| 出 典 |
大前研一著「一人勝ちの経済学」 <<その3>> |
| 発 表 |
1999年8月30日 |
| 内 容 |
◎バブルの実体化 いまアメリカでは、ベンチャー企業であるヤフーや、アマゾン・ドットコムなどの株が急騰している。その急騰は、ある意味では、バブル的と言えなくもない。しかし、その著しく急騰した自社株を元手に、それらの企業は、実態のある企業をいろいろ買収している。アメリカでは自社株を資金にした企業買収が可能だ。 こういうことを続けていくと、バブル的とは思われていた企業が、しだいに実態のある企業に変貌していくことになる。QWESTという全国にまたがる光ファイバー網の会社も、創立3年で自社株が何兆円もの時価総額に達する企業にのし上がった。周囲がバブル企業の典型だと見ていたら、同社はUSウエストという地域電話会社を、その自社株で買収した。シアトルからアリゾナまで13州に広がる優れた電話会社だ。この買収によって、同社はバブル企業から実体企業への転換したわけである。こうしてアメリカ経済は今、バブルの実体経済化を急速に促進している。 バブルやムードも、うまく利用すれば、実態のあるものに変換することができるのである。 ◎「一人勝ち」企業になるためには いくつかの商品に絞って、突出した商品を市場に投入し、旧来のムードをという壁を突破するのである。そのことに成功して尖兵商品が売れ始めたら、会社全体のムードを実力に転化する努力をコツコツと続ける。ムードが動いて消費につながっている間に、実力に転化するのである。 ◎「一人勝ち」企業で居続けるには 少しでもムード転換の兆候が出てきたら、それに対して細心の注意を払わなければならない。ムード転換の恐さというものを、トップ企業は十分に認識する必要があるのである。マイクロソフトのビル・ゲイツは、圧倒的な世界一企業となった今でも、「一つのミステークが命取りになる」ということを、言いつづけている。 |