告知

しこりの検査を受けたのが年の暮れだったため、結果は年が明けた1月8日に聞きにきなさい、とのこと。一か月近くも待たされるのか。

が、その間PUDGEの身内に思いもよらない不幸があり、しこりに関する不安は心の片隅に押し込められてしまった。目に見えないビー玉ほどのしこりより、目の前で悲しみに打ちのめされているPUDGEの方が心配だった。哀しくなってしまったクリスマスを、無理に楽しく過ごそうとする親戚たち。貼り付けたような笑顔のクリスマスを共にスコットランドで過ごし、心身共に疲れ果ててロンドンに戻った。

ロンドンでは、RFホスピタルからの手紙が待っていた。8日の予約だったが2日に来院するように、とのこと。待たせるのがお得意のNHSでも早まることがあるのか、珍しいこともあるもんだ、などと呑気なことを思いながら新年を迎えた。

ブレストクリニックでは例のごとく待たされたが、検査の時とは違い、今回はPUDGEが一緒だ。待ち時間の不安を紛らわそうと、今日のPUDGEはジョークが冴えている。

Miss Rの部屋に呼ばれ、ガウンに着替えて待つ。「Miss R」? 「Dr.R」ではないの?と疑問に思うが、深く考える暇もなくMiss Rが入ってきた。イヤな予感。「良いニュースではないのよ。」辛そうな表情のMiss Rが言う。心のどこかで「やっぱりな...」と思いつつ、Miss Rの次の言葉を待つが、なかなか出てこない。引きつった笑顔で先を促すCHUBに答えてようやくMiss Rは言った。

「癌です。」

癌と聞いたPUDGEの目にみるみる涙があふれていく。私の目は乾いたままだ。ハハも乳がんだった。手術をし、今はもうテニスにも復帰しているらしい。「癌」と言うとすぐに連想しがちな「死」とはほど遠い生活をしている。そんなハハの姿に支えられた。「死」という考えは頭をかすめもしなかった。しかし、この数カ月の間に死をとても身近に感じ、心をズタズタにされてきたPUDGEにとっては、また違った響きを持っていたことだろう。涙を流すPUDGEの腕の中で、ああ、またPUDGEの心に傷がついてしまった、と感じていた。

「しこり」は「癌」だった。それではこれからどうすれば良いのか?乳房は切除するらしい。手術後はきっと化学療法をすることになるだろう。そこまではハハと一緒だ。だが、次の言葉を受け入れる心の準備はできていなかった。

「子供ができない体になる可能性があります。」

幸せな幼少時代を過ごし、いつか自分の子供にもそんな幸せな時を与えてあげたい。ハハのような母になりたいと夢見てきたCHUBには酷すぎる宣告だった。

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