リサーチ

1月2日、新年早々に告知され、その日はあまり詳しい話も聞かないまま終わった。急なことで何を説明しても頭の上を通り過ぎていくだけだろう、というMiss Rの気遣いだった。一週間後に詳しい説明を受けるための予約をし、リーフレットを小さなファイルにいっぱい渡されて家路についた。

二人のお気に入りのパブに寄り、暖炉の前でため息をつく。PUDGEはビールで、CHUBはスープで気を落ち着かせながらファイルを開く。ほんの2か月前までは遠い世界の話だと思っていた情報が、今は我が身のこととして溢れ出てくる。「Understanding Cancer of the Breast」「Treating Breast Cancer」「Breast Cancer and You」に始まり、「Understanding Breast Reconstruction(乳房再建)」「Radiotherapy(放射線療法)」「Chemotherapy(化学療法)」と続く。

あまりの情報量に頭がパンクしかけた時、また別のリーフレットが目にとまった。「Yoga」「Aromatherapy」とある。乳がん経験者のためのヨガ教室。乳がん治療を終えた人にはアロマセラピーマッサージ6回。その他にも、乳がんに負けずにきれいでいたい女性のためのメークアップ教室、「Look Good, Feel Better」。全て無料で参加できるらしい。これからの不安におびえるCHUBの心に一条の光が射し込んだ。

人生なかなか捨てたもんじゃない。

アロマセラピーマッサージに目がくらんだまま帰宅し、現実の世界に引きもどされると、様々な疑問が湧いてきた。Miss Rの言う通り、全摘しか道はないのか? このままRFホスピタルで治療を受けるか? NHSかプライベートか? そして心の片隅で声がする。

「本当に癌なのか?」
数々の疑問を少しでも解決すべく、まずGPに会いにいった。CHUBのGP、Dr.GはCHUBとPUDGEが診察室に入るなり言った。「来ると思ってたわ。大変だったわね。質問でしょ、分かってるわよ。どのホスピタルが良いかでしょ。」口をはさむ隙もなくドクターが一人でしゃべり続ける。そして驚くべき正確さでCHUBの疑問に答えていく。RFホスピタルは、他のホスピタルからわざわざ移って来る患者がいるほど信頼に足るレベルであること。NHSでもプライベートでも受けられる治療の質は変わらないこと。プライベートだとものすごく費用がかかること。そしてセカンドオピニオンが欲しければホスピタルを指定することもできると教えてくれた。

ニードルテストで無駄に痛い思いをさせ、イモウトに「最初からバイオプシー採れば良かったのに。」と言わせたRFホスピタルの検査医(Miss Rではありません。)への信頼は薄かった。「彼ならどこかで手違いしたかも...」癌を否定したい気持ちも手伝って疑いの気持ちはつのる。

セカンドオピニオンは欲しい。しかしどのホスピタルが良いのだろう?

世界を股にかけた「ミッションCHUBのホスピタル選び」が始まった。日本ではチチがハハの担当医に手紙を書いてアドバイスを求めた。アフリカのケニヤからは、CHUB家の人々が「大ママ」と慕うKさんが、イギリスでドクターをしている娘さんに連絡を取ってくれた。イギリスではインターネットが大活躍した。そうして見つけたのが世界初、ヨーロッパ最大の癌専門病院、RMホスピタルだ。有名な病院なのだが、癌になるとは想像もしていなかったCHUBの心には印象を残していなかったのだ。

意識してみると、世の中には乳がんに関する情報が溢れている。知識は力を与えてくれる。しかし今回、一部の情報は必要に迫られるまで見ないことにした。薬の副作用について、がそれだ。辛い未来を予言する情報は、必要以上に不安をつのらせる。子宮がんを乗り越えた友人からのアドバイスだった。

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