好きな人
一目ボレを初めて体験した瞬間だった。
人の顔を覚えるのが苦手な私でさえ、先輩の姿はその一瞬でやきついた。
なんてカッコイイんだっ!!
孫悟空が理想の男性と言い張る私の前に、空手着をまとった先輩。
正に運命の出会い!!
そして私は、なんの接点もない先輩との縁を無理やりつなごうと作戦を立てた。
その名も「お友達になってください」作戦。
早速友達に手伝ってもらい、彼の住所と電話番号を手に入れた。
作戦開始。
先輩の自宅は、家からチャリで40分ぐらいの距離。
そう遠くはない。
とりあえず電話をかけた。
どこの誰かも知らない私と、先輩は30分も話してくれた。
「学校で会ったら挨拶します。それが私ですから。」
挨拶することを約束して、初日の電話は切った。
その日わかった事。
先輩は車の免許を早くも持っていると言うこと。そして、私と同じ誕生日だと言うこと。
落ち着いた声で落ち着き無い会話。なのに口数は多くない。
知らない女と長々とたわいも無い話をするなんて、油断した奴だ。
忘れもしない、先輩が私を知った日。
4月30日、雨の朝だった。
この日から電話攻撃と平行して、ご挨拶攻撃も仕掛けていった。
さじ加減を慎重に、偶然をよそおって、かわいい後輩を演じる私。
けっこういい感じかも。
しばらく、この攻撃は続けることに決めた。
数ヵ月後、その頃なんとなく付き合ってた彼氏と折り合いが悪くなり、ごたごたが続き、
その為作戦は一時中断。ホントに偶然あった時にだけ挨拶をする程度に変更した。
そして9月、先輩から家に電話がかかってきた。
「最近連絡がないから心配だった」と言う。
私、(かかったなぁ!!!!!!!!!!!)と内心爆喜。
久しぶりに話した電話、なんかもうお友達じゃんっ♪
と言うことで、作戦終了。
私と先輩の縁は繋がった。(半ば強引。でもいいの♪♪)