| 出 典 |
テレビ東京 シリコンバレーからの緊急提言 (2月7日放送) |
| 発 表 |
1999/2/7 |
| 内 容 |
■竹内弘高氏(一橋大学商学部教授) ★シリコンバレーの「3S」 シリコンバレーの競争力の源泉は「3S」で表すことができる。 ○Specialists 特定の分野に特化して、ビジネスを立ち上げる。Elevator Statementという言葉がある。エレベーターに乗っている30秒の間に自分のビジネスを説明できなければ、Capitalistは投資してくれない。 非常に狭い分野(30秒で説明できるような)に特化してビジネスを展開しているSpecialistがシリコンバレーで成功している。エレクトロニクスの世界ではRule Breakingといって、競争のルールをぶち壊している連中が成功している。そのほとんどがSpecialistである。 ○Smarts いかに頭がいいかの問題である。ここでいう「頭がいい」とは、どちらかといえば、Street Smartで、いつも新しいことを考えている、新しいコンセプトを提案しているという意味である。シリコンバレーの場合は、Outsider、つまり、Smartであればどこの国の人間であるかは関係なく、シリコンバレーの外から人材を吸収している。 ○Start-Up Start-Upとは、会社を起こすこと。1度だけ会社を起こすことではなく、何度も会社を起こすことを意味する。シリコンバレーでは2つ、3つの会社を起こすことは当たり前である。 ○+α Freedom-To-Fail 全員が失敗する自由を持っている。つまり、失敗は当たり前である。これがシリコンバレーの活力になっている。 ■米倉誠一郎(一橋大学イノベーション研究センター教授) 有望といわれているシリコンバレーのベンチャー企業の社長に聞いた。 「失敗すればどうするの?」 「失敗? もう2回もしたよ。2回の失敗の経験があるから次は大丈夫だ。」 シリコンバレーには、数を打つ仕組みとしてのベンチャーキャピタルがある。銀行から金を借りる場合は、銀行は担保を取るので、銀行のリスクは低いが、起業家のリスクは高い。失敗すれば担保をすべて持っていかれてしまう。ベンチャーキャピタルの場合は、リスクは投資家が負うので、起業家のリスクは低くて何でもできる。 ■竹内弘高氏(一橋大学商学部教授) ベンチャーキャピタリストたちは自分たちのことを究極のネットワーカーだという。誰と誰をくっつけるのかを決める真中にいるのがベンチャーキャピタリストである。 ある大手のベンチャーキャピタリストは自分たちのことを「ケイレツ」と呼んでいる。 ■島田晴雄氏(慶應義塾大学経済学部教授) アメリカでは、1974〜88年の間、男子の労働者の賃金は下がりつづけた。日本の賃金の低下はまだ2年である。本当にアメリカは地獄を見たのである。その中で、ベンチャーが生まれた。大企業が情報化や金融不況のせいで、中間層を排除し、その結果、一流大学の学生ですら就職先が無かった。その中で、優秀な学生がリスクをかけて立ちあがった。 一方、日本では、政府はやれることはすべてやった。多額の財政出動を行い、景気を浮揚させようとした。しかし、民間には活力が出てこない。 なぜ、民間には活力が出てこないのか? 民間の企業の人間は、消費者が本当に何を望んでいるかを見極める努力が十分でない。高度成長時代に完成した生活パターン、需要に合わせて供給を行おうとするので先細りになる。たとえ、不況でなくても先細りになるのである。産業界は新しく形成される社会をきっちりと見ていないのである。 ■シリコンバレーで起業した日本人の話 起業についは、すべてが大変であった。一番大切だと感じたことは、バランス感覚である。強い技術、有能な技術者・マネイジメントと集めること、強いマーケッティング戦略を立てること、ファイナンスが十分に供給されていること、この中のどれか一つがかけても成功できない。 シリコンバレーで起業して一番良かったことは、人材である。会社を設立して3ヶ月で有能な技術者が1000人も応募してきた。これは日本ではありえないことである。 ■その他 ◎競争に勝つには、より創造的で革新的であること。才能のある人間をひきつける魅力的な環境を作ること。そして、技術事態に依存せず、それをより革新的な方法で使うこと。 ◎ベンチャー企業では、技術開発と商品開発が直結している。技術開発、商品開発とマーケッティングが同時進行していて、非常に短期間に新しい商品が開発できる。 ◎Make a difference make a millionaire これまでの日本ではBetterを目指してきたが、これからはDifferentを目指すべき。 |