好きな人 3

バレンタイン・ドライブ後間もなく、先輩と私は付き合うことになった。
なんてラッキーな私。
先輩が沖縄へ行ってしまうまでの約1ヶ月間で、彼のこと、いろいろ知ることができた。
そして知っていくごとにどんどん好きになっていくのが、手にとるように分かった。
別れは確実に近づいているというのに…。

出発間もないホワイトデーの日、彼は私に合鍵をくれた。
遠距離恋愛なんて初めてだったけど、ダメになるなんて考えたくなかった。
憧れの先輩とお付き合いできて、それだけで十分ラッキー。
だけど、先輩が合鍵を渡してくれたってことは
この先もお付き合いが続くっていうことの証だよね。
私はその夜、「GWには必ず会いに行くから」と約束した。

はっきり言って、GWまではとても長かった。
バイトバイトで旅費を稼ぐ毎日。それなのに1日1日はとても長く感じられた。
彼からの電話を待って、手紙を待った。
私からも電話をして、そして手紙を書いた。
気持ちが離れないように、でも嫌われないように。
学校行って、バイトして、夜泣いて、そして眠る。そんな毎日を送っていたように思う。

私が会いたくて、淋しくて…と辛い毎日を送っていた頃、
先輩はもっと大変な思いをしていたんだと後になって気づいた。
知らない土地で、一人きりの生活。
好きで行ったとはいえ、初めての一人暮らし・初めての社会人生活。
初めてだらけの環境に慣れるまで、きっと大変だったに違いない。
ちょっと考えれば分かりそうなことだけど、
当時高校生の私にはそれが分からなかった。
考える余裕が無いんじゃなくて、分かんなかったの。
経験したことなかったから。一人暮らしも、知らない土地での生活も。

そして、GWはやってきた。
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