くてこわごわ、たてがみにしがみついていた。うれしかった。

がっこうで輪投げを順番にする授業?があつた。順番を待っている間は簡単そうに思えた。自分の番が来た。ひとつも入らなかった。なんでやろ?とてもくやしかった。緊張してちぢこまっていたのかも。

あるとき、「きょう学校でかけっこがあった」と父に言った。「そうか、それで何等やった?」
「うん五等やった」
「そうか五等やったか、何人で走ったんや」
「うん、五人や」
「そうか、五人で走って五等か、わっはっはっは。」と父の大きな声の笑い声が部屋
いつぱいになった。

ではこれにて失礼。                    10月28日

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